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【NEWS】 花粉症薬が保険適用外に? 医療費600億円削減見込みで健保連提言(医師コメント4件)

 更新日:2023/03/27

全国の健康保険組合からなる連合組織「健康保険組合連合会(健保連)」は8月22日、医療費削減に向けた提言を発表した。この中で柱となるのが、医療機関などで処方される一部の花粉症薬を、保険適用の対象から外そうという動きだ。昨今の市販薬の中には、処方薬と同等の効果を得られる製品が数多く含まれる。
花粉症対策として市販されている抗ヒスタミン薬には、効き目を優先した第一世代と、副作用を抑えた第二世代の2種類がある。このうち第二世代抗ヒスタミン薬の多くは、もともと処方薬だった医療用医薬品を、「スイッチOTC」として販売可能にしたもの。「健保連」の分析によると、第二世代抗ヒスタミン薬を3割負担で処方したとしても、初診料や調剤料などを含めた場合、市販薬と費用の面で顕著な差が出ないとのこと。患者側の負担額が変わらないのであれば、保険による公的負担を外してもいいのではないかというのが、本提言のねらいだ。花粉症処方薬を保険外とすることで見込める医療費削減額は、最大で約600億円となる。
医療費は現在42兆円超。次々と開発される「超高額薬」の保険適用などが、各組合の財政を圧迫している。「健保連」は花粉症薬のほかにも、軽症向け市販類似薬の保険適用外や、ジェネリック医薬品の利用促進なども含め、数千億円規模の制度改革を求めている。

医師のコメント

花粉症だけでなく、かぜ薬や湿布薬など、類似の市販薬があるものはすべて自費にする、という方向になっていくのではと思います。医療費が増大していくことを考えると仕方がないかもしれません。

  • 山崎 ゆか(麻酔科医)

花粉症は、いまや、子供から大人までが罹患していますから、それだけの医療費がかかっていることをまず痛感させられますね。市販薬と同じ程度の値段で調剤薬が買えるから、とのことですが、ちゃんと、医師に診てもらって薬を出してもらう方がやはり安心を与えられるものの、それが効果もしっかり得られないと困りますね。第2世代の薬は、そこのところ大丈夫なんでしょうか。また、花粉症ということなら、環境改善や、アロマ漢方、アレルゲンの脱感作など予防にも力を入れて欲しいですね。そこがやっぱり日本はまだまだなので、予防にチカラを!

  • 松浦 恵(小児科医)
    東京医科歯科大学

高齢化などの影響を受け、保険財政が危機的な状況になる可能性は以前より指摘されています。抗アレルギー薬だけでなく、保湿剤、湿布薬、感冒薬など、症状が重くなくても病院で処方を受ける方が安価だという理由でたくさんの処方を希望される方も多いのが実情です。保険制度が続いていくためにある程度仕方のない政策だと思います。

  • 武井 智昭(小児科医・内科医)

花粉症は、小児でも低年齢化、頻度の増加がみられます。また、花粉症の舌下免疫療法も全員が適応ではないために、花粉症の治療薬はやはり保険診療で継続していくことが必要に思われます。