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歯周病の実態及び受診状態について

こんにちは、埼玉県浦和区の日本歯周病学会認定歯周病専門医が在籍する歯医者「ナカニシデンタルクリニック」院長の中西伸介と申します。
 
歯周病は国民病、成人の8割が歯周病にかかっているなどと聞くことも多いと思います。実際のところはどうなのか、また何をもって歯周病とするのか?
今回はそのあたりをお話しさせていただきます。


 

 歯周病の定義

歯周病は大きく分けると歯肉病変と歯周炎とに分けられます。また歯周病は特殊なものを除き歯周病原因菌によって引き起こされる感染性の疾患であり歯周組織(歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨)に起こるものを言います。
また歯周病には歯茎が下がってしまう歯肉退縮や強い咬合力や異常な力によって引き起こされる光合成外相といったものも含まれます。
また最近では歯周病は生活習慣病とし位置付けられ、喫煙、食習慣や歯磨きなどの生活習慣の改善や、糖尿病に代表される全身疾患の医療連携等が必要とされています。
 

 

 歯周病の指標について

歯周疾患を測る指標には様々なものがありますが、最も用いられているものの一つとして地域歯周疾患指数(CPI: Community Periodontal Index)というものがあります。WHOプローブといいう道具を用いて歯周ポケットの検査をし、5段階(コード0〜4)で評価します.
 
コード0: 健全な状態
コード1: 検査時に出血が有るもの
コード2: 歯石が存在する状態
コード3: 4〜5mmの歯周ポケットが存在する場合
コード4: 6mm以上の歯周ポケットが存在する場合
 

 

 歯周病にかかっている割合は?

CPIで評価した日本人の歯周疾患の有病状態は平成23年度歯科疾患実態調査によると、若年者においては歯肉に初見のあるもの(CPIコード1〜4)は少ないが、高齢になるにつれて所見のあるものが増加しています。年齢階級別の有病者率を見ると、年齢が高くなるにつれて歯肉に所見のあるものが増え、45〜49歳の年齢階級層で約87%を示し、最も高い率となっています。また35〜69歳ではほぼ80%以上となっています。この数値を見てみると国民のおよそ8割が歯周病と言われていることもあながち間違いとは言えないかもしれません。
 

 

 国民の8割が歯周病?

先ほど国民の8割が歯周病といったこともありますが、これは健全な状態以外の割合を指しており、診査した部位(歯)のすべてが「健全」と判定された場合のみを指しています。先ほどのCPIコードでいうと0以外のものは歯周病という考え方です。たとえば出血があったり、歯石がついている場合でも健全と評価されませんので「8割が歯周病」というのはそういったところから来ている考え方です。
しかしながら歯周ポケットを有するものの割合(CPIコード3〜4)を見て見ると(3mm以内の歯周ポケットが健全な状態と考えられています)、前期高齢者(65〜74歳)で53%、後期高齢者(75歳〜)で62%となっています。こう考えると80%というと言い過ぎかもしれませんが、やはり日本人の高齢者は半数以上が歯周ポケットを有し、歯周病関連の自覚症状を訴える人の割合も多いので、歯周病の有病者率は大変高い、ということは事実です。

 

 歯周病の自覚症状は?

歯周病はよく症状がないまま進行してしまうと言われていますが、歯周病に関連する自覚症状を感じている人も少なくないようです。平成21年に行われた国民健康・栄養調査の結果を見て見ると、比較的若い年齢層では歯磨き時などの出血の割合が高くなっていますが、年齢が高くなると歯肉が下がってきた、歯の根が露出した、歯がグラグラするなど、進行した歯周病の自覚症状を示す割合が高くなっています。なお70歳以上の高齢者になると自覚症状がある割合が低くなっていますが、歯自体の本数が少ない、もしくは歯がない状態の人の割合も増えるいるためと考えられます。

 

 歯周病は増えているのか?

歯周病に関して同一の診断基準で行われた2005年と2011年の歯科疾患実態調査を比較して見ると、年齢が高くなるにつれ増加傾向にあるのは変わりませんが、2011年の方が描く年齢で数パーセント、減45〜54歳では10%ほど減少していることが報告されています。
 

 

 世界と比べた有病者率は?

WHOが調査した結果(CPIの国際比較では35〜44歳の買う調査における個人最大コードの割合のWHO地域別平均値)、歯周ポケットを有するものの割合は40から60%でした。この結果から見ると日本の状況は世界と状況と比較するとやや良い数値が出ています。
 

 

 歯周病の受診状況は?

平成23年歯科疾患実態調査を元に、歯肉に何らかの症状がみられる患者さんの数を推定すると約9,400万人の方が存在するそうです。しかしながら実際にしか診療所で治療を受けている患者さんは約260万人となっています。この数値は平成11年では受診者が約120万人であったことを考えると増加傾向にありますが、総患者数からするととても少ないように感じてしまいます。歯周病の治療を行っていない方が相当数いることがわかります。
 
 

 

 まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は数字の話が多かったのでわかりにくい部分もあったと思いますが歯周病の有病者率はまだまだ高いということ、また治療を受けていない方がたくさんいることがご理解いただければと思います。自覚症状がなくても一度歯科検診で精査されてはいかがでしょうか?そのためにも、専門知識のある歯周病学会専門医や認定医がいる歯科医院の受診をおすすめします。

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