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【NEWS】 外国人の医療費未払い「一度もない」が約9割、厚労省調査と隔たり(医師コメント5件)

外国人向けメディアを運営する株式会社YOLO JAPAN(本社・東京)は、在留外国人529人を対象として、「日本の医療サポートに関する調査」をおこなった。その中の「医療費の未払いしたことがあるか」という設問に対しては、「一度もない」という回答が最も多く461人(87.1%)、次いで「あるが完済した」が51人(9.6%)、「今でも未払いを抱えている」が17人(3.2%)という結果になった。
また、「病院で困ったことは何か」という設問に対しては、「日本語が話せない/外国語対応できる人がいない」との回答が264人(49.9%)とほぼ半数を占め、「何か科に行けばいいかわからない(156人・29.4%)」「待ち時間が長い(137人・25.9%)」などの回答を上回った。
一方、厚労省は今年の3月、「日本を訪れている外国人患者を受け入れた病院の約2割が、医療費の未払いを経験している」と発表。その未払い総額が9300万円に上ることを明らかにした。患者側への意識調査と医療従事者側への聞き取りで、両者の数値に隔たりが生じている。ちなみに、日本人を含めた国内全体での医療費未入件数割合は0.7%(H20厚労省調べ)となっている。
YOLO JAPANが実施したアンケート期間は2019年4月16日から2019年5月31日まで。回答者数は75カ国529人。

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医師のコメント

  • 加藤 智子(産婦人科医)

医療は言語、風習、文化の違いが壁となる場面が少なくありません。医療費の支払いや保険についてもその一つと思います。特に産婦人科は決して安くはない分娩費がスムーズに医療の事を運ばない理由になっていることがあります。海外での滞在中はいつ何があるかは分かりませんので、常に英文診断書の携帯と、日本の医療制度に対する知識はやはりある程度備えておいて頂きたいものです。日常的な印象としては、地方には外国人が旅行客だけではなく、労働者としてもかなり滞在しています。知人に借りて支払いをされたり、誓約書があっても未払いのまま連絡先不明となるなどのケースは一割以上はいる印象を感じています。

  • 山口 征大(総合診療内科医)

アプローチ方法(調査対象、人数、医療機関数、地域など)によって、結論付けられる未払い件数と未払い割合の数字は変動しますので、乖離を埋めるような調査が必要となってくると思われます。また、調査結果にかかわらず今後、東京オリンピックの開催に伴い外国人旅行者の増加が見込まれておりますので、医療機関側にも外国語対応や決済方法の充実(クレジットカード決済可能にする等)を図るなどの対応策を練ることが必要となってきます。

日本に旅行中に、たとえば心筋梗塞などの緊急治療を要する病気になってしまうと、自費のため高額な医療費となってしまいます。外国人による医療費未払いを防ぐためには、医療費給付も含まれる旅行保険に入っておくことが望ましいです。

  • 武井 智昭(小児科医・内科医)

外国籍の方は、そのほとんどが保険適応外の自費診療となっています。また、時間外の受診の割合も多い印象です。このために、支払いが困難、不可能な例が多く厚生労働省の把握する数値よりも、実際での不払いは多い傾向があるように思われます。

  • 眞鍋 憲正(整形外科医・スポーツ医学医)

未払いが多いのは旅行などで短期に日本に居る間に病院にかかった外国人と思われます。そういう方たちの中には旅行保険に入ってない方もおり、未払いが増えるのでしょう。この記事のアンケートは在留外国人に対しておこなっているため、厚労省のアンケートとの比較対象としては意味をなさないのでは。

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