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内視鏡で大腸の検査を受ける前に知っておきたい基礎知識

 更新日:2023/03/27

内視鏡で大腸の検査を初めて受ける時は不安がありますよね。

もし病気が見つかったらどうしよう、検査の前にやってはいけないことって何?いくらくらいかかる?

そんな不安を解消するために、事前に内視鏡検査に関する基礎知識を知っておいてください。

この記事の監修医師
成毛 哲(成毛医院 副院長)

 内視鏡で大腸を見るとなにが分かる?

大腸の内視鏡検査をする理由は、大腸内の壁の状態を直接確認することにあります。

大腸の長さはおよそ2mありますので、肛門から内視鏡を挿入し、直腸・S状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸・虫垂の順に目視します。

粘膜の状態を確認しながら腫瘍や潰瘍、炎症がないかを確認します。もし異常を見つけた場合は、その場で生検(組織細胞を採取したり、ポリープの場合は切除すること)も出来るようになりました。

そもそも大腸という部位は痛みを感じにくいことから腫瘍などの異常に気が付きにくい為、内視鏡という形の検査で早期発見をする必要があるのです。

 大腸の内視鏡検査にかかる費用はどれくらい?

内視鏡検査は保険が適用されます。3割負担で計算をした場合の費用は以下のとおりです。

大腸の内視鏡検査の場合 7,000円程度
検査+病理組織検査* 10,000円程度
検査+ポリープ摘出 20,000円~

※病理組織検査とはポリープなどの組織を採取して検査に出すこと

会社で行う健康診断や定期検診では、内視鏡検査は自己負担が発生することもあります。会社によって自己負担の有無や額が違うことがあるので、ご確認されてください。

また検便の結果で再検査となり内視鏡検査になることもあります。こちらも再検査は自己負担になることがあります。

 大腸の内視鏡検査の前にやるべきこと

内視鏡検査を受けるに当たって、前日に準備が必要です。腸の中を内視鏡で見るわけですから、当然ながら便などが残っていない状態にする必要があります。

小さい炎症なども見つける為には腸内がきれいな状態になっていなければ検査が出来ません。特に食事に関してはこの様な注意が一般的です。

 検査前日の食事

  • 前日の食事は朝・昼は通常通りで良い。
  • 夕食は消化しやすいお粥などを21時以前に済ませて置く。
  • 病院によっては前日の夕食として検査食を渡されるケースもある。
  • 21時以降に下剤を飲み、水分をしっかり取りながら、腸内の便を排出してしまう。

 前日から検査までの過ごし方

食事以外は特に注意はないのですが喫煙・激しい運動・長風呂などは、内視鏡検査前に行われる血液検査に影響が出る可能性があるので、控えたほうがいいでしょう。

※血液検査のないケースもあります

睡眠もしっかり取っておかないと、血圧が高くなってしまうこともあるようです。

 もし内視鏡検査の前にうっかり食事をしてしまったら

内視鏡検査前にはとにかく腸内を綺麗にする必要があるので、うっかり食べてしまった場合は基本的に検査できなくなります。

中には少量食べた場合になら、検査まで2時間以上あれば検査可能なケースもあるようなので、すぐに検査センターに連絡をしましょう。

 病院で行う大腸内視鏡検査の前準備

 1.検査の受付

検査機関によっては問診票を事前に用意していくところもあります。

 2.検査前のチェック

検査の受付後は採血・便の状態をチェックをする場合があります。

検査機関によっては直前に下剤を飲む前処置をするところもあります(検査機関や病院によって違う)

 3.着替え

紙パンツや浴衣のような検査着に着替えます。その後は待機です。

 大腸の内視鏡検査は痛い?

いよいよ内視鏡の検査ですが、検査直前には麻酔や鎮静剤を使う場合があります。

使わない場合でも現在の内視鏡機器は進化して小型化されていますので、痛みを感じることはあまりありません。

ただし検査方法として大腸内を見る時に空気を大腸に送る必要があり、腹部がパンパンに膨らんで苦しさを感じる方は多いようです。

検査する医師の技量や導入している検査機器によって、痛さや苦しさ、不快感を感じることもありますが、痛みの心配はそこまでしなくても大丈夫でしょう。

手慣れた医師なら痛みやすい箇所などで「ちょっと痛いですよー」と声をかけてくれる先生もいますので、安心して受けてみましょう。

 大腸内視鏡検査にかかる時間は?

