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肝内胆管がん(胆管細胞がん)の症状や原因、治療方法とは?

肝内胆管がん(胆管細胞がん)(読み:かんないたんかんがん、別名:たんかんさいぼうがん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
藤田亨 医師(皿沼クリニック 院長)


 

肝内胆管がん(胆管細胞がん)とは

原発性肝がんのうち、約5%の頻度ですが、近年は増加傾向といわれています。肝細胞がんと同じように肝炎ウイルスが原因という報告もありますが、基本的には正常な肝臓に発生することがほとんどで、肝臓内にある胆管(肝臓で作られる胆汁という消化液が流れる管)から発生します。胆管からがんが発生するために、胆管内を流れる胆汁の流れが妨げられ、黄疸(おうだん)症状(皮膚や白眼が黄色くなること)が出現することがあります。
肝内胆管がんは3種類のタイプに分けられます。腫瘍が塊を作りながら大きくなっていく「腫瘤(しゅりゅう)形成型」、胆管内を浸潤しながら進行していく「胆管浸潤(たんかんしんじゅん)型」、胆管の内側の空間だけに充満していくような進行形態をとる「胆管内発育型」です。また腫瘤形成型に胆管浸潤型の2つの形態を併せ持つような場合もあります。

引用:国立がん研究センター東病院
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/hepatobiliary_and_pancreatic_surgery/050/1/20171101185309.html

藤田亨 医師(皿沼クリニック 院長)ドクターの解説
胆管がんは、大きく分けて「肝外胆管がん」(肝門部領域胆管がん、遠位胆管がん)と「肝内胆管がん」の2種類があります。胆管細胞がんは、肝臓内に発生することがほとんどですので、ほぼ肝内胆管がんと言い換えることができます。肝内胆管がんは身体の非常に深い部分にできるがんのため、早期発見が難しい病気です。初期はほとんど症状がなく、CTやMRIなどの画像検査をしない限りがんを発見できません。さらに発見できた時には、腫瘍がかなり大きくなっていったり、肝内に転移していたり、リンパ節・骨・肺などに転移していたりと、手術不能の症例が多いことが特徴です。手術不能ということは完治が望めないため、黄疸の症状を改善する減黄処置(経皮経肝的胆道ドレナージ:PTSD等)を行った上で、ホスピス(疼痛緩和治療)に移行というケースが多い悪性腫瘍と言えます。



 

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の症状

1)黄疸(おうだん)
がんができることによって胆管内が狭められ、胆汁が流れにくくなります。狭められた胆管より上流(肝臓側)の胆管は圧力がかかり拡張し、胆汁が胆管から逆流して血管の中に入るようになると、血液中のビリルビン濃度が高くなり、皮膚や目の白い部分が黄色くなります。これを閉塞(へいそく)性黄疸といいます。
(1)白色便
胆汁が腸内に流れてこなくなると便の色が白っぽいクリーム色になります。黄疸は程度が軽いとなかなか気が付きません。便の色が白っぽく変化したことで、はじめて症状に気が付くこともあります。
(2)黄疸尿
血液中のビリルビン濃度が高くなると、尿中に排泄(はいせつ)されることにより、尿の色が茶色っぽく、濃くなります。尿検査でビリルビンを確認することで黄疸の有無がわかります。
(3)かゆみ
黄疸が出ると皮膚のかゆみも同時にあらわれることが多く、これは胆汁中の胆汁酸という物質がビリルビンと一緒に血管内へ流れるためです。

2)腹痛
みぞおちや右脇腹に痛みが出ます。
3)体重減少、発熱、食欲不振、全身倦怠(けんたい)感
体重減少、発熱、食欲不振、全身倦怠感は胆管がんに限った症状ではありませんが、これらの症状はがんの進行に伴い、出てくる可能性が高くなります。症状が長く続く場合は医師にご相談ください。

引用:国立がん研究センターがん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/bile_duct/index.html

