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尿路感染症の症状や原因、治療方法とは? 2018.06.29

尿路感染症(読み方:にょうろかんせんしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
平野圭 医師(平野医院 院長)

尿路感染症とは

尿路感染症とは尿の通り道にばい菌が入る病気を言います。ばい菌がはいった場所によって、腎盂腎炎(じんうじんえん)、膀胱炎(ぼうこうえん)、尿道炎などに分類します。
引用:長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/hinyokishikkan/nyorokansensho.html

平野圭 医師 平野医院 院長監修ドクターのコメント
尿路感染症は誰でもなりやすい、とても身近な病気です。年齢による差はなく、若い人から高齢者までどの人にもかかる可能性があります。大きな特徴としては、男女で比べると女性のほうがなりやすいことが挙げられます。その理由は、女性のほうが尿路感染症の原因となる大腸菌が発生しやすい肛門と尿道の距離が近いからです。尿路感染症の症状として膀胱炎になるのもやはり女性が多く、男性はほとんど膀胱炎にはなりません。男性が尿路感染症になる場合は、性交渉による感染が多く、症状も尿道炎になることが多いです。

尿路感染症の症状

膀胱炎では、尿をするときに尿道や膀胱に痛みを感じる(排尿痛)、尿をした後も尿が膀胱に残っている感じがする(残尿感)、尿が近い(頻尿)、尿が濁る(尿混濁:これは細菌が尿にたくさん存在するためではなく炎症のために出てきた白血球が多く存在するためのものです)といった症状がありますが、発熱はありません。炎症が非常に強く、膀胱がひどくただれているときには尿に血が混じることもあります(血尿)。
腎盂腎炎では、腎臓の部分(腎臓は背中側で背骨の左右にあります)の痛みと発熱があります。発熱は38℃以上の高いものがほとんどです。炎症がつよいとやはり血尿がみられることもあります。

引用:東京慈恵医会医科大学 泌尿器科
http://jikei-ur.umin.jp/clinic/disease09.html

平野圭 医師 平野医院 院長監修ドクターのコメント
排尿痛、頻尿、沁みる、残尿感といった自覚症状を感じたら、尿路感染症である確率が高いです。軽症のうちなら投薬で治るので、我慢をせず、早めに診察を受けることをおすすめします。ただ頻尿の場合、尿路感染症ではなく、過活動膀胱である可能性もあります。その場合は排尿痛や沁みたりといった症状があるかどうかが見極めのポイントになります。高齢者の場合、痛みのない頻尿の場合は尿路感染症ではなく過活動膀胱である場合が多いです。尿路感染症のなかでも、血尿が出るのは重症のサインです。一見、血尿が出ていないように見えても検査をすると血尿になっている場合もあります。放っておくと腎盂炎になるので、やはり早めの治療がおすすめです。

尿路感染症の原因

尿路感染症を引き起こす原因菌として、もっとも多いのが大腸菌です。男性の尿道が16~20cmあるのに比べて、女性の尿道は長さが3~4cmほどしかありません。しかも、尿道口が肛門近くにあります。日頃から肛門付近の大腸菌が尿道口から侵入しやすい環境にあるので、男性に比べると感染を引き起こしやすくなるというわけです。

ただし、人間の体には自浄作用が備わっているので、大腸菌をはじめとした細菌が尿道口に付着すると必ず尿路感染症を起こすわけではありません。感染リスクが高まるのは、抵抗力の低下しているときです。
引用:まるはし女性応援クリニック
http://www.marugyne.com/uti/

平野圭 医師 平野医院 院長監修ドクターのコメント
尿路感染症の原因は大腸菌や、尿道の近くにある雑菌です。不衛生にしていたり、汚い手で触ったりすることで雑菌が増え、感染しやすくなります。女性の場合、生理中はどうしても下着の中がムレたり不衛生になって雑菌が繁殖しやすくなるので、ナプキンをこまめに取り替えるなどして、雑菌が発生しないように気をつけましょう。他にも、身体を冷やすのも感染しやすくなります。そのため冬に発症することが多いですが、夏も冷房の効いた環境にいる人と、やはり身体が冷えて発症しやすくなります。ガードルなど締め付けの強い下着や通気性の悪い下着も雑菌が繁殖しやいので注意が必要です。普段からまめに手を洗う習慣をつけ、清潔を心がけるのも、尿路感染症の予防に役立ちます。

