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後発白内障の症状・原因・治療方法をご紹介

後発白内障(読み方:こうはつはくないしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
田中 民江 医師( アイビー眼科院長)

後発白内障とは

白内障手術を受けると、白内障以外の病気が無ければ、ほとんどの患者さんで見え方(視機能)が改善します。しかし術後しばらくたって、視機能が低下してくることがあります。その原因として後発白内障と前嚢収縮があります。これらは術後発生頻度の高い合併症ですが、通常、通院による外来治療で良くなります。

引用:日本白内障学会
http://www.jscr.net/ippan/page-003.html

田中 民江 医師 (アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
後発白内障は白内障の手術を受けた後に起こる疾患です。最近は白内障の治療に使う眼内レンズも改良されているため、以前よりは発生頻度は減ってきていますが、一定の割合で発生している疾患です。また白内障の手術後すぐに起こるのではなく数年たってから起こることもあるため、白内障の手術後は定期的に眼科で検査してもらうことが早期に見つけるためには大切です。後発白内障の治療自体はレーザーで治療を行い、日帰りで治療が可能なため、少しでも見えにくさを感じたり、視力の低下を感じた場合は、そのまま放置したり我慢したりせずに早めに受診することで、また元の見えやすい状況に回復させることが可能です。後発白内障の場合、進行が緩やかなこともあり、年齢のせいで見えにくくなったのではないかと思われる方もいらっしゃいますが、見えにくい状態を放置せずに一度眼科を受診されることをお勧めします。

後発白内障の症状

早いケースでは手術をして数週間後に発生することがあります。遅いものでは手術後数年経ってから見られることもあります。
後発白内障の症状は、白内障と同じ視力低下ですが、少しずつ混濁が進行した場合には症状がわかりにくいことがあります。

引用:太田綜合病院
https://www.ohta-hp.or.jp/n_etc/80med/dep/dep60/d60_11.htm

田中 民江 医師 (アイビー眼科院長)ドクターの解説
後発白内障の症状は通常の白内障の症状と同じく、後発白内障特有の症状があるわけではありません。白内障の症状と同じく、徐々に視野がにごってきて全体がなんとなく見えにくくなり、視力が低下してきます。もう一度白内障になったかのように感じることもあります。白内障の手術後に、視力低下を感じたり、全体がかすんできたり、ぼやけて見えにくくなるような白内障に似た症状が現れた場合は、後発白内障を疑い速やかに病院を受診してください。また後発白内障は手術後すぐに起こらない場合もあり、白内障の手術後数年たってから症状が現れることもありますので注意が必要です。

後発白内障の原因

水晶体は水晶体嚢という透明な袋に包まれています。近年行われている白内障手術では、水晶体嚢の前面(前嚢)を円形に切開し、嚢の中身を超音波で破砕吸引し、残した嚢の中に眼内レンズを挿入します。術後しばらくすると、嚢の中に残っている水晶体の細胞が増殖して水晶体嚢を濁らせてしまい、進行すると視機能が低下します。これを後発白内障といい、術後5年で約20%の患者さんに発症するといわれています。点眼薬の使用や眼内レンズの形状を工夫することで進行を遅らせることが可能になってきましたが、現在のところ完全な予防法はありません。

引用:日本白内障学会
http://www.jscr.net/ippan/page-003.html

田中 民江 医師 (アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
後発白内障とは白内障手術後に出現する疾患です。白内障手術では、混濁した水晶体を除去し、その後に眼内レンズを挿入します。手術の時、水晶体を包んでいる袋(水晶体嚢)を残してその中に眼内レンズを入れるのですが手術後にその袋が濁ってくることが原因で後発白内障を発症します。白内障の手術を受けた人全員が発症するわけではありません。また白内障の手術後すぐに発症するわけではなく、数ヵ月から数年で発症する人が多く、発症頻度は1年で10%、5年で30%程度と言われていますが、実際に治療にあたっている中では、発症頻度はこのデータより少ないのではないかと感じます。また、使用する眼内レンズの種類などによっても発症頻度は変わってきます。後発白内障は、白内障の手術の際に水晶体嚢の内側にある水晶体上皮細胞という細胞が取りきれずに残ってしまった事が原因のひとつと言われています。最近は後発白内障が出にくいように眼内レンズも改良されてきています。特に発症しやすい年齢や男女比、目の形、眼精疲労の有無などの特徴などはなく、白内障の手術後に一定数の割合で起こる疾患です。

後発白内障の治療方法

後嚢が多少混濁しても視力に影響がなければ、そのまま放っておいて構いません。もし後発白内障のために見づらさを感じるようになれば治療が必要になります。後発白内障に対する治療は入院ではなく外来で行なうことができます。レーザーを使って後嚢を切開しますが、数分で終了し、痛みもありません。翌日にはもとの視力に回復します。

引用:太田綜合病院
https://www.ohta-hp.or.jp/n_etc/80med/dep/dep60/d60_11.htm

田中 民江 医師 (アイビー眼科院長)監修ドクターのコメント
後発白内障は白内障の手術後すぐに症状が現れるのではなく、数か月から数年して発症する疾患です。白内障の手術後にかすんだり、視力低下を感じた場合は早めに病院を受診し、検査を受けることをお勧めしています。加齢により視力が低下したと思い込み、見えにくくなった状況を我慢したり放置したりしている人もみかけますが、後発白内障の状態で長い期間放置することによって濁りは徐々に強くなってきます。濁りが強くなってくると、レーザーの回数も増え治療にも時間がかかります。レーザーの後は濁った水晶体嚢の破片が眼の中に飛び散るため、黒いものがしばらく飛んで見えることがあり、濁りが強いほど吸収されるのに時間がかかります。白内障の手術後に見えにくくなってきたなと感じたら、我慢せずに早めに来院してレーザー治療を行うことをお勧めします。日帰りでの治療が可能であり、入院する必要もありません。また白内障の手術後は「後発白内障になっていないか?」を確認するためにも、定期的に眼科で検診を受けることをお勧めしています。


この記事の監修ドクター

田中 民江 医師 (アイビー眼科院長)田中 民江 医師
アイビー眼科 院長

PROFILE

香川医科大学(現香川大学医学部)卒業後、広島大学眼科学教室に入局。その後いくつかの病院に勤務を経て、平成17年広島県廿日市にアイビー眼科を開業。地域のホームドクターとして患者様の立場にたった治療を提供。平成8年には日本眼科学会眼科専門医資格取得。日本眼科学会、日本眼科手術学会、日本角膜学会、日本白内障屈折手術矯正学会所属