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歯磨き粉って何がいいの?

こんにちは。埼玉県草加市谷塚にある歯周病専門医が在籍する“谷塚藤波歯科医院”院長の藤波弘州です。
 
このブログを読まれている皆さんはお食事を食べた後には必ず歯を磨かれていると思います。歯周病治療・歯周病予防に歯磨きは必須の内容となってきますが,歯磨きを行う際に一緒に使うことが多い歯磨き粉はどのような基準で選ばれていますでしょうか?歯磨き粉の成分でしょうか?歯磨き粉の味でしょうか?また歯磨き粉の成分はどのようなものがあるかご存知でしょうか?
今回は歯磨きの時に使用する歯磨き粉に関して,詳しく説明していきたいと思います。


 

 歯磨き粉(歯磨剤)とは

歯磨剤は歯ブラシと併用して清掃効果を高めるものになります。歯磨剤に含まれる成分として,発泡剤・湿潤剤・研磨剤・香味剤・粘結剤・保存剤・着色剤の7つの基本成分で作られている化粧品の歯磨剤と,薬効成分の配合されている医薬部外品の歯磨剤があります。現在国内で市販されている90%以上は医薬部外品です。
 

 

 歯磨剤の形状

歯磨剤は,①ペースト状 ②ジェル状 ③液状 ④液体(デンタルリンス),⑤フォーム状,⑥粉状 などの種類があります。
これらの種類に最も影響する基本成分は研磨剤です。③や④には研磨剤と粘結剤が一般的には配合されていません。
 
 

 

 歯磨剤の成分は?

それではそれぞれの成分は口の中でどのような働きをするのでしょうか?
発泡剤;ラウリル硫酸ナトリウムなど口の中に歯磨剤を拡散させ,口の中の汚れを洗浄する
湿潤剤;グリセリン,ソルビトールなど歯磨剤に適度な湿り気と,可塑性を与える
研磨剤;リン酸水素カルシウム,水酸化アルミニウム,無水ケイ素,炭酸カルシウムなど歯の表面を傷つけず,歯垢やステインなど,歯の表面の汚れを落とすもの
香味剤;サッカリンナトリウム,メントール,ミント類香味の調和を図るためのもの。爽快感と香りをつけ,歯磨剤を使いやすくする
粘結剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム,アルギン酸ナトリウム,カラギーナンなど粉体と液体成分を結合させ,保型性を与えたり,適度な粘性を与える。
保存剤;パラペン類,安息香酸ナトリウムなど変質を防ぐ。
着色剤;法定色素など歯磨剤の外観を整える。
薬効成分
下記の成分から多くの歯磨剤は1〜2種類が含まれています。

  • むし歯予防

モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP),フッ化ナトリウム
歯質強化,再石灰化の促進,酸産生の抑制

  • 歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防

トラネキサム酸;出血防止
ε-アミノカプロン酸,グリチルリチン酸ジカリウム,β-グリチルリチン酸
;抗炎症作用
イソプロピルメチルフェノール(IPMP),塩化セチルピリジニウム(CPC),
トリクロサン;殺菌作用
オウバクエキス;収れん(歯肉の引き締め)作用,抗炎症・殺菌作用
塩化ナトリウム;収れん作用
酢酸トコフェロール(ビタミンE);血行作用
加水分解コンキオリン液,塩酸ピリドキシン(ビタミンB6);細胞賦活作用

  • プラーク(歯垢)除去

デキストラナーゼ;プラークの分解

  • 歯石予防

ポリリン酸ナトリウム,ピロリン酸ナトリウム;歯石形成の抑制

  • 知覚過敏抑制

乳酸アルミニウム,硝酸カリウム;刺激の伝達を防ぐ

  • 歯のヤニ除去

ポリエチレングリコール;ヤニの溶解

  • 口臭の防止

ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS);殺菌作用
 

 

 フッ化物配合歯磨剤とは?

フッ化物(モノフルオロリン酸ナトリウム,フッ化ナトリウム,フッ化第一スズ)を含む歯磨剤のことです。幼児から高齢者まで生涯を通じて家庭で利用できる身近なフッ化物応用で,世界で最も利用人口が多いフッ素の利用法になります。日本での市場専有率は,2004年で88%に達しています。
日常的に適量のフッ化物配合歯磨剤を使用して歯磨きすることにより,口の中にフッ化物を供給してむし歯を予防します。
フッ化部配合歯磨剤の予防効果としては世界的にも数多くの調査があり,報告数が最も多い予防率は30〜40%となっています。また,成人・高齢者の歯根表面のむし歯に対して67%の予防率となっています。歯周病治療を行なった歯牙は歯根が露出してくることが多いため,根面う蝕に対して非常に有益なものとなります。
 

 

 歯磨剤で歯が削れたりしないか?

適切なブラッシング圧(200g)程度でブラッシングを行なっていれば問題ありません。歯のエナメル質(一番硬い部分)であればまず問題ないと実験結果からは証明されています。象牙質(エナメル質の内側の層)への実験結果でも歯磨剤の影響は少ないと言われており,やはりブラッシング圧や歯ブラシの硬さの方が影響は大きいと言われています。
 

 

 歯磨剤使用時の気をつけるポイントは?

歯磨剤を使う時の適量は,ペーストの場合“米粒大〜2cm”程度の幅になります。歯磨剤をつけてブラッシングをすると,泡立ちが良く簡単に磨いても汚れが綺麗に落ちている錯覚に陥ることがあります。時間をかけて正しく丁寧にブラッシングを行うことが非常に大切です。
 

 

 まとめ

今回は歯磨剤について説明してきましたが,歯周病の主たる原因は歯肉縁上・縁下の存在する細菌性プラークです。その細菌性プラークを除去することが歯周病の治療・予防に非常に大切になります。すなわち歯周病治療の成否はこのプラークコントロールの徹底にかかっていると言えます。プラークコントロールの主体はあくまでブラッシングや補助的清掃器具(歯間ブラシ,デンタルフロス)などを用いた機械的プラークコントロールであり,歯磨剤はブラッシングの補助材になります。従いまして正しいブラッシング方法を行えるようになった後で,正しい歯磨剤を選択して使用することが,歯周病への一番の対策法と言えると思います。歯周病認定医・専門医が在籍する歯科医院を受診され,みなさん一人一人にあったブラッシング方法,歯磨剤の選択をされることをお勧めいたします。

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