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内痔核の症状・原因・治療方法についてご案内 2018.07.08

内痔核(読み方:ないじかく)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長

内痔核とは

肛門疾患のなかで、最も多いのが痔核(じかく)、いわゆる「イボ痔」です。痔核は、肛門部の粘膜皮膚の下にある静脈がこぶのように腫れた状態をさします。
歯状腺より腸側にできたものを内痔核、外側にできたものを外痔核と呼びます。痔瘻(じろう)や裂肛(れっこう)は男女で差がありますが、内痔核には性差がありません。

引用:飯原医院
http://www.iiharaiin.com/cpi_hemo0.html

医師名・病院名ドクターの解説
便秘や下痢などでいきむことで肛門に負担がかかると、肛門を閉じる役割をするクッション部分の血流が悪くなったり、出血を繰り返したりします。それが日常的に起こると、クッション組織を構成する血管や、血管周囲の結合組織が増殖し、クッション部分が腫れてしまいます。その腫れたクッション部分のことを痔核といい、歯状腺(肛門と直腸の境界部分)より内側(直腸部分)にできたものを内痔核といいます。内痔核は悪化してくると、しだいに腫れが大きくなり、やがて排便時に肛門の外に出てきたり、出血を繰り返したりします。

内痔核の症状

内痔核は知覚神経(痛みを感じる神経)がない直腸側にできる痔核(イボ痔)で、初期症状では痛みを感じることはありません。そのため、排便時に内痔核が便が当たって出血し、便器が赤くなることで、初めて気付くケースが多いようです(Ⅰ度)。イボが大きくなると、イボ自体が排便時に飛び出してくるようになります。
肛門内から飛び出したイボは、最初の頃は自然と肛門内に戻りますが(Ⅱ度)、そのうち指で押し込まないと戻らなくなってきます(Ⅲ度)。
さらに症状が悪化すると、排便に関係なくイボが飛び出した状態(脱肛)になり、粘液や便がしみ出し肛門周辺の皮膚が炎症を起こすようになってきます(Ⅳ度)。また出血も便器が真っ赤になるほど出血します。さらに悪くなると、常に出たままの状態となりイボ痔はもとに戻らなくなります。

引用:楽クリニック
http://www.rakuc.com/zi/naizikaku.htm

医師名・病院名ドクターの解説
内痔核ができる直腸には痛みを感じる神経がないため、通常痛みは感じません。一方、外痔核(肛門部分の痔核)や内痔核が脱出して戻らなくなった場合(嵌頓といいます)には、激しい痛みをともないます。
通常の場合、内痔核ではでは、出血や肛門から痔核が脱出していたり、残便感などではじめて気づくことが多いです。ただし症状がある場合、内痔核からではなくその奥にある大腸がんやポリープからの症状である場合も多く、出血の度合いや色、他の症状では判断ができないことがあります。そのため、症状があった場合には内痔核だろうと早合点せず、専門医に相談し検査(通常は大腸内視鏡検査)をすることをお勧めします。

内痔核の原因

内痔核ができる原因として考えられているのが、肛門部の血管がうっ血して静脈瘤になる、という説です。もう一つの原因として、肛門管内で内痔核を肛門括約筋に固定している支持組織がゆるむ、という説があります。
わかりやすく説明すると、血が中に充満した静脈のこぶ、痔を風船とし、糸(支持組織)で地面(内肛門括約筋など)に固定されていると考えてください。
この風船がおおきくなったり、風船の糸が弱くなってのびてくると、痔が大きくなり外へ出てきます。これがいわゆる「脱肛」で、内痔核のずいぶんと進んだ状態と理解してください。

引用:飯原医院
http://www.iiharaiin.com/cpi_hemo1.html

内痔核の検査法

主な検査方法
●問診
どんな症状がいつから続いているか、便秘や下痢などの便通異常があるか、などを聞く。
●視診・指診(触診)
横向きに寝て下着を少し下ろし、患部を直接診たり、ゴム手袋をして麻酔のゼリーをつけ、患部に触れたり、肛門に指を入れて診察。肛門や直腸下部の病気の診断には欠かせないものなので、緊張せず、力を抜いてゆっくり深呼吸しながら受けるとよいでしょう。
●肛門鏡検査
実際に肛門内部を肛門鏡という道具を使って観察します。
●大腸内視鏡検査
必要に応じて、直腸を含めた大腸全部を内視鏡というカメラで観察します。この場合、検査前に食事制限や下剤を飲んで大腸をきれいにするという準備が必要になります。

