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膠原病の症状・原因・治療方法 2018.04.17

膠原病(読み方:こうげんびょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
石田 博 医師 石田内科リウマチ科クリニック 院長

膠原病とは

 膠原病と聞くと難病のイメージが頭に浮かびますが、膠原病は種々の病気の総称で、病名・病態により症状・治療・病気の経過が異なります。
特徴としては、①発熱・体重減少などの全身症状を伴う。②複数の臓器が障害される。③再燃と寛解を繰り返す。④種々の自己抗体が証明され、免疫機構の異常が認められる。⑤家族的、遺伝的素因の存在などがあり、一口で説明すれば多臓器障害を示す全身性炎症性疾患ということになります。つまりいくつかの臓器障害症状と全身症状をあわせもった患者の場合、膠原病を疑うことになります。
引用:一般財団法人 太田綜合病院
https://www.ohta-hp.or.jp/n_etc/80med/dep/dep15/d15_02.htm

石田 博 医師 石田内科リウマチ科クリニック 院長監修ドクターのコメント
膠原病とは免疫力に異常をきたし、血管や、皮膚、関節、筋肉等、全身のあらゆる臓器に慢性的な炎症を引き起こす病気の総称です。特に中年の女性に好発する場合が多いです。しかし、若年や老年発症することもあります。膠原病にどのような病気があるかというと、現時点では下記の通りとなっております。
もともとこの病気の考え方は、アメリカの病理学者のクレンペラーが提唱したもので、次の6つでした。
・関節リウマチ(RA)
・全身性エリテマトーデス(SLE)
・全身性強皮症(SSc)
・多発性筋炎・皮膚筋炎
・結節性多発動脈炎
・リウマチ熱
ところが、最近ではRAが他の疾患に比して多いので、関節リウマチはそれ単独で呼称され、残りのSLE以下5疾患をさすことが多いです。さらに、病気の成り立ちや、症状が近い下記の膠原病類疾患も含めることも一般的になってきました。
・シェーグレン症候群
・混合性結合組織病
・抗リン脂質抗体症候群
・ベーチェット病
・アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)
・成人スティル病
・好酸球性筋膜炎
・大動脈炎症候群(高安動脈炎)
・ウェゲナー肉芽腫症
・側頭動脈炎
・悪性関節リウマチ
なお、膠原病の多くは、厚生労働省が特定疾患治療研究対象疾患 (いわゆる難病)に指定し、治療費を補助する疾患となっています。特定疾患の認定申請には、難病認定医の個人調査票(いわゆる診断書)が必要です。

 膠原病の症状

典型的な症状としては、発熱・全身倦怠感・関節症状・皮疹や紅斑・筋肉痛・レイノー現象(指趾末梢が冷感により白色・紫色・ピンク色に変化するもの)や、眼症状(ドライアイ・ぶどう膜炎など)・口腔症状(ドライマウス・口内炎など)があります。もちろん、全ての膠原病に共通して出現するものではありませんし、膠原病に限った症状でもありません。
引用:医療法人社団小川医院
http://www.nakanobu-ogawaiinn.com/collagen.html

石田 博 医師 石田内科リウマチ科クリニック 院長ドクターの解説
前兆なく、発熱や湿疹、関節痛等が出現します。発症は突然で、前兆はありません。関節痛や、手足の先が白くなる(レイノー現象)は、いろいろな膠原病の中でも共通する症状です。その他の症状に関しては、病気によってまちまちです。通常、痛み、しびれが伴うと考えていただいていいと思います。多くの患者さんは「つらい」とおっしゃいます。年内変動では、秋から冬にかけての期間に、我慢できなくなることが多いです。

膠原病の原因

免疫とは外から体の中に侵入する微生物などの異物を排除しようとする生体防御反応であり、リンパ球と呼ばれる細胞や異物と結合する抗体と呼ばれる蛋白質がその反応を担っています。免疫には自己と非自己(外からの侵入物)を厳密に区別して、自己とは反応しないような仕組みがありますが、何らかの原因(まだ解明されていない)によってこの仕組みが乱れて、自分自身を標的として免疫反応が起こってしまうことがあります。これを「自己免疫」と呼びます。膠原病患者の血液中には、自分自身の体の構成成分と反応してしまうリンパ球(自己反応性リンパ球)や抗体(自己抗体)が見つかり、このことが膠原病という病気を引き起こす原因になっていると考えられます。 このために膠原病は「自己免疫疾患」とも呼ばれます。
引用:京都大学医学部附属病院 免疫・膠原病内科
http://www.rheum.kuhp.kyoto-u.ac.jp/kougennbyou

