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手湿疹の症状や原因、治療方法とは?

手湿疹(読み方:てしっしん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
中﨑 恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)

手湿疹とは

手湿疹は最も頻度の高い外来性の刺激物質や接触アレルゲン(ハプテン,蛋白抗原)が皮膚に接触することによって発症する湿疹(接触皮膚炎)である.

引用:日本皮膚科学会 手湿疹診療ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/Hand_eczema_GL.pdf

手湿疹は大きく病態から刺激性接触皮膚炎,アレルギー性接触皮膚炎,アトピー型手湿疹,蛋白質接触皮膚炎(接触蕁麻疹を含む)に分類される.さらに形態から(1)角化型手湿疹,(2)進行性指掌角皮症,(3) 貨幣型手湿疹,(4)再発性水疱型(汗疱型)手湿疹,
(5)乾燥・亀裂型手湿疹に分類できる2)~5).

引用:日本皮膚科学会 手湿疹診療ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/Hand_eczema_GL.pdf

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの解説
手湿疹になりやすい季節は冬です。空気が乾いているうえ、水仕事の際にお湯を使う場面も多いことも肌の乾燥に影響します。上記のように特定の職業やアトピー体質など手湿疹の症状を引き起こす要因や環境がある場合、自然に治っていくケースは少ないと考えられます。手湿疹を防ぐためには、まずは水仕事や薬品(家庭の食器用洗剤や掃除用洗剤なども含む)を扱う際に手袋を着用することが大切です。そして、手を洗う際は石鹸で皮脂を落としすぎないことや、こまめな手の保湿を心がけましょう。手湿疹になりやすい冬であれば、最低でも1日10回は市販のハンドクリーム等で保湿してください。

手湿疹の症状

手の甲、手のひらあるいは指の皮ふにできる湿疹です。接触皮ふ炎の一種と考えられています。水仕事の多い女性だけでなく、男性にもできます。
かゆみが強く皮ふが赤くなる、皮ふが割れてくる、小さな水ぶくれができる、かきつぶすとジュクジュクやかさぶたになるなどが混じり合った症状が現れます。
手のひらには乾燥傾向の強い症状(ひび割れ、角層がはがれるなど)が現れやすくなります。慢性化すると皮ふが厚くゴワゴワになり、治りにくくなります。

引用:肌トラブル情報館(株式会社池田模範堂)
https://www.ikedamohando.co.jp/jyouhoukan/hand-finger-skin/eczema.html

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの解説
手湿疹の患者さんは、手のひら・手の甲が赤みをおびて乾燥していたり、鱗屑や落屑(皮膚のはがれ方が正常ではない状態)が見られたり、角質が切れてしまっていたりするケースが多いです。手湿疹がもっと進むと、指先の皮膚が薄くなり指紋が消えたり、皮膚が切れたりすることもあります。人間は体温が上がった時に皮膚のかゆみを感じやすいので、お風呂上がりや飲酒後などは患部をかいて傷つけてしまわないように注意しましょう。かゆみが気になる場合は冷たいタオルや保冷剤などで患部を冷やすと緩和できます。

手湿疹の原因

主婦や調理師、理容師、美容師など水仕事を頻繁に行う人にみられます。
通常は皮脂の分泌によってできる皮脂膜が皮膚を保護していますが、頻回の手洗いや洗剤の使用などにより皮脂が失われ(皮膚バリア機能の破綻)、さらに露出した皮膚への機械的・化学的刺激などが加わり症状が起こると考えられています。
アトピー体質の人は皮膚が乾燥するため症状が出やすい傾向にあります。

引用:協和発酵キリン かゆみナビ
http://www.kyowa-kirin.co.jp/kayumi/disease/case10.html

手湿疹の検査法

問診・視診で診断しますが、アレルギー性接触皮膚炎との鑑別のため、パッチテストを行う場合もあります。

引用:協和発酵キリン かゆみナビ
http://www.kyowa-kirin.co.jp/kayumi/disease/case10.html

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの解説
手湿疹と同じように手に症状が出る皮膚の病気は、小さな水泡や炎症が起きる「汗疱」、膿が溜まった膿疱が手や足に出現する「掌蹠膿疱症」、手に水虫ができる「手白癬」などです。手湿疹を診断する際は、皮膚の状態を見ればわかるケースが多いですが、もし視診のみで他の病気の可能性を排除できなければ詳しい検査を行います。掌蹠膿疱症と鑑別が必要な場合は、局所麻酔で皮膚の一部を切り取って皮膚生検を実施します。また、手白癬と鑑別するには、皮膚の一部を採取して顕微鏡で白癬菌(水虫の菌)の有無をチェックします。

手湿疹の治療方法

重症で炎症が強い場合にはステロイド外用薬を適切に使用し、まず炎症を抑えることが重要です。炎症が治まってきたら、トコフェロール酢酸エステルなどの入った治療薬を塗り、手の保湿を心がけることが大切です。水仕事などで洗剤を使用する際は、手袋の使用が効果的です。(※ただしゴム手袋によるアレルギーのある方はご注意ください。)できれば、水仕事などを休むと早くよくなります。

引用:肌トラブル情報館(株式会社池田模範堂)
https://www.ikedamohando.co.jp/jyouhoukan/hand-finger-skin/eczema.html

中﨑恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)ドクターの説明
ステロイドと聞くと副作用を心配される方もいらっしゃいますが、ステドイドは適切に使用すれば患者さんにとってメリットが非常に大きい薬です。手湿疹は症状が長引くほど悪化し、治りづらくなり、ステロイドで治そうとすると治療に長期間を要することになります。逆に、軽症のうちにステロイドを短期間で集中的に使用すれば、早く治るうえに副作用の心配もほとんどないのです。この際は市販の薬ではなく、皮膚科で医師に適切なステロイド外用薬を処方してもらうことが大切です。軽症の手湿疹であれば、ステロイドを使って1週間程度で大幅に改善します。一方、重症の方はステロイドを長期間使用する傾向がありますので、手湿疹の原因となる仕事や生活環境の見直しも検討する余地があるでしょう。また、症状が改善した後も、こまめな保湿を習慣化して、手湿疹を繰り返さないように気をつけてください。


この記事の監修ドクター

中﨑恵美 医師 emiスキンクリニック松濤 院長中﨑 恵美 医師
emiスキンクリニック松濤 院長

PROFILE

■経歴
2000年 埼玉医科大学卒業、東京医科大学皮膚科入局
2006年 都内、埼玉の皮膚科、大手美容皮膚科にて勤務
2012年 勤務と平行して北里東洋医学研究所病院にて漢方研修
2016年 emiスキンクリニック松濤開院
■資格
日本皮膚科学会皮膚科専門医
日本レーザー学会認定医
■所属学会
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
日本東洋医学会
日本レーザー医学会