藤田亨 医師(皿沼クリニック 院長)ドクターの解説
黄疸に対しては、「経皮経肝的胆道ドレナージ(PTSD)」または、「内視鏡的胆道ドレナージ」の減黄術を行い、胆汁を体外に排出して症状改善を図ります。減黄術を行うとドレナージの管理を行う必要があるため入院治療が必須になります。黄疸の痒みに対しては、選択的オピオイドκ受容体作動薬「レミッチ(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)」を使います。腹痛に対しては、WHOのラダー理論に基づいた疼痛緩和を行います。体重減少、発熱、食欲不振、全身倦怠感を緩和できる治療は、中心静脈栄養(TPN)での高カロリー輸液と制吐剤の投与くらいでしょう。



 

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の原因

肝内結石症、原発性硬化性胆管炎との関係が報告されています。また肝炎ウィルス感染との関連も指摘されていますが、同じく肝臓に発生する肝細胞がんとは違い、基本的には正常な肝臓に発生します。ハイリスクグループの同定が困難であるため早期発見が難しく、腫瘍がある程度大きくなってから発見されることが多いのが特徴です。近年肝内胆管がんを含むゲノム(DNA)解析でFGFR2融合遺伝子、IDH1/2、EPHA2、BAP1などの遺伝子が肝内胆管がんの発生・進展に重要な役割を果たしていることが明らかとなり、今後新たな治療法の開発が期待されています。

引用:日本肝胆膵外科学会
http://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=8


 

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の検査法

検査は肝細胞がんと同様に超音波、CT、MRI、血管造影などの画像診断を中心に腫瘍の大きさ・形状や胆管内への進展の程度を調べます。必要に応じて直接胆管に造影剤を注入する方法(逆行性膵胆管造影検査:内視鏡を用いた胆管造影、PTC造影:超音波を用いて皮膚から胆管に細い管を留置し行う)や肝生検を行い、細胞や組織を採取してがん細胞の有無を確認します。腫瘍マーカーとしてはCEAやCA19-9を測定します。

引用:日本肝胆膵外科学会
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/hepatobiliary_and_pancreatic_surgery/050/1/20171101185309.html

藤田亨 医師(皿沼クリニック 院長)ドクターの解説
胆管細胞がんの検査に関しては、CT、MRI、超音波、血液での肝機能検査以外に、内視鏡を使って胆管・膵管を造影する「内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)」があります。検査の手順は、まず口から十二指腸まで内視鏡(胃カメラ)を入れて、その先端から膵管・胆管の中にカテーテル(細い管)を挿入します。そして、カテーテルから造影剤を入れて、膵管や胆管のX線写真を撮ります。同時に膵液や胆汁を採取したり、病変部から組織や細胞を採取したりして検査を行うこともあります。組織や細胞を採取する場合、これが肝内胆管がんの確定診断になることもあります。ただしこの検査は、膵管・胆管の中にカテーテルを挿入する手技は難易度が高く、検査を行う医師により個人差があると考えられます。



 

肝内胆管がん(胆管細胞がん)の治療方法

肝内胆管がんに対しては、外科手術が唯一、根治(がんが治ること)が見込める治療法です。外科手術では肝臓を切除しますので、肝機能(切除後に残る予定の肝臓の量、働き)によって切除できる範囲が限られてしまうことがあります。そのため外科手術を考える場合、CT、MRI、超音波や血液での肝機能検査などの精密検査が必要です。外科手術の適応がないと判断される場合は全身化学療法(抗がん剤)を行います。

引用:国立がん研究センター東病院
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/hepatobiliary_and_pancreatic_surgery/050/1/20171101185309.html

藤田亨 医師(皿沼クリニック 院長)ドクターの解説
上記に「外科手術の適応がないと判断される場合は全身化学療法(抗がん剤)を行います」とありますが、一般的な抗がん剤治療は奏効率(治療実施後にがん細胞が縮小あるいは消滅した患者の割合)が10〜20%と低いため、通常は行われません。ただし、下記の場合は抗がん剤を用いて治療します。
(1)ドラッグデリバリーシステム(DDS)を工夫した化学療法:抗がん剤にポリマーを付ける、あるいはミセル化した高分子の抗がん剤を投与して、がん細胞だけを狙い撃ちにする。
(2)時間治療学を使った治療:がん細胞が分裂し、かつ正常細胞が分裂しない夜間に抗がん剤を投与する。



 

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