内視鏡で腸内を確認する作業自体はおよそ10分程度と思っておいていいでしょう。

もしポリープなどが発見されれば切除する時間がかかったり、腸内に汚れが付着したりして、見づらければさらに長くなる可能性もあります。

検査自体は比較的早いのですが、その後数分程度横になったまま休ませるところもあるようです。

どちらかというと検査にかかる時間よりも、前日から下剤を飲んで腸内を綺麗にするのが苦しい方が多く、時間が長く感じられるかもしれません。

内視鏡検査自体は予約制になっているので、待ち時間もあまりないケースが多いです。受付や検査の時間も踏まえて、1~2時間を想定しておけば十分に終わると思います。

 内視鏡検査の後の注意点

 検査後はお腹が張るので注意

内視鏡検査が終わった後は、通常の生活に戻って問題ありませんが、検査によって腸内に空気を送られているのでお腹が張ることが予想されます。

腸内のガスが抜けるまで人によっては1時間程度かかることもありますので、安静に過ごす方が良いと思います。

すぐに人前に出たり車に同乗したりするとガスが溜まって辛い思いをすることも考えられます。

 検査後は麻酔の影響に注意

もし麻酔や鎮静剤を使った場合、検査後に眠くなったりボーッとしてしまうことも考えられます。

すぐに運転をしたり仕事に戻る際はくれぐれも注意してください。

 内視鏡検査の結果でありがちな大腸の病気・症状

 大腸ポリープ

一番多いのが大腸ポリープ(腺腫)。粘膜が隆起しているのですぐに見分けられます。

ポリープが一概に悪いものばかりでもなく、大きさは1ミリ程度の小さいものもあり経過観察されるケースもあります。

大腸ポリープの場合は7割がS状結腸や直腸に出来やすく、腫瘍性と非腫瘍性。非腫瘍性ポリープの場合はがん化することがありません。

 大腸がん

大腸がんは腫瘍性ポリープの一部が進行して増大したもの。ただ正常な粘膜からポリープにならずにがんになるケースもあります。

腫瘍の大きさだけでなく粘膜から大腸へ食い込んでいる状況、転移してないかといった判断で、がんのステージが判断されます。

 もし検査結果で大腸に異常があったら

大腸ポリープの場合良性の場合は、すぐに切除しないケースも多いのですが、がん化するリスクがあれば切除または組織を採取して検査機関に出します。

検査の結果で経過観察になるか、すぐ治療に入るかといった話があるので、早期治療に努めてください。

 大腸の内視鏡検査に関するまとめ

大腸は痛みを感じない部位ですので、炎症や腫瘍が出来ていても気が付きにくく、病気の発見が遅れがちです。

近年大腸がんになる患者は増えており、特に40代からは発見される人が多い傾向にあります。

日本人は世界の中でも大腸がんになる人が多いため、意識しておく必要性は大きいといえます。

年に一度の内視鏡検査を多くの医療機関が勧めていますし、検査内容・治療方法と昔より格段に共に良くなっています。

大腸がんは発見が遅れれば、どんなに良い医師にかかっても治すのは難しいと言われていますので、とても怖い病気です。

逆に言えば早期発見で治療し復帰できるケースも多いので、早期発見が何より重要と言えます。

体に違和感が出る前に、一度内視鏡による大腸検査を受けてみてはいかがでしょうか?

監修ドクターのコメント

大腸内視鏡検査前に知っておきたい基礎知識
記事にもありますが、近年、大腸癌は増加の一途をたどっています。進行自体はそれほどはやくない事がほとんどですが、症状が出づらく、発見が遅れがちになってしまう事も事
実です。反面、早期に見つけてしまえば、内視鏡処置のみで治療を完遂できる病気でもあります。今までは、“検査が痛くて、苦しい”、“検査準備が大変”、“ちょっと恥ずかしい”など、様々な理由で嫌厭されがちな検査でしたが、いろいろな取り組みがなされ、検査が受けやすい環境も整ってきております。特にご家族に大腸癌や大腸ポリープが見つかったことのある方や、排便習慣の安定しない方は、これを機に、ご一考頂ければと思います。
また検査準備に関しては、医療機関ごとに手法が異なる場合があります。受診する医療機関にご確認ください。

 

監修ドクター:成毛 哲 医師 成毛医院 副院長

 内視鏡検査でおすすめの医院 関東編

 成毛医院

電話番号 047-358-2001
住所 千葉県市川市相之川3-1-22
アクセス 東京メトロ東西線の南行徳駅より徒歩8分
診療時間 9:00~12:00
15:00~18:00
休診日 水曜午後・土曜午後・日曜・祝日
対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
・胃内視鏡検査
・経鼻内視鏡検査
・麻酔を用いた(静脈内鎮静法)内視鏡検査
URL http://www.naruke-clinic.com/(クリニックWEBサイト)
http://www.ichikawa-naishikyo.com/(胃・腸内視鏡外来サイト)

この記事の監修ドクター

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