1. Medical DOCTOP
  2. 航空性中耳炎の症状や原因、治療方法とは?

航空性中耳炎の症状や原因、治療方法とは? 2018.06.28

航空性中耳炎(読み:こうくうせいちゅうじえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
中島 規幸 先生 なかじまクリニック 院長

航空性中耳炎とは

車で急に高い山に登った時や、トンネルを通過した時に、耳がつまった感じ(耳閉感)がしたり、耳が痛くなった事がありませんか。特に飛行機に搭乗した時に、機内の気圧が変化に伴い耳の症状が出る場合があります。これを「航空性中耳炎」と呼びます。風邪をひいていたり、アレルギー性鼻炎などで鼻が悪い時には重症化して、症状がなかなかとれません。

たかはし耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック
http://www.takahashi-ent-clinic.com/mimi.html

中島 規幸 先生 なかじまクリニック 院長監修ドクターのコメント
飛行機の上昇時や下降時に耳が詰まったり、痛くなったりすることがあります。鼓膜の内側の中耳と外側の外耳の気圧の差によって起こる痛みで、気圧差があっても中耳の中に炎症が起きなければ痛みだけで済みますが、炎症が起こってしまうと航空性中耳炎となります。特に風邪やアレルギー性鼻炎などで鼻の粘膜が腫れていると、航空性中耳炎になりやすいです。

航空性中耳炎の症状

●典型的な症状
一般の急性中耳炎や滲出性中耳炎と同様な耳症状をおこし
・耳痛(耳が痛い)
・耳閉感(耳がつまった感じ)
・難聴(聞こえにくい)
などが主たる症状です。
しかし、高度な場合は内耳のリンパ液が漏れてめまいや耳鳴をおこすこともあります。

引用:南新宿クリニック
http://minamishinjuku-clinic.jp/cyujien/

中島 規幸 先生 なかじまクリニック 院長監修ドクターのコメント
耳の詰まりやキーンと痛むといった軽い症状から、耳鳴りや耳が刺されるような激痛といった重い症状まであります。大半は軽い症状が数分続く程度で長く続くことはありません。
もし着陸した後も1時間以上痛みが続いたりする場合等すぐに治らない場合は、中耳炎になったと考えられます。

航空性中耳炎の原因

中耳(鼓膜の内側)には少量の空気が入っており、耳管と呼ばれる管で咽頭部とつながっています。この耳管は通常閉じていますが、開閉し空気が通ることにより外部の気圧と中耳の気圧を一定に保っています。航空機では、離着陸時の急激な気圧の変化が起こるため、耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じて耳が痛くなることがあります。

引用:関西空港検疫所
http://www.forth.go.jp/keneki/kanku/disease/dis02_07aer.html

航空性中耳炎の検査法

鼓膜を見ると、中耳腔が陰圧となっているため、鼓膜が内側にへこんでいる(内陥)状態が観察されたり、聴力検査や鼓膜の動きを調べる検査(チンパノメトリー)で病気の程度を確認することが出来ます。

引用:ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック
https://nagakura-ac.com/耳管狭窄症

中島 規幸 先生 なかじまクリニック 院長監修ドクターのコメント
鼓膜の内側の中耳と外側の外耳の気圧の差によって起きます。飛行機では離陸時や着陸時に急激に気圧が変化しその結果圧力差が生じ、耳が痛くなることがあります。また、アレルギー性鼻炎や風邪をひいていてのどや鼻に痛みや詰まりがあると症状が出やすいです。診断に関してですが、通常鼓膜の状態の視診で確認できます。チンパノメトリーという鼓膜の動きの検査をすることもあります。もし音が聞こえない場合は、内耳炎になっていることも考えないといけません。その場合は骨導の(神経が保たれているか調べる)検査も必要になってきます。

航空性中耳炎の治療方法

軽症の場合は、水を飲む、アメなどをなめる、またはあくびをすることで症状が改善されます。これで改善されない場合や、やや重症の場合にはスキューバダイビングで用いられる「耳抜き」(バルサルバ法)を試みてください。ただし、あまり強くやると鼓膜を傷つけることになりますので、注意が必要です。
耳抜きの方法:最初に鼻をかみ(この時、偶然治ることもあります)、次に鼻をつまんで空気を吸い込み、口を閉じて吸い込んだ息を耳へ送り込みます。これを耳が抜ける感じがするまで数回繰返します。(あまり強くやると鼓膜に傷をつけ、逆効果となりますので注意して下さい。)どの方法も効果がなく、耳の痛みが緩和されない場合は、速やかに耳鼻科を受診してください。

引用:関西空港検疫所
http://www.forth.go.jp/keneki/kanku/disease/dis02_07aer.html

中島 規幸 先生 なかじまクリニック 院長監修ドクターのコメント
飛行機の離陸時は鼓膜の中の気圧のほうが高くなり、着陸時は鼓膜の中の気圧のほうが低くなります。その時、水やつばを飲んだり飴をなめたり、あくびをする事等により航空性中耳炎になりにくくなります。もし飛行機を降りた後もしばらく治らない場合は、速やかに耳鼻咽喉科を受診しましょう。通常重症でなければ投薬(抗生剤)で治ります。
●予防方法
・飛行機に乗る前に風邪やアレルギー性鼻炎の治療を受けておきましょう。またもし風邪やアレルギー性鼻炎の症状があったら、血管収縮剤入りの点鼻薬を搭乗前や下降前に使用するのがいいでしょう。


この記事の監修ドクター

中島 規幸 先生 なかじまクリニック 院長中島 規幸 先生
なかじまクリニック 院長

PROFILE

 ●経歴
2003年 昭和大学医学部 卒業
2003年 獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科 入局
2007年 獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科 助教
2011年 東埼玉総合病院耳鼻咽喉科 医長
2014年 なかじまクリニック開院
2017年 医療法人三優会 なかじまクリニック 設立
●資格等
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医
身体障害者福祉法第15条指定医(聴覚障害、平衡機能障害、音声・言語機能障害、そしゃく機能障害)
日本アレルギー学会 アレルギー専門医
日本医師会認定健康スポーツ医
●所属学会
日本耳鼻咽喉科学会
日本気管食道科学会
日本アレルギー学会
耳鼻咽喉科臨床学会
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
日本めまい平衡医学会