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インプラント認定医(専門医)とは?その概要や取得条件

 更新日:2023/03/27


虫歯や歯周病が末期まで進行すると、抜歯せざるを得ないケースが大半です。そんな歯を失った人でも、新しくキレイで長持ちする歯を手に入れられるインプラント治療は、幅広い世代に人気があります。
ただ、インプラント治療は保険適用外のため、治療費が高額になってしまうという側面があります。せっかく高額な治療費を支払うのであれば、しっかりとした知識や技術をもった歯科医師に治療して欲しいと思うのは当然です。
この記事では、インプラントの専門知識と技術が豊富なインプラント認定医(専門医)の概要、メリット、他の認定資格、そしてインプラント自体の概要についてMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
南 唯廣 歯科医師 南歯科医院 院長

インプラントの概要


インプラント認定医(専門医)について解説する前に、まずはインプラントについての基礎知識を簡単におさらいしておきます。インプラントの概要・特徴は、以下の通りです。

    • インプラントとは

インプラント治療とは、歯のなくなった場所に人工歯根(=インプラント)を埋め込み、歯の再生を行う治療法のことです。また、治療法ではなく人工歯根そのものを指す場合もあります。語源は英語の「implant」で、和訳すると「しっかり差し込む」といった意味になります。

    • 治療費の目安

インプラント治療は保険診療の適用外となるため、治療費は1本あたり30〜50万円と非常に高額です。そのため、大幅なインプラント治療を行う場合は数百万円単位の治療費がかかることも珍しくありません。
ただ、先天性の病気などにより一定以上の顎の骨がない場合など、条件を満たせば保険診療が適用になるケースもあります。

    • 差し歯、他の治療方法との違い

差し歯など、他の抜歯後の再生治療とインプラントの違いは、仕上がりと費用です。インプラントの仕上がりは非常に美しく自然なだけでなく、慣れると噛み心地も自分の歯と同じように感じることができます。
一方、差し歯などは時間が経つと変色し、仕上がりもインプラントに比べてやや不自然です。ただ、差し歯の治療費は数千円〜10万円と、インプラントに比べてかなり安価となっています。

インプラント認定医(専門医)の概要


最初にお断りしておきますが、現在「インプラント認定医」という資格は発行されていません。
以前は日本口腔インプラント学会が発行していたのですが、現在では「インプラント専門医」という資格を発行しています。ただ、両者の資格内容には違いがなく、名称が変わっただけです。
そのため、ここからは現在発行されている「インプラント専門医」について、その概要やメリットを解説していきます。

インプラント専門医の概要

インプラント専門医は、正式名称を「口腔インプラント専門医」と言い、公益社団法人日本口腔インプラント学会が発行している認定資格です。資格申請は誰でも行えるわけではなく、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 日本国歯科医師免許の保有者
  • 5年以上継続して日本口腔インプラント学会(以下、本会)の正会員
  • 指定の研修施設に通算して5年以上在籍
  • 日本歯科医師会会員
  • 専門医教育講座を3回以上受講
  • 本会学術大会および支部学術大会に8回以上参加
  • 本会専門医制度施行細則に定める所定の研修を終了
  • 口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦
  • 施行細則に定めるインプラント治療の経験がある
  • ケースプレゼンテーション試験に合格
  • 本会学術大会または支部学術大会において2回以上発表
  • 口腔インプラントに関する論文を本会学会誌または委員会が認める外国雑誌 に1編以上発表

このように、専門医になるにはかなり高いハードルが設けられていることがわかります。また、定期的に学会発表などを行わないと5年に1度の資格更新の際に資格剥奪となってしまうため、資格を取得してからも大変です。

インプラント専門医のメリット

インプラント専門医に施術・治療してもらうと以下のようなメリットがあります。

  • 一定水準以上の知識と技術の元で治療してもらえる
  • 最新の治療や特殊な症例に対しても知見がある

「インプラント専門医」=「凄腕の歯科医師」というわけではありませんが、学会による審査を経て認定される資格のため、一定水準以上の治療は保障されるでしょう。また、珍しいケースの症例も勉強会などで学ぶため、対応してくれる可能性が高くなります。

他学会のインプラント専門医

実は、インプラントの専門医制度を設けているのは日本口腔インプラント学会だけではありません。例えば、国際口腔インプラント学会の日本支部でも、専門医制度があります。
日本で一番大きいのは日本口腔インプラント学会が発行しているインプラント専門医ですが、その他の学会でもインプラント専門医制度があることは覚えておきましょう。

インプラント専修医と指導医

日本口腔インプラント学会の認定資格には、インプラント専門医以外にも「インプラント専修医」と「インプラント指導医」という資格があります。ここでは、そのふたつの概要を説明します。

インプラント専修医の概要

インプラント専修医とはインプラント専門医のひとつ下に位置する資格で、以下のような申請条件があります。

  • 日本国歯科医師免許を保有
  • 2年以上継続して正会員
  • 本会指定の研修施設に通算して2年以上在籍
  • 日本歯科医師会会員
  • 本会学術大会および支部学術大会に4回以上参加
  • 本会指定研修施設の認定講習会を受講
  • 2年以上経過した5症例を提出
  • 口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦
  • ケースプレゼンテーション試験に合格

インプラント指導医の概要

インプラント指導医とはインプラント専門医のひとつ上に位置する資格で、専門医の研修カリキュラム作成やインプラント研修施設に所属する歯科医師の指導をする役割があります。申請条件は以下の通りです。

  • 口腔インプラント専門医の資格を保有
  • 10 年以上継続して正会員
  • 研修施設に通算して8年以上在籍
  • 専門医教育講座を申請前直近の3年間に3回以上受講
  • 本会学術大会および支部学術大会に直近の10年間に10回以上参加
  • 本会学術大会及び支部学術大会において6回以上発表(内2回は主演者)
  • 口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦
  • 施行細則に定めるインプラント治療の経験
  • 施行細則に定める口腔インプラントに関する論文を6編以上(※筆頭論者など細かな指定あり)
  • 本会が指定する救命救急に関する講習会を1回以上受講

一定の知識と技術を保証する資格「インプラント専門医」

インプラント専門医(旧:認定医)とは、日本口腔インプラント学会が、その歯科医師のインプラントの対する知識と技術を保証する認定資格です。資格取得にはさまざまな条件があり、資格取得後も継続的な勉強が必要です。
もちろん、資格を持っている人すべてが名医、資格を持っていないとダメ、というわけではありません。ただ、インプラント治療を任せる歯科医師を選ぶうえで、ひとつの判断材料になってくるのは間違いないでしょう。
高額なインプラント治療だからこそ、専門知識と技術が豊富な専門医に診てもらいたいと思う人も少なくないはずです。資格取得者名簿は、学会ホームページから専門医と指導医の両方が検索できるため、気になる人は探してみるとよいでしょう。

監修ドクターのコメント
記事で触れているインプラント認定医とは、日本口腔インプラント学会が独自の試験や審査によって付与している資格の一種です。認定を受けるには、一定の臨床経験、各種大会・研修への出席、実技試験への合格、発表論文の有無など、厳しい要件を満たす必要があります。また、5年ごとに更新手続きが求められ、再び試験や審査を受けなくてはいけないことも、大きな特徴といえるでしょう。つまり、「一度取得したら終わり」という資格ではなく、「常に最新の情報と技術を有している」ことの証なのです。インプラント治療のことなら、ぜひご安心いただいて、何でも遠慮なくおたずねください。
 
監修ドクター:南 唯廣 歯科医師 南歯科医院 院長

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