目の炎症、ぶどう膜炎とは?
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目の炎症、ぶどう膜炎とは? 2017.11.07

ぶどう膜炎とは、眼球の内側のぶどう膜と呼ばれる部分に起こる炎症の総称です。そして、ぶどう膜自体も総称で、脈絡膜〈みゃくらくまく〉、毛様体〈もうようたい〉、虹彩〈こうさい〉をあわせた部分を指し示します。そのため炎症の原因は様々で、原因にあった対処をしていく必要があります。そんなぶどう膜炎の症状や、原因、それぞれの対処法について、Medical DOC編集部がお届けします。

ぶどう膜炎の症状

視力の低下

ぶどう膜炎を発症すると、目の中の透明な前房と硝子体に炎症性細胞が浸潤して眼球内部が濁るため、霧がかかったように見えたり、まぶしく感じることがあり、視力の低下につながります。また、炎症が網膜まで広がったり、網膜剥離が起こった際は、それが原因となって、引き起こされる白内障や緑内障によっても視力が低下することがあります。

飛蚊〈ひぶん〉症

飛蚊症とは読んで字のごとく、何かモノを見ている時に、視界に蚊のような黒い点が動いて見える状態のことです。蚊のような黒い点の大きさや形は人により様々で、視線を動かすと追いかけてくるような動きをするような場合もあります。

充血や鈍痛

炎症の強さや部位にもよりますが、強膜や結膜(白目)が充血することがあります。また鈍い痛みが発生することがあります。さらに、続いて起こる可能性のある眼圧異常が発生すると、それにより違和感が出ることもあります。様々な症状については、片眼だけの場合も両眼に発生する場合もあります。また交互に症状が現れることもあります。それぞれの症状の経過については、だんだん悪化していくものもあれば、良くなったり悪くなったりを繰り返すものまでさまざまです。

ぶどう膜炎の原因となるさまざまな病気

サルコイドーシス

サルコイドーシスは、厚生省の特定疾患医療に指定された、全身に肉芽腫ができる、原因の不明な慢性の病気です。人に感染することはなく、遺伝病でもありません。ぶどう膜炎の発症原因としては、一番頻度が高いものとされています。目に関する一番の訴えとしては、視力低下と目の疲れやすさがあげられます。炎症自体は、軽くなったり重くなったりしながら慢性的に続いていくことが多いです。きちんと定期的に病院に通い、治療を受けていればコントロールしていくことは可能で、きちんと治療していれば失明に至ることはほとんど無いといえます。

フォークト・小柳・原田病

フォークト・小柳・原田病は炎症が強くなってくると、両眼に網膜剥離が起こり見えにくくなる病気です。フォークト・小柳・原田病は目だけの病気ではなく、同時に髄膜炎、難聴も発生します。さらには皮膚の白斑、白髪、脱毛なども発生する全身の病気です。メラニン色素細胞に対する自己免疫疾患が原因と言われています。この病気は、充血、かすみ、歪視、視力低下を感じ、眼科で検査すると両眼の網膜剥離がみられます。発病後の早い時期にしっかり治療して慢性化させないことが、とくに大切です。

ベーチェット病

ベーチェット病は、全身の皮膚や粘膜に発作性の炎症が繰り返し起こる、原因不明の慢性の病気です。白血球が、異物はないにもかかわらず、発作的に集まってきて炎症を起こすことが原因と考えられています。目の症状としては、突然視力が低下するぶどう膜炎を繰り返します。炎症自体は短期間で治まっても、炎症発作を繰り返すたび、少しずつ目の組織が傷ついていき、失明に至るケースもあります。
ベーチェット病には、症状が出現している「活動期」と、おさまっている「非活動期」があります。その期間や症状については個人差がありますが、活動期と非活動期が繰り返され、長期にわたって継続していくため、症状がおさまっていても定期的な受診が必要となります。

急性前部ぶどう膜炎

急性前部ぶどう膜炎は、片目に急な炎症が起き、突然強い眼痛や充血が現れる病気です。この病気により、線維素と呼ばれる糊のような物質が出てくると、虹彩が水晶体や角膜と癒着してしまい、眼圧上昇が起こります。名前の通り、眼球の前部に炎症が発生するため、脈絡膜は障害されず、症状が現れている急性期にきちんと治療することが重要で、そうすれば経過は比較的良好です。

それぞれの原因となる病気の対処法

サルコイドーシスの対処法

サルコイドーシスがが元で発症するぶどう膜炎や網膜の血管の炎症への対処が必要となります。炎症が軽い場合は、炎症を抑えるための副腎皮質ステロイドの点眼、虹彩の癒着を防ぐための散瞳薬の点眼で治療を行います。目のサルコイドーシスは失明に至ることや重大な合併症を起こすことは少ないですが、慢性化することが多い傾向にあります。

フォークト・小柳・原田病の対処法

フォークト・小柳・原田病は、発症から早い段階でなるべく強力な治療を行うことが良いとされています。なぜかというと、初期症状は治療をしなくても、そのまま良くなっていくことが多くありますが、その後に再発を繰り返し慢性化し、目の組織が傷ついていくことで徐々に視力低下していくことが問題となります。
そのため、早い段階で再発を繰り返さないよう、間違った免疫反応を取り除いていくことが重要とされています。日本での初期治療は免疫抑制作用・抗炎症作用に優れた副腎皮質ステロイドを大量投与する方法です。施設によって対応は様々ですが、ステロイド大量療法もしくはステロイドパルス療法を行うのが一般的です。ステロイド投与は、副作用も多く伴う治療法であり、すぐに投与をやめることも難しいため、長期での対処が必要となるケースが多いようです。

ベーチェット病の対処法

ベーチェット病の目への対応としては、副腎皮質ステロイド薬、リン酸ベタメタゾンなどの点眼を行います。また、虹彩後癒着が発生すると眼圧上昇により、続発緑内障を引き起こす可能性があるため、癒着を防ぐための散瞳薬(トロピカミド配合剤)なども併用します。炎症が強い場合は、ステロイド薬や散瞳薬を結膜下に注射したり、炎症箇所が目の奥に及ぶ場合は、眼の後方へステロイド薬を投入するテノン嚢下注射などの方法が用いられます。

急性前部ぶどう膜炎への対処法

急性前部ぶどう膜炎へも、ほかのぶどう膜炎の原因となる病気の対応と同じように、症状に応じてステロイド薬、非ステロイド抗炎症薬、散瞳薬の点眼・内服・結膜下注射などが行われます。

気になる症状がある場合は早めに眼科を受診しましょう

ぶどう膜炎は、ここまで原因としても記載したように、様々な病気の一症状として現れていきます。目の症状が気になって、病院を受診した結果として、病気に気がつくことも多いようです。日ごろから定期的にかかりつけの病院を受診しておくこと、そして何か気になった症状が発症した場合には、先延ばしにせず早めに受診しておくことが早期発見、早期治療につながります。
病気や症状によっては、視力の低下や、視力を失うことにつながる場合もあります。それを防ぐには早めの適切な対処が重要になってきます。正しい知識を身につけて、大事な体の健康を守っていきたいですね。