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感染性腸炎の症状や原因、治療方法とは?

感染性腸炎(読み方:かんせんせいちょうえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長

感染性腸炎とは

細菌又はウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症である。原因はウイルス感染(ロタウイルス、ノロウイルスなど)が多く、毎年秋から冬にかけて流行する。また、エンテロウイルス、アデノウイルスによるものや細菌性のものもみられる。

引用:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-18.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
年末にかけて、 徐々に嘔吐・下痢・発熱の患者さんが増えてきます。冬に嘔吐・下痢を起こす病気の代表格が感染性腸炎です。その原因は細菌性とウイルス性がありますが、多くの場合はウイルス性が多く、特徴として、発症早期には吐き気や発熱・関節痛のような感冒症状を伴い、その症状は1-2日程度で徐々に改善し、その後3-4日水様下痢が継続します。治療は特に必要なく、脱水に対する対処療法で多くが自然軽快します。一方、細菌性腸炎では、血便が出たり、発熱や強い腹痛が継続したりし、症状の重い方は入院での加療が必要になる場合もあります。

感染性腸炎の症状

発熱、下痢、悪心、嘔吐、腹痛などが見られる。 当初発熱が先行し、嘔吐、下痢など腹部症状が遅れて出現することもある。

引用:国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/383-intestinal-intro.html

感染性腸炎の原因

原因となる病原体には、ノロウイルス(Noro virus)、ロタウイルス(Rota virus)などのウイルスのほか、細菌や寄生虫もあります。

引用:東京都感染症情報センター
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/gastro/

感染性腸炎の検査法

細菌性腸炎の診断は便や腸液を培養して検出する。結果がわかるまで2-3日必要である。 培養の陽性率はあまり高くないため、培養が陰性でも感染性腸炎は否定できない。
ウイルス性腸炎の診断は、吐物や便からウイルスに特異的な物質や遺伝子の検出による。

引用:日本大腸肛門病学会
http://www.coloproctology.gr.jp/aboutsickness/archives/10

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
ちなみにウイルス性腸炎で最も有名なのはノロウイルスやロタウイルスです。胃腸炎症状の方のなかで、「ノロウイルスかどうか調べてください」とか「職場から検査するように言われました」等とお願いされることがあります。しかし、現状ではノロウイルスかどうか検査することには、ほとんど意味はありませんので、ご説明の上、お断りすることが多いです。その理由をお話しできればと思います。
一番の理由として、ノロウイルスは診断しても「意味がない」&「治療法がない」ことがあげられます。ウイルス性胃腸炎を起こすウイルスには、アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルスなどいくらでもあります。またいずれのウイルス性胃腸炎であっても有効な治療法(インフルエンザのタミフルのようなもの)がなく、周囲の方への感染もします。
第二の理由として、ノロウイルスは遺伝子型がいくつもあり、検査で陽性ならばノロウイルスの可能性が高いですが、陰性の場合でも違うとは言い切れないことです。またそのために、大人になっても免疫ができず、繰り返し感染したり、お子さんから大人にもうつることが多いのです。予防するためには、手洗いをするしかありません。普段から意識して行うようにお願いしています。
以上の理由もあって、ノロウイルスの検査は3歳未満と高齢者・ハイリスク患者さんにしか保険が利きません。もちろん希望者(仕事上やむを得ない方)には、検査をすることも可能ですが、上記の内容はご了承いただければと思います。

感染性腸炎の治療方法

ウイルス性のものでは対症療法が中心となるが、細菌性、あるいは寄生虫によるものでは病原体特異的な治療を行う必要がある。
種々の病原体に対する特異的な予防方法はなく、食中毒の一般的な予防方法を励行することと、ウイルス性のものに対しては、流行期の手洗いと患者との濃厚な 接触を避けることである。いずれの病原体においても院内、家庭内、あるいは集団内での二次感染の防止策を考慮することが肝要である。

引用:国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/383-intestinal-intro.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
ほとんどの胃腸炎は、放っておいても1~2日で吐き気・腹痛・発熱・関節痛などは改善します(下痢のみ1週間ほど続く場合があります)。そのため胃腸炎を治すことよりも、脱水状態に陥らないことが大切です。そのためは、水分(たとえば、OS-1やスポーツ飲料)を飲むことです。いきなりゴクゴクと飲むと吐き気を誘発することがあるので、一口のんだら10-15分休む → 一口のんだら10-15分休む を繰り返します。少しずつ飲んで、一晩たつと嘔吐などの症状はかなり改善することが多いです。
血便を伴ったり、腹部症状が強く、細菌性を疑う場合には、抗生物質などを投与する場合もあります。


この記事の監修ドクター

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長

PROFILE

平成19年 北里大学医学部医学科卒業。平成19年 北里大学医学部医学科卒業。国際親善総合病院にて初期研修後、慶應義塾大学一般・消化器外科教室入室。平成21年 稲城市立病院 外科。平成22年 平塚市民病院 外科。平成23年 慶應義塾大学病院 一般・消化器外科。平成27年6月 厚木胃腸科医院院長。日本消化器内視鏡専門医。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。日本禁煙学会認定指導医。