石田 博 医師 石田内科リウマチ科クリニック 院長監修ドクターのコメント
原因は今のところ不明です。病気は基本的に、遺伝的な要素と、環境因子の合成であり、膠原病もその例外ではありません。早期発見、早期診断、早期治療が重要です。

膠原病の検査法

全身の診察により膠原病が疑われますと、次に血液検査を行います。一般の白血球数やCRP、赤沈などの炎症反応と呼ばれる検査でもある程度の診断は可能ですが、膠原病の確定診断には特殊な抗体検査が必要となってきます。
引用:医療法人 香川クリニック リウマチ・膠原病専門クリニック
http://kagawa-clinic.com/kogenbyo/

石田 博 医師 石田内科リウマチ科クリニック 院長監修ドクターのコメント
検査方法に関しては、尿検査やレントゲン検査もありますが、それらだけでは膠原病の特定は難しいです。確定診断には抗核抗体(パターンも含めて)が必要になってきます。さらに、確定診断には、それぞれの膠原病に特異的な、疾患特異的自己抗体(抗Scl-70k抗体、抗セントロメア抗体、抗DNA抗体、抗RNP抗体、抗Jo-1抗体、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体)、ANCA抗体などの検査が必須です。

膠原病の治療方法

膠原病の治療で大切なことは、異常な免疫反応と炎症反応を抑えることです。そのためステロイド剤や抗リウマチ薬など薬による治療法をはじめ、血漿交換療法や免疫吸着療法などの血液浄化療法、生物学的製剤による治療法など膠原病治療も大きく変貌しつつあります。
引用:湯川リウマチ内科クリニック
https://yukawa-clinic.jp/treatment/collagen/about.html

石田 博 医師 石田内科リウマチ科クリニック 院長監修ドクターのコメント
膠原病は、単一の疾患を表すものではなく、疾患群の総称なので、投薬に関しては、その病気がどのようなものかによりますが、おおむね多く使用するのはステロイドです。どんな薬にも副作用があるように、ステロイドにも副作用が出現する可能性はありますが、それ以上に治療の効果があるという確信がある場合に使用します。あとは、いわゆる免疫抑制剤が多いです。膠原病治療は、ここ30年で長足の進歩を遂げました。予後に関しては、病気にもよりますし、臓器がどの程度痛んでいるかにもよりますので、一概には言えません。症状が慢性的になっても、命にかかわる場合もあるし、そうでない場合もあります。生命予後は確実に改善しました。
もし、膠原病になった場合は、一般内科では解決できない可能性があるので、ぜひとも内科系膠原病専門医を受診されることをお勧めいたします。
日常生活に関しては、過労を避ける、紫外線を避ける、規則正しい生活をする、バランスのとれた食事をするといったことが大切だと思います。関節保護や保温も大切です。膠原病であるかは専門医を受診すれば、少なくともその時点でそうであるかないかははっきりします。少しでも気がかりであれば、お気軽に相談されることをお勧めします。


この記事の監修ドクター

PROFILE

●院長略歴
昭和31年8月 京都市右京区生まれ
昭和50年3月 洛星高等学校卒業
昭和57年3月 東京医科歯科大学医学部卒業
昭和57年6月 京都大学医学部付属病院 内科医員(研修医)
昭和58年6月 天理よろず相談所病院 内科医員
昭和60年4月 京都大学大学院医学研究科内科系(第二内科)入学
平成元年5月 同課程修了 医学博士授与(京大医博 甲1111号)
平成元年5月 米国DNAX研究所免疫部門 博士研究員
平成4年5月 和歌山赤十字病院(現在:日赤医療センター和歌山) 第三内科医員
平成6年4月 国立療養所宇多野病院 内科医長
平成16年4月 独立行政法人国立病院機構宇多野病院 統括診療部内科医長
平成17年4月 医療法人竜王会小澤病院 副院長
平成24年11月 石田内科リウマチ科クリニック開院
●所属学会
日本リウマチ学会(評議員)
日本内分泌学会(評議員)
日本内科学会日本糖尿病学会
日本免疫学会
日本臨床検査医学会
日本心血管内分泌学会
日本シェーグレン症候群学会 等
●資格
日本リウマチ学会専門医(1408号)指導医(803号)
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医(11715号)
日本内分泌学会専門医(1940031号)・指導医(3040564号)
日本リウマチ財団登録医(2604号)
日本医師会認定産業医(0701576号) 等
●学会・研究会役職
日本リウマチ学会評議員
日本内分泌学会評議員
比叡RAフォーラム幹事
GOLDカンファレンス世話人
免疫カンファレンス世話人
臨床免疫セミナー in Kyoto世話人
感染症サイトカイン研究会世話人