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神経因性膀胱の症状・原因・治療方法についてご案内

神経因性膀胱(読み方:しんけいいんせいぼうこう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長

神経因性膀胱とは

膀胱の機能は尿をためること、だすことですが、そのどちらの機能にも脳、脊髄をはじめとした神経が複雑に関与しています。いまだにすべての排尿のメカニズムは解明されていません。
神経因性膀胱とは正確には排尿に関わる「神経」に原「因」があり「膀胱」の機能に問題があるということです。
原因のわからない排尿障害を一般的に総称して神経因性膀胱ということもあります。

引用:東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター
http://www.twmu.ac.jp/KC/Urology/disease/urination/nb/

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
膀胱は『おしっこをためる働き』と、『おしっこを出す働き』を担っています。膀胱の機能をコントロールしている大脳、脊髄、末梢神経が何らかの原因で障害される事によりおこる排尿障害の事を神経因性膀胱と言います。すなわち、神経因性膀胱の患者さんは『尿を我慢できない』、『尿が漏れる』、『尿が出せない。あるいは尿が出しにくい』など自分で思うように排尿ができなくなってしまいます。

神経因性膀胱の症状

最も重要な症状は尿失禁です。少量の尿が持続的に放出されます。男性では勃起障害が起こる傾向があります。さらに一部のけい性神経因性膀胱では、頻繁に排尿する必要があり、切迫した尿意を催すことも多く、夜間に起きて排尿する必要があります。けい性神経因性膀胱のある人は、他の神経も損傷している場合があり、脚の筋力低下、筋肉のけいれん、感覚消失が起こります。

引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/05-腎臓と尿路の病気/排尿の障害/神経因性膀胱

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
健康な方は、毎日の排尿は特に意識をする事なく自然に営んでいます。ところが大脳、脊髄、末梢神経等の障害によって発症する神経因性膀胱では以下のような症状が見られます。
【排尿障害】頻尿、尿失禁、排尿困難、残尿が多い、尿閉
また、神経因性膀胱が原因となり二次的な疾患を招くこともあります
【二次的な疾患】膀胱結石、水腎症、膀胱尿管逆流症、腎機能障害、慢性膀胱炎、腎盂腎炎
排尿をコントロールする神経は肛門や性機能とも関係するため以下の随伴症状を伴う場合があります
【随伴症状】排便困難、便失禁、性機能障害(勃起障害;ED)等

神経因性膀胱の原因

原因としては、脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、パーキンソン病や多発性硬化症等の神経変性疾患、脊髄損傷、骨盤内手術後(子宮や直腸)、糖尿病等があります。

引用:順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科
http://juntendo-urology.jp/disease/神経因性膀胱/

神経因性膀胱の検査法

下記のうち必要な検査を行い診断をします
問診
症状がいつからどのようにおきたかを伺います。併せていままでにかかった病気、飲んでいる薬、受けた手術などについても伺います。
尿検査
膀胱炎などの尿路感染症の有無や原因を調べるために行います。
排尿日誌
24時間分(朝起きてから翌日の朝おきる前まで)の尿の時間、1回ごとの尿量、飲んだ水分などについて表にしていただきます。通常は24時間分を2、3日分記載していただきます。
排尿機能そのものを見る検査
・尿流量検査
・残尿測定検査
・(ビデオ)ウロダイナミクス検査
上部尿路障害(腎機能障害)の有無をみる検査
・超音波検査
・腎シンチグラフィー
・採血検査

引用:東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター
http://www.twmu.ac.jp/KC/Urology/disease/urination/nb/