引用:大正製薬
http://www.taisho.co.jp/preser/knowledge/cure/cure_04.html

医師名・病院名ドクターの解説
肛門の病気には内痔核と同様の症状を示すものが多くあります。大腸がんや大腸ポリープでも、出血をおこしたり肛門に異和感が続く場合もあります。また高齢者の方であれば、直腸脱(直腸が肛門から脱出してしまう場合)なども鑑別する必要があります。これ以外にも内痔核と同様の症状をおこす病気は数多くあります。まだ専門医を受診していない場合や、過去に受診した場合も時間が経過している場合には、専門医への受診をお勧めします。一度内痔核と診断されたからといっても、今回の症状も同じ原因ではない場合も多くあります。

内痔核の治療方法

内痔核の場合は、実際に手術をする人は10~20%程度です。診察の結果、症状が軽いと判断された方は、まずは生活習慣の改善と薬物療法による保存的治療を行います。
内痔核の手術方法は、痔核を全て切除し、縫い合わせる方法が一般的です。
しかし、術後の疼痛が強く、術後出血を起こす可能性もあるため入院による治療が必要です。当院では、疼痛と出血を最小限にまで改良した結紮切除術により、日帰り手術が可能となりました。また、痔核そのものを切らない「PPH法」や、肛門にメスを入れない最新の注射療法「ジオン注射療法(内痔核硬化療法)」も行っております。
PPH法は痔核を切り取らないので、術後の痛みは少ないのが特徴です。痛みを感じる神経に傷をつけず痔核を持ち上げて、元の位置に戻します。同時に痔核に注ぐ血管を遮断するので、うっ血していた痔核は小さくなります。
PPH手術では痛みを感じる肛門皮膚には傷をつけないので、術後の痛みが非常に小さく済みます。手術は約20分ですみ、日帰りあるいは短期入院で治療することができます。手術から約5週間ほどで完治します。3~5%の可能性で術後出血が見られる場合があることが唯一の欠点です。

引用:楽クリニック
http://www.rakuc.com/zi/naizikaku.htm

医師名・病院名ドクターの解説
軽度の内痔核の場合、自覚症状がなければ、内服・座薬などの治療は必要ありません。内痔核の治療の基本は、生活環境の改善(過度なアルコール・刺激物をさける、適切な量の食物線維や十分な水分の摂取、毎日の適度な運動)や、排便習慣の改善(便秘や下痢を避ける、便意を我慢しない、排便習慣をつける)をおこなうことです。
自覚症状を有している内痔核には、症状(脱出)の進行具合によってⅠ度からⅣ度までの4段階に分類(Goligher分類)し、その状態に応じて治療方針を決定していきます。
Ⅰ度:排便時に出血することもあるが、脱出しないもの
Ⅱ度:排便時にいきむと脱出するが、その後自然に戻るもの
Ⅲ度:排便時に脱出し、手で押さないと戻らないもの
Ⅳ度:排便に関係なく、常に脱出しているもの
Ⅱ度までは排便習慣の改善や、生活習慣改善、軟便剤や内痔核のうっ血や炎症をおさえる座薬で軽快することが多いです。Ⅲ度以上になると手術や注射治療が必要になる場合が多くなります。手術治療は結紮切除術や、近年ではジオン注射治療などがあり、痔核の位置や状態により選択されます。
ただし内痔核は生活習慣病でもあるので、一度手術で改善したとしても、術後に便秘などの生活習慣の乱れが続くと再発してしまいます。基本は生活習慣の改善、排便習慣の改善が非常に重要です。


この記事の監修ドクター

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長寒河江 三太郎 医師
厚木胃腸科医院 院長

PROFILE

平成19年 北里大学医学部医学科卒業。
平成19年 北里大学医学部医学科卒業。国際親善総合病院にて初期研修後、慶應義塾大学一般・消化器外科教室入室。
平成21年 稲城市立病院 外科。
平成22年 平塚市民病院 外科。
平成23年 慶應義塾大学病院 一般・消化器外科。
平成27年6月 厚木胃腸科医院院長。
日本消化器内視鏡専門医。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。日本禁煙学会認定指導医。