尿路感染症の検査法

・尿検査
・ときに尿培養
培養による診断は常に必要というわけではない。培養を行う場合のUTIの診断では,適切に採取した尿検体で有意の細菌尿を確認する必要がある。

引用:MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/03-泌尿器疾患/尿路感染症-(uti)/細菌性尿路感染症

尿路感染症の治療方法

細菌を殺す抗菌薬が投与されます。腎盂腎炎で症状が強い場合には入院をしていただき点滴の抗菌薬を投与しますが、それ以外でしたら飲み薬で治療します。治療期間は膀胱炎で3日間、腎盂腎炎で7~14日間といったところです。治療が奏功すると症状は3日ほどでよくなりますが、渡されたお薬はすべて飲み切るようにしましょう。症状がよくなり途中でお薬を飲むことをやめてしまうと細菌が生き残りやすくなり、再発してしまうことがあるからです。

引用:東京慈恵医会医科大学 泌尿器科
http://jikei-ur.umin.jp/clinic/disease09.html

住み着いた細菌を尿で流しだすことを目的として水分をたくさんとっていただきます。また、尿を我慢して膀胱にたくさんの尿が溜まっていますと、細菌はその尿の中で増えやすくなりますので、尿は我慢せずに頻繁にだしていただきます。腎盂腎炎では炎症を抑えるとともに細菌の増殖と炎症を抑えることを目的として腎臓のある部分を氷枕で冷やすことも大切です。

引用:東京慈恵医会医科大学 泌尿器科
http://jikei-ur.umin.jp/clinic/disease09.html

平野圭 医師 平野医院 院長監修ドクターのコメント
大腸菌や雑菌の繁殖を防ぐことが尿路感染症の一番の予防法です。手や下着を清潔に保つのはもちろんですが、日常生活のちょっとした習慣が感染の原因になっていることもあります。例えば女性に意外と多いのが、お小水の後トイレットペーパーで拭き取る時に、方向を間違っている方がいます。肛門側(後ろ)から尿道(前)に向かって拭いてしまうと、大腸菌が尿道についてしまい、感染するリスクが高くなります。トイレットペーパーで拭くときは、前から後ろに向かって拭くことを心がけてください。大腸菌が残っていると感染しやすくなるので、トイレットペーパーだけでなくシャワートイレを使って清潔に保ち、菌が残らないようにしましょう。性交渉によって感染することも多いので、自分だけでなくパートナーにも注意が必要です。不潔な手で触ると雑菌が尿道につき、かかりやすくなります。手を清潔にすることはもちろんですが、性交後は早めにシャワーを浴びたり身体を洗うなどして雑菌を洗い流すと良いでしょう。排尿をすることも尿道に入りかけていた雑菌を洗い流すことができるので予防につながります。ビデなどを利用するのもいいでしょう。一度でも尿路感染症にかかった事があると、排尿を少なくするために水分を控える人がいますが、これは逆効果です。排尿すると雑菌も尿と一緒に排出されるので、むしろ小まめに水分を摂って排尿することが予防につながります。女性は特に冷えている時、生理中にかかりやすいので気をつけましょう。


この記事の監修ドクター

平野圭 医師 平野医院 院長平野圭 医師(平野医院 院長)

PROFILE

東京都八王子市出身。渋谷大学医学部を卒業後、渋谷大学渋谷病院、国立病院機構横浜渋谷センターでの勤務を経て、2005年7月に地元である八王子市にてサンプルクリニックを開業。2011年には博士号を取得し、母校・渋谷大学医学部での非常勤講師も務める。「患者さんは自分の家族だと思って診察する」をモットーに、真心を込めた治療を信念としている。厚生労働省臨床修練指導医、日本眼科学会眼科専門医、身体障害者福祉法指定医、産業医、医学博士。