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
神経因性膀胱の診断には、必要に応じて以下の検査を行います。
【問診】症状の経過、過去にかかった病気や手術歴、治療歴、治療薬の確認を行います。また、排尿日誌をつけてもらい日常の排尿状況を確認します。
【尿検査】一般尿検査・尿沈渣にて膀胱炎等の尿路感染症の有無や血尿の程度を確認します。
【腹部超音波検査】腎臓や膀胱、膀胱周囲の臓器に異常が無いかどうか調べます。
【尿流検査(ウロフローメトリー)】膀胱の容量、尿の勢い、排尿状態を調べます。 検査の方法は、測定装置に向かって尿をし、1秒間当たりの排尿量と排尿にかかった時間を機械が自動的にグラフ化します。 グラフ化された排尿曲線のパターンで膀胱の排尿機能を評価します。
【尿流量動態検査(ウロダイナミクス検査)】蓄尿時および排尿時における膀胱内圧、排尿筋圧をモニターし、されに尿道括約筋の働きを同時に記録することにより、排尿障害のタイプを診断します。
【レントゲン検査、CT検査、MRI検査】腎臓、膀胱など尿路の形態的異常、脳・脊髄等の神経の異常の有無を診断します。
【膀胱造影検査】神経因性膀胱に特有な膀胱の形態異常の有無、膀胱尿管逆流症(膀胱内の尿が腎臓側に逆流する病態)の有無を確認します。

神経因性膀胱の治療方法

蓄尿障害に対しては骨盤底体操や膀胱訓練、薬物療法として膀胱が過敏な状態であるため緊張を和らげる抗コリン薬等を使います。
排尿障害に対しては、尿の勢いを強くする目的で排尿時に手で下腹部をぎゅっと圧迫し腹圧も利用した排尿訓練を行います。薬物療法としては、排尿筋の収縮力を強くする目的で副交感刺激薬を使用し、尿の出口を管理する尿道括約筋の緊張が強いときはα遮断薬を使用ます。薬物療法での治療困難な方には、間欠自己導尿(ご自身で尿道より細い管を入れる事で導尿する)や尿道留置カテーテル、手術療法等が行われることもあります。

引用:順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科
http://juntendo-urology.jp/disease/神経因性膀胱/

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
神経因性膀胱は様々な原因で起こりますので、治療方法も原因によって異なります。ここでは、治療について簡単に分かり易く解説したいと思います。
神経因性膀胱の症状を大まかに分類すると、①排出障害(尿を出す事が困難)と、②蓄尿障害(尿を貯める事が困難)の二つに分かれます。
①排出障害の場合: 「膀胱に貯まった尿を出せない」ため膀胱内には常に尿が残っています。 残尿が増えてしまうと、尿路感染症や腎機能障害を来してしまいますので残尿を減らす治療を行います。 内服薬は、尿道の抵抗を下げる薬や膀胱排尿筋の力を強くする薬を使用します。 また、下腹部を圧迫して排尿する方法(クレーデ法)、患者さん自身がカテーテル(管)で尿をとる方法(自己導尿)、膀胱にチューブ(管)を留置する方法(尿道カテーテル留置)等、患者さんの状態や状況によって治療法を選択します。
②蓄尿障害の場合: 膀胱に尿を貯める事が出来ない病態のため、頻尿や尿失禁が見られます 意識して尿を我慢する訓練(膀胱訓練)や機能の弱まった骨盤底筋を鍛える訓練(骨盤底筋体操)を行う事で症状を軽くすることができます。 内服薬は膀胱の緊張をとり膀胱排尿筋を緩める薬を使用します。


この記事の監修ドクター

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長名城 文雄 医師
なしろハルンクリニック 院長

PROFILE

●略歴
平成3年 琉球大学医学部卒業、琉球大学医学部附属病院
平成4年 鹿児島県 新村病院
平成5年 嶺井医院
平成6年 中頭病院
平成7年 沖縄県立 北部病院
平成8年 琉球大学医学部附属病院
平成9年 沖縄赤十字病院
平成12年 沖縄第一病院
平成13年 中頭病院
平成20年 おもろまちメディカルセンター
平成25年 同仁病院
平成26年6月 なしろハルンクリニック開院
●資格
日本泌尿器学会専門医
日本透析医学会専門医
●その他
同仁病院非常勤医師(毎週木曜日午前・午後外来)