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歯科で糖尿病改善?歯周病治療と糖尿病のふか~い関係とは?

歯周病と糖尿病。
一見するとなんの関連性も無さそうに感じるこのふたつの病気には実はふか~い関係があることをご存知でしょうか?
さらに、歯周病治療によって糖尿病が改善する場合があるということも近年の研究によって徐々に判明してきているのです!
そこで今回は、歯周病治療と糖尿病の関係についてMedical DOC編集部がお届けいたします。

この記事の監修歯科医師
小谷 勝 (おだに歯科 院長)


 

歯周病についての基礎知識

歯周病治療と糖尿病の関係について探ってゆくまえに、まずは歯周病治療の基礎知識についてしっかりと確認しておきましょう。

 

歯周病とは?

口内に住む細菌とそのエサとなる糖分を含んだ食べカスが混ざり合うと、細菌はネバネバした物質を排出し歯の表面に「プラーク(歯垢)」となってこびりつきます。
このプラーク1mg内にはなんとおよそ10億個もの細菌が生息していると言われており、その中には虫歯菌として知られているミュータンス菌や歯周病の原因となる菌もあります。
歯の隙間や歯と歯茎の隙間である歯周ポケットに歯磨きなどのケアで取り除かれなかったプラークが溜まってしまうと、そこを住処にさらに細菌は増殖してしまいます。この増殖の過程においてミュータンス菌は酸を排出し、この酸が歯表面のエナメル質を溶かすことで虫歯が発症してしまいます。
一方で、酸素が少ない場所を好む歯周病の原因菌は歯と歯茎の隙間にある歯周ポケットに溜まったプラーク内で増殖し、その過程で歯周組織を破壊する毒素を排出します。
この歯周病の原因菌が排出する毒素によって歯肉が炎症を起こしてしまう「歯肉炎」となり、さらに炎症が進行し歯根膜・歯槽骨・セメント質などの歯周組織にまで広がった状態を指す「歯周炎」へと重症化します。
「歯周病」とは、歯周病の原因菌によって引き起こされるこの歯肉炎と歯周炎の相称なのです。

 

歯周病の恐ろしさ

歯周病は「silent disease(サイレントディジーズ・無症状疾患)」の代表格とも言われており、初期のうちにはほとんど痛みもなく静かに症状が進行してゆきます。
腫れや違和感などによって気が付いた時にはすでに症状が歯を支えている歯槽骨にまで進行してしまい、歯のグラつきが生じてしまっているケースも少なくありません。さらにこの歯周病が進行すると最終的には歯が抜け落ちてしまうという大変恐ろしい病気なのです。
さらに近年の研究によって、歯周病や歯周病の原因菌には心疾患や呼吸器疾患にくわえて本記事のテーマである糖尿病などの、生命にかかわる重篤な全身疾患へとつながる危険性があることがわかっています。
歯周病とは、口内の健康のみならず命にかかわる疾病をまねく可能性がある大変恐ろしい病気なのです。

 

糖尿病についての基礎知識

歯周病についての基礎知識を確認したところで、ここからは「糖尿病」についての基礎知識を学んでまいりたいと思います。

 

糖尿病とは?

糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖=血糖の量)を調節するインスリンの働きがなんらかの原因によってうまく作用せず、血糖値が高くなってしまう病気です。
糖尿病による高血糖の状態が続いてしまうと、糖尿病の3大合併症と呼ばれる「糖尿病腎症・糖尿病網膜症・糖尿病神経障害」の合併症リスクに加えて、脳卒中や心筋梗塞など生命にかかわる重篤な疾病の原因となる「動脈硬化」のリスクが増加することがわかっています。

 

糖尿病の分類について

糖尿病は、原因や要因によって4つのタイプに分類されています。

1型糖尿病

インスリンを作る働きを持つ膵臓(すいぞう)のβ細胞が壊れてしまうことによって発症するのがこの「1型糖尿病」です。
1型糖尿病は突如として発症してしまう傾向があり、子供や若者に多くみられるタイプですが近年ではあらゆる年齢層に発症リスクがあるとされています。
1型糖尿病では体内でインスリンを作れなくなるか、作れたとしてもその量が著しく減少してしまうため、インスリン注射などによる体外からのインスリン補給が必要となります。

2型糖尿病

日本人の成人における約90%もの割合を占める糖尿病タイプとなるのがこの「2型糖尿病」です。
2型糖尿病は、脂肪分過多の食生活・運動不足・肥満・ストレスなどの生活習慣と加齢が重なることによって発症すると考えられていることから、生活習慣病の一種であると言われています。
以前は中高年に発症する成人病であると考えられていましたが、食習慣など生活習慣の欧米化にともない近年では若年層や子供にまで2型糖尿病の患者が増えてきています。
自覚症状が少なく健康診断などによって発見される場合が多く、高血圧や高脂血症などの成人病と重なることによって命にかかわるさまざまな合併症のリスク増大をまねく恐れがあります。

