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開放隅角緑内障の症状・原因・治療方法をご紹介 2018.06.29

開放隅角緑内障(読み方:かいほうぐうかくりょくないしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
田中 民江  医師(アイビー眼科 院長)

開放隅角緑内障とは

原発開放隅角緑内障は、隅角は開いているものの、その先の房水排出路の一つである線維柱帯が目詰まりを起こすために起こる病気です。房水の通過障害はじわじわ進むので、病気の進行もゆっくりです。このタイプの緑内障にかかりやすいのは強度の近視、糖尿病の人にもみられますが、遺伝的素因が主に関係しています。20代、30代にも起こりますが、病気の進行が遅いこともあって40代以降に増加する傾向にあります。

引用:ボシュロム
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-2/ryokunaisho/genpatsukaihougukakuryokunaishou/

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
緑内障患者さんの多くは開放隅角緑内障と呼ばれる緑内障です。患者さんの約9割は開放隅角緑内障であり、残りの1割が閉塞隅角緑内障です。開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障は発症の機序が違うだけであり、どちらも眼圧が上がることによって視神経が圧迫されて、視野が失われていく疾患になります。

開放隅角緑内障の症状

開放隅角緑内障では、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。眼圧に関しては、正常眼圧緑内障が多いことに加え、20mmHgを少し超える程度の軽度の眼圧上昇では、特に異常を自覚することがないからです。視野に関しては、初期から中期の視野障害は視野検査では検出されますが、患者さんが視野の欠けを自覚することはまれです。

引用:日本眼科医会
http://www.gankaikai.or.jp/health/49/07.html

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)ドクターの解説
開放隅角緑内障の場合、自覚症状が現れた時点でかなり進行していることが考えられます。開放隅角緑内障は初期に日常生活の中で気づくことはほとんどありません。人間ドックで眼底写真を撮影した際に異常を指摘された場合、眼圧が高かった場合、もしくは別の疾患で眼科を受診した際に偶然見つかることがほとんどです。 年齢と共に発症率が上がっていくことから、早期に緑内障を発見するためには人間ドックや眼科で定期的に眼圧を測定することが必要です。また、見えにくくなってきた・視野がぼやけてきたなどの症状を感じた場合は、早めに眼科を受診することが早期発見につながります。

開放隅角緑内障の原因

開放隅角緑内障には多くの原因がありうるが( 開放隅角緑内障:流出路閉塞の機序に基づく分類*を参照),米国の症例の60~70%では原因が同定できず,原発開放隅角緑内障と呼ばれる。通常,両眼が罹患するが,典型的には程度に差がある。
危険因子には,高齢,緑内障の家族歴,黒人,角膜中心厚が薄い,全身性高血圧,糖尿病,および近視などがある。黒人では,緑内障はより重症でより若年で発症し,失明する可能性が6~8倍高い。

引用:MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/17-眼疾患/緑内障/原発開放隅角緑内障

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
開放隅角緑内障は閉塞隅角緑内障とは違い、水の出入り口である隅角は開いています。その水の出口である隅角は網目状になっていて、網目状になった隅角に老廃物が溜まり、その結果水はけが悪くなって眼圧が上がってゆき、開放隅角緑内障を発症します。そのため、年齢と共に老廃物が溜まりやすくなり発症率が上がってきます。老廃物が溜まりやすくなる原因疾患などは特になく、個々の体質によって左右されます。この眼圧を左右する水(房水)は眼の中にある水のため、眼が乾きやすくなった・涙が出にくくなったなどの症状は開放隅角緑内障には関係なく、自覚症状なく進行していくのも特徴のひとつです。特に老廃物を溜まりにくくして発症を防ぐなどの予防策は現時点では見つかっていません。

開放隅角緑内障の治療方法

開放隅角緑内障は、薬物療法で効果がない場合はレーザー治療を行います。ふさがっている部分にレーザーを当てて房水の流れを改善する治療で外来での治療が可能です。
薬物療法やレーザー治療によっても眼圧が充分下がらないとき、あるいは眼圧がある程度下がっていても視野の悪化が止められないときに手術をします。
手術をしても視力や視野は回復しませんので、早期発見、継続治療が大切です。

引用:井上眼科病院グループ
https://www.inouye-eye.or.jp/eyecare/glaucoma/

田中 民江 医師(アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
開放隅角緑内障は視野や視力に異常が出てしまうと回復が難しい疾患です。進行を遅らせるためには、できるだけ早期に見つけ、すぐに治療を開始する必要があります。 眼圧の程度にもよりますが、まずは目薬を使って眼圧を下げる治療を開始します。いくつかの目薬を使用しても眼圧が下がらない場合は、眼圧を下げるために手術を行います。手術を行っても回復は難しく、あくまでも進行を抑えるための治療になります。自己判断で薬をやめると緑内障が進行していきますので、医師の指導の下で定期的に検査を受け、正しく薬を使用していくことが大切です。


この記事の監修ドクター

田中 民江 医師(アイビー眼科院長) 田中 民江 医師( アイビー眼科院長)
アイビー眼科 院長

PROFILE

香川医科大学(現香川大学医学部)卒業後、広島大学眼科学教室に入局。その後いくつかの病院に勤務を経て、平成17年広島県廿日市にアイビー眼科を開業。地域のホームドクターとして患者様の立場にたった治療を提供。平成8年には日本眼科学会眼科専門医資格取得。日本眼科学会、日本眼科手術学会、日本角膜学会、日本白内障屈折手術矯正学会所属