更年期障害の症状や原因、治療方法とは?
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更年期障害の症状や原因、治療方法とは? 2018.07.19

更年期障害(読み:こうねんきしょうがい)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
春名 令子 医師(はるなクリニック副院長)

更年期障害とは

閉経とは卵巣の活動性が次第に低下し、ついに月経が永久に停止することを言います。一般的には12ヵ月以上月経が来ないと閉経としています。
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく早い人で40歳台前半、遅い人で50歳台後半に閉経を迎えます。
閉経前後の5年間を更年期と呼び、この期間に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを更年期症状と呼び、その中でも症状が重く日常生活に支障を来すものを更年期障害と呼びます。
更年期障害の主な原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)の低下で、これに年齢に伴う体の変化と精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子が複合的に影響することで症状が出ると考えられています。

引用:日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kounenki.html

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
女性は誰でも加齢とともにエストロゲンが減少しますが、全員が更年期障害を起こすわけではありませんし、軽い症状だけで乗り切れる人もいます。女性の体は、閉経後にエストロゲンがゼロになるわけではありません。卵巣のかわりに副腎が女性ホルモンを作り出すのです。しかし、この切り替わりがスムーズにできなかった場合、更年期障害に悩まされると考えられます。上手く移行して更年期障害を予防、あるいは軽度で抑えるためには、副腎を疲れさせない生活を送ることが大切です。適度な休養、睡眠をとり、体のリズムを崩さない生活を心がけましょう。

更年期障害の症状

更年期障害の症状は大きく分けて3つに分類されます。
①自律神経失調症状:のぼせ、汗、寒気、冷え症、動悸、胸痛、息苦しさ、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい
②精神症状:イライラや怒りっぽいなどの情緒不安定、抑うつ気分
③その他の症状:腰痛や関節痛、嘔気や食欲不振、皮膚の乾燥感やかゆみ、尿が近く外陰部の不快感
多彩な症状がみられますが、これらが他の病気の症状ではないことが条件になります。

引用:日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kounenki.html

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
女性の更年期障害の代表的な症状は、のぼせ、ほてり、イライラ感です。症状は、これまで無理をしたりストレスを溜めたりしたことへの反動と考えられます。仕事や家庭のことなど、やらなければならないことの他に、自分の好きなこと、やりたかったことをやってみてはいかがでしょうか。なかなか気持ちにゆとりが持てない人は、温泉やカラオケで休養やストレス発散するなど、具体的に行動に移すといいでしょう。更年期障害が始まると、体が変化に適応しようするので症状は次第に楽になっていきますが、体が馴染むまでの期間は個人差があり、早くても数年はかかるケースが一般的です。

更年期障害の原因

更年期を迎えると卵巣機能は低下する為、若い時と同様にエストロゲンを分泌できなくなります。
そのことによってホルモンバランスが保てなくなり、起きる体の症状が更年期症状です。
女性ホルモンは、脳の視床下部からの司令により卵巣から分泌されます。視床下部はさまざまなホルモンの分泌をコントロールするとともに、体温調節や呼吸、消化機能の調節、精神活動などを司る自律神経のコントロールセンター。ところが、卵巣の機能が衰えると、脳がいくら「ホルモンを出せ」と指令を出しても分泌されません。すると、脳がパニックを起こして通常の何倍もの指令を出すために、異常な発汗、イライラ、めまいなどの症状があらわれるのです。

引用:大塚製薬 更年期ラボ
https://ko-nenkilab.jp/menopause/about05.html

更年期障害の検査法

医師は問診票の回答を参考にしながら、いろいろな質問をし、必要があれば内診(膣とお腹の上から子宮、卵巣の状態を触診する)や超音波検査(子宮や卵巣の状態を観察する)、骨量測定(骨粗鬆層の有無を確認する)、血液検査(女性ホルモンの血中濃度を検査する)、細胞検査(子宮がんの検査をする)、乳房検査(乳がんの検査をする)などを行います。
 もし、人間ドックの結果や1か月分の基礎体温表があれば、参考になるので持参するとよいでしょう。診察及び検査後に診断がついた場合は、およそ1か月おきに通院し、経過を観察することが多いようです。必要があれば薬を処方し、生活指導を行います。

引用:キッコーマンニュートリケアジャパン
http://www.kagayaki-project.jp/features/2014/02.html

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
血液検査に加えて、黄体ホルモンが急激に下がった影響で生理が止まっているかどうかも問診で確認します。血液検査でホルモンに異常がない場合は、一般的な自律神経失調症や、生理前なら月経前症候群の可能性もあるでしょう。更年期障害を疑う場合は婦人科の受診が一般的ですが、婦人科ではホルモン治療が原則です。ホルモン治療以外の治療を受けたい人は、漢方外来を受診してみてください。

更年期障害の治療方法

■ 薬物療法
◎ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)
卵巣機能の低下のために不足するエストロゲンを、お薬で補う治療法です。のぼせ、発汗などの症状の改善を目的として、エストロゲン製剤の単独療法や、黄体ホルモン(プロゲスチン)製剤の併用が用いられます。
◎漢方療法
漢方療法の基本的な考え方は、心身のバランスを整えることにより、さまざまな症状を改善することです。更年期障害は原因や症状が多様であり、いろいろな要因が複合しておこります。症状の緩和を目的として当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが用いられます。
◎その他の薬物療法
症状に応じて抗うつ薬、向精神薬などが用いられます。
■ カウンセリング・心理療法
多くの場合、加齢にともなう身体的変化、精神・心理的因子、家庭や職場・地域などの社会的因子が複合的に影響することで症状があらわれます。このため、適切な薬物療法とともにカウンセリングや心理療法が必要になる場合があります。
■ 食事療法
バランスのとれた食事をとること、野菜・果物から必要な量のビタミン類をとることが大切です。また、大豆イソフラボンの含まれた食品も積極的にとりましょう。
■ 運動療法
定期的な運動も大切です。運動は、ストレス解消に効果的であり、気持ちを前向きにする効果があります。

引用:持田製薬 ワタシのカラダ相談室
http://www.mochida.co.jp/woman/disease/menopause/

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
ホルモン治療は、更年期障害の症状を緩和できますが、乳がんや子宮がんのリスクが高まることがデメリットで、副作用が重い人もいます。ホルモン治療を避けたい場合は漢方療法を検討してみてください。代表的な漢方は加味逍遥散や桂枝茯苓丸ですが、誰にでも同じように効果が出るわけではありません。漢方外来に行けば、患者さん一人ひとりの体質や症状に合わせて最適な漢方を処方してもらえます。漢方を使うと、のぼせやほてりが大幅に改善したり、ホルモン治療の副作用を軽減させたりといった効果が期待できます。このほか、更年期障害で血圧が上がっている人には血圧コントロールも必要になる場合もあります。


この記事の監修ドクター

春名令子 医師 はるなクリニック副院長春名令子 医師
はるなクリニック 副院長

PROFILE

1987年、関西医科大学卒業。大阪府立病院小児科、大阪府門真保健所、神戸市北保健所、大阪市・神戸市非常勤医師を経て、2000年1月より現職。子供のアトピーをきっかけに東洋医学を勉強し、日本東洋医学会漢方専門医を取得。