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穿孔外傷の原因・症状・治療方法をご紹介

穿孔外傷(読み方:せんこうがいしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
田中 民江 医師(アイビー眼科 院長)

穿孔外傷とは

穿孔外傷というのは、けがによって、眼球に穴が開いたり、眼球が裂けたりすることです。放置すると傷口から眼球の中身が外に出てしまい眼球の形が保てなくなったり、傷口から眼の中に細菌が入り眼全体が化膿したりして、最後には失明します。
大きな傷の場合は患者さんも急いで眼科を受診しますので問題はありませんが、傷口が小さかったり痛みが少なかったりした場合は、眼科受診が遅れてしまう こともあります。たとえ傷口が小さくても、また痛みが少なくても眼球が穿孔している場合は急いで眼科を受診しなければなりません。

引用:一般社団法人 広島県医師会
http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/172/ii-3.html

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
穿孔外傷とは、尖った物が飛んできて目の奥まで入ったり、なんらかのアクシデントによって目に強い力がかかって眼球が裂けてしまう状態を言います。傷が大きい場合はかなり強い痛みを感じ、多くの場合は眼を開けられない状況になります。救急車で運ばれて来る患者さんもいます。

穿孔外傷の症状

温かい涙は要注意
外傷によって眼球に穴が開いた場合、眼球の中にある液体が眼の外に漏れてきます。眼球の中の液体は涙より温かいため、この液体が眼の外に漏れてきた場合、患者さんは「温かい涙がでてきた」と言われることがあります。外傷によって温かい涙がでてきたと感じるときは、たとえ傷口が小さくても眼球に穴があいている恐れがあり、注意しなければなりません。

痛みだけでは判断できない
外傷の場合、痛みの強さ と重症度が一致するとは限らず、痛みだけで重症度を判断することはできません。けがをした瞬間は痛みを感じますが、その後は痛みを感じなくなったり、また、眼を閉じていると眼の痛みがやわらぐことがあるためです。したがって、痛みがなくなったからといって安心してはいけません。

引用:一般社団法人 広島県医師会
http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/172/ii-3.html

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)ドクターの解説
穿孔外傷の場合、黒目や角膜を通り抜けて奥まで異物が刺さっているため、ほとんどの場合は激痛を伴い、目をあけることができません。そのため、その場ですぐに眼科に受診することになります。自分でなんとかしようとせずに、刺さった状態のまますぐに病院へ受診してください。
めったにはありませんが、鉄の削りかすなど小さいものが眼球を通り抜けて目の奥に入り込んでいて、その場では気づかないこともあります。目に違和感を覚えたり、目の奥が痛かったり、目が充血してきたりなどの症状を訴えて外来を受診されて穿孔外傷に気がつくこともあります。

穿孔外傷の原因

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
思わぬところから何か尖った物が飛んできて目に刺さったり、事故に巻き込まれて目に物が刺さったりすることでおきます。

穿孔外傷の治療方法

場合によって、創を縫合する、あるいは眼内の異物を摘出するといった処置を行います。また、傷害が水晶体に及ぶと水晶体が混濁(外傷性白内障)し、水晶体を摘出しないといけないこともあります。さらに奥の硝子体や網膜に傷害がおよぶと硝子体手術と呼ばれる硝子体を除去するような手術を要する事もあります。

引用:日本小児眼科学会
http://www.japo-web.jp/info_ippan_page.php?id=page26

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
穿孔外傷の治療は多くの場合は、入院しての手術になります。特に目の中に細菌が入ってしまっている事もあるため、感染症に注意しながら術後の経過観察が必要になります。万が一目の中で細菌が増殖し眼内炎になってしまった場合は、失明してしまうリスクもあるため注意が必要になります。入院期間は傷の程度にもよりますが、傷が黒目のところだけであれば日帰りか2、3日程度の入院で治療が可能です。ただし、異物が目の奥の網膜まで到達している場合は1週間からそれ以上の入院が必要になってきます。
手術時に角膜を糸で縫うと、抜糸が必要になるなど完治するまでには時間がかかります。また角膜に傷ができると、その傷が治るときに濁りが出ることがあるため、見えにくくなるなどの後遺症が出てくることもあります。また、角膜の傷を縫う際に乱視が出て、後々まで乱視が残ってしまうこともあります。


この記事の監修ドクター

田中 民江 医師(アイビー眼科院長) 田中 民江 医師
アイビー眼科 院長

PROFILE

香川医科大学(現香川大学医学部)卒業後、広島大学眼科学教室に入局。その後いくつかの病院に勤務を経て、平成17年広島県廿日市にアイビー眼科を開業。地域のホームドクターとして患者様の立場にたった治療を提供。平成8年には日本眼科学会眼科専門医資格取得。日本眼科学会、日本眼科手術学会、日本角膜学会、日本白内障屈折手術矯正学会所属