特定の原因によるその他のタイプの糖尿病

ステロイドなどの薬剤の副作用や、内分泌疾患・膵外分泌疾患などの病気にくわえて、インスリン作用と関係する遺伝子の異常などによるものがこのタイプに該当します。

妊娠糖尿病

妊娠がきっかけとなって高血糖などの糖尿病の症状を発症するケースが「妊娠糖尿病」です。軽度の高血糖の場合でも胎児に影響があるため、糖尿病にまで達していない糖代謝異常についても「妊娠糖尿病」として分類されます。
肥満や高齢妊娠が原因となって発症するケースが多く見られます。

 

歯周病と糖尿病の関係について

歯周病と糖尿病の基礎知識について確認したところで、ここからは一見すると関連性が無さそうに感じられるこのふたつの病気の関係について探ってまいりたいと思います。
全く異なる病気の様に感じられるこのふたつですが、実は調査や研究などによって糖尿病患者には歯周病患者が多いことが判明していることにより、歯周病は糖尿病の合併症のひとつであるとされています。
また近年の研究によって、歯周病治療を徹底的におこなうことで血糖値が改善されることが判明してきてるのです。
このように、歯周病と糖尿病には密接なつながりがあると考えられるようになったことから、近年では医科と歯科の連携による糖尿病・歯周病治療がおこなわれるようになってきています。
ここからは、
・歯周病がおよぼす糖尿病への影響
・歯周病治療がおよぼす糖尿病の改善効果
このふたつについて詳しく解説してまいりたいと思います。

 

歯周病がおよぼす糖尿病への影響

歯周病の患部となった歯周ポケットからは出血や膿の排出と同時に、炎症によって生じた化学物質が血管を通じて体中に送り出されます。
こうして血中に送り込まれた炎症による化学物質には、血糖値のコントロールをつかさどるインスリンの働きを阻害してしまう危険性があるのです。
この性質によって、インスリンが膵臓から正常に分泌されている場合においてもインスリンそのものの効果が弱体化してしまうため、インスリンの効果が適切に発揮されなくなることによって糖尿病の発症や悪化を招いてしまう可能性があるのです。

 

歯周病治療がおよぼす糖尿病の改善効果

炎症によって生じた化学物質がインスリンの働きを阻害するということは、裏を返せば炎症そのものを治療することでインスリンの働きを阻害する化学物質の発生を止めることができ、インスリンの働きを回復することができるということになります。
インスリンの働きを回復させるということは糖尿病の原因を改善することと同義であり、したがって歯周病治療によって炎症を改善することで糖尿病を改善することができるということになるのです。
尚、症例や原因によっては歯周病治療によってインスリンの働きを改善できないケースもあるため、糖尿病の改善には専門医師との連携が重要であることも併せておさえておきましょう。

 

糖尿病の改善にもつながる「歯周病治療」について

前述のとおり、歯周病の原因菌の温床であるプラークが、歯周病の直接的な原因となります。
したがって、歯周病治療ではこのプラークを徹底的に除去することで歯肉炎や歯周炎の改善を図る治療が主としておこなわれます。
プラークを的確に除去しプラークを溜めないようにする「プラークコントロール」では、毎日の歯磨きなどの患者自身のセルフケアと医師によるケアの両方が重要となります。
そのため歯科医院による歯周病治療では、
・歯周ポケットの深さ・プラークの付き具合の検査
・適切なセルフケアを促す「歯磨き(ブラッシング)指導」
・器具を使用しておこなう「スケーリング(プラークや歯石の除去)」
などを中心とした治療がおこなわれます。
また、歯周病の再発を予防するための定期的なチェックとケアも歯周病治療においては重要視されています。
これらの医師による歯周病治療とセルフケアの両面を徹底し歯周病を根絶することで、糖尿病の改善をはじめとしたさまざまな全身の疾病の改善を図ることができるのです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、歯周病治療と糖尿病の関係について解説いたしました。
歯周病がおよぼす糖尿病への影響や、歯周病治療がおよぼす糖尿病などの改善効果についておわかりいただけたかと思います。
口内だけの問題にとどまらず、糖尿病などさまざまな疾病のリスクにつながる歯周病。歯周病治療や予防をしっかりとおこなうことで、健康な身体をしっかり保ち健やかな毎日をおくりましょう!

小谷 勝 歯科医師 おだに歯科 院長監修ドクターのコメント
糖尿病の患者様には医療機関から糖尿病連携手帳が配布され、代表的合併症の概要と予防が記載されています。また、最新版の手帳は歯科や眼科の検査結果を記載するページがあり、歯科受診時には必ずこの手帳を持参して連携をとって下さい。
監修ドクター:小谷 勝 歯科医師 おだに歯科 院長



 

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この記事の監修ドクター

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