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汗疱の症状や原因、治療方法とは? 2018.07.14

汗疱(読み方:かんぽう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
中﨑 恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)

汗疱とは

汗疱は手掌あるいは足底の皮膚の浅いところに多数の小水疱が出現する皮膚炎ですが、かゆみのない軽症の場合は特別な治療をしなくても角層が剥がれて正常皮膚に戻ります。 紅斑、強いかゆみを伴う場合は汗疱状湿疹、異汗性湿疹と呼ばれます。原因として発汗異常, 金属アレルギーの関与が疑われていますが、十分には解明されていません。

引用:鳥取県医師会
http://www.tottori.med.or.jp/nandemo/汗疱について

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの解説
汗疱になりやすいのは、多汗症など汗をかきやすい人です。汗をかく要因は体質だけではなく、職業上の理由でビニール手袋を日常的に使っていることなども当てはまります。汗疱を発症しやすい時期は、気温が急に上昇することがある春から夏への季節の変わり目です。また金属アレルギーの方も多く、汗中に排出された金属に対するアレルギーの反応が関与しているとも考えられています。

汗疱の症状

軽症例では、手指・足趾の側縁のみに直径1~2㎜の小水疱を生じます。小水疱をほとんど伴わず環状の落屑を生じる例もあります。手掌、足底にも左右対称に小水疱がみられます。痒みはない場合もありますが、赤みを伴い痒みの強い場合もあります。小水疱は、2~3週間で襟飾り状の落屑を生じ軽快し、の再発を繰り返します。

引用:emiスキンクリニック松濤
http://emi-skin.jp/pompholyx.html

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの解説
落屑とは、皮膚の表層が角質片となり、はがれて落ちる症状です。汗疱で皮膚科を受診する患者さんは、かゆみと皮がむける症状に悩まされている方もいます。かゆみを我慢できず患部をかいてしまったり、気をつけていても就寝中に無意識にかいてしまったりすることもあります。二次的な悪化を招く前に皮膚科で治療を開始しましょう。また、水泡ができているのを見て、自己判断で保湿剤の使用を控える方もいらっしゃいますが、汗の排出を促すためには適度な保湿で皮膚の機能を正常化しておく必要があります。石鹸で洗い過ぎない、手洗い後はハンドクリームを使用する、といった基本的なケアを心がけてみてください。

汗疱の原因

汗疱の原因にはいろいろあります。金属、特にニッケルのアレルギーのある人にできることがありますので、疑わしい場合には金属を皮膚の上に張って反応が起こるかを確かめるパッチテストという判定法を使います。食べ物や飲み水に含まれている金属や、歯の治療で使う金属が関係している可能性もありますし、化粧品に含まれる化学物質にアレルギー反応が起こることもあります。

引用:高知大学医学部附属病院
https://www.kochi-ms.ac.jp/~hsptl/kouhousi/yorozu/028.html

汗疱の検査法

汗疱の診断は、皮膚の外観と定期的な再発の病歴に基づいて下されます。

引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/17-皮膚の病気/かゆみと皮膚炎/汗疱

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの解説
汗疱と間違いやすい病気は、手湿疹、掌蹠膿疱症(膿が溜まった膿疱が手足に生じる)、手白癬(手の水虫)などです。汗疱の診断は、通常は皮膚の状態を見ればわかりますが、見た目だけでは鑑別できない場合は詳しい検査を実施します。掌蹠膿疱症の可能性があれば、局所麻酔で皮膚の一部を切り取って行なう皮膚生検を、手白癬の可能性があれば、皮膚や水泡の一部を顕微鏡で確認して白癬菌(水虫の菌)の有無を調べることもあります。病気の種類によって治療法は異なりますので、詳しい検査を実施することでより効果的な治療につながることもあります。

汗疱の治療方法

症状を軽くするために、いろいろな薬を使います。かゆくてじゅくじゅくになったり、ぼろぼろ皮がむけた湿疹の状態は、もう炎症ですから、炎症を抑えるステロイド軟膏(なんこう)で治療します。多汗症がある方には、塩化アルミニウム溶液を塗って汗止めをすることもあります。皮が分厚くなっている場合は、硬い角層を柔らかくするために尿素軟膏を用います。

引用:高知大学医学部附属病院
https://www.kochi-ms.ac.jp/~hsptl/kouhousi/yorozu/028.html

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの解説
汗疱の場合は、上記の治療を行なっている間に、急に気温が上がる時期が終わったり季節の変化に伴って体が汗をかくことに慣れたりすれば、症状は治っていきます。軽症であれば1週間程度で改善するでしょう。しかし、重症の方で、汗をよくかいたり蒸れやすかったりする生活・仕事の環境がなかなか変えられない場合は、数ヶ月かかることもあります。皮膚がただれて見た目が気になる、生活に支障が出ているという方は、蒸れない綿の手袋を使用して患部を覆っておくこともいいでしょう。また、治療中の生活においては、金属アレルギーの方が金属を含む食べ物を控えることでも改善効果が期待できます。異汗性湿疹の場合、食べ物から摂取した金属成分が汗とともに出てきて、皮膚に害を及ぼしているケースもあると考えられているからです。


この記事の監修ドクター

中﨑恵美 医師 emiスキンクリニック松濤 院長中﨑 恵美 医師
emiスキンクリニック松濤 院長

PROFILE

■経歴
2000年 埼玉医科大学卒業、東京医科大学皮膚科入局
2006年 都内、埼玉の皮膚科、大手美容皮膚科にて勤務
2012年 勤務と平行して北里東洋医学研究所病院にて漢方研修
2016年 emiスキンクリニック松濤開院
■資格
日本皮膚科学会皮膚科専門医
日本レーザー学会認定医
■所属学会
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
日本東洋医学会
日本レーザー医学会