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乳腺線維腺腫の症状・原因・治療方法とは? 2018.06.29

乳腺線維腺腫(読み方:にゅうせんせんいせんしゅ)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
川口正春 医師(せやクリニック 院長)

乳腺線維腺腫とは

線維腺腫は結合織性および上皮性混合腫瘍の一つで、25歳以下の女性においては最も多い良性疾患です。腫瘤を自覚する場合もありますが、自覚症状はなく乳がん超音波検査で指摘されることも多いです。
マンモグラフィでは境界明瞭な類円形あるいは分葉状の腫瘤として描出されますが、腫瘤として指摘されない場合も多いです。また、超音波では境界明瞭な類円形あるいは分葉状の低または等エコー腫瘤像を呈します。

引用:AIC八重洲クリニック
http://breast-imaging.mri-mri.com/02knowledge/06_nyusensenisenshu.html

川口正春 医師 せやクリニック 院長監修ドクターのコメント
若い女性に多くできる乳腺のできものの一種で、主な症状としては、乳房にしこりができます。がんとは別ものであり、乳腺線維腺腫からがんになる確率は非常に低くまれです。特に、組織検査を受けて乳腺線維腺腫だと正式に診断された場合、そのしこりががんになることはほとんどありません。しこりが2cm以下の小さいものの場合は、基本的に治療の必要はありません。ただし組織学的な確定診断がない場合、乳腺線維腺腫に類似したしこりとして認められる、葉状腫瘍という別の病気の可能性もあります。葉状腫瘍だった場合は治療法が異なりますので、しこりが気になる人は放置せず、医師の診断を受けるようにしましょう。

乳腺線維腺腫の症状

・自覚症状は無い
・まれに腫瘤(しこり)を自覚する場合がある

引用:AIC八重洲クリニック
http://breast-imaging.mri-mri.com/02knowledge/06_nyusensenisenshu.html

川口正春 医師 せやクリニック 院長監修ドクターのコメント
乳腺線維腺腫の多くは痛みなどの症状はなく、検診などで見つけ出されますが、乳房のしこりになって現れる場合も多いです。しこりの多くは2cm以下の小さいもので、年月とともに小さくなったり消えていくものがほとんどなので、そのまま放置しておいても問題ありません。ただし中には大きくなるものもあり、人によっては握りこぶしほどの大きさにまでなる場合もあります。 そうなると見た目にも影響するので、気にする人は切除をする場合もありますが、すべてのケースではありません。良性のしこりで境界もはっきりしており、触ると動くのが特徴です。

乳腺線維腺腫の原因

思春期以降に発症することが多いので、卵巣ホルモンが何らかの発症原因になっていると考えられてます。

引用:川崎市立 井田病院
http://www.city.kawasaki.jp/33/cmsfiles/contents/0000037/37855/ida/shinryou/nyuusen/nyuusensymptom.html

川口正春 医師 せやクリニック 院長監修ドクターのコメント
原因ははっきりしておらず、良性のできものの一種ととらえてよいでしょう。乳房はがん以外にも良性のできものが出来やすく、症状もさまざまです。病名が分からないと不安になりますが、乳腺線維腺腫は命に関わる病気ではありません。一時的に痛みや目立つ症状があっても、年月とともに目立たなくなるので発症しても数年放置している人もいます。悪性腫瘍ではなく、乳癌になる可能性もほとんどありません。そのため多くは手術を行なわず、経過観察のみで特に治療もおこないません。

乳腺線維腺腫の検査法

しこりには痛みがなく可動性で、乳房自己検診のときに触れると、周囲の組織と明瞭な境界が感じられます。このような特徴をもつしこりはがんである可能性が低いことを医師に示唆します。それでも悪性(がん)ではないことを確認するために、通常はしこりの一部または全体を切除し、顕微鏡で検査します(生検)。局所麻酔をかけて行います。

引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/22-女性の健康上の問題/乳房の病気/乳房の線維腺腫

乳腺線維腺腫の治療方法

線維腺腫は癌化することはないので、基本的には経過観察のみで構いません。
切除の対象になるのは、明らかに美容上の問題となるほど大きくなったものや、発育が比較的早い巨大線維腺腫と呼ばれるもので、頻度は高くありません。

引用:川崎市立 井田病院
http://www.city.kawasaki.jp/33/cmsfiles/contents/0000037/37855/ida/shinryou/nyuusen/nyuusensymptom.html

川口正春 医師 せやクリニック 院長監修ドクターのコメント
乳腺線維腺腫は年月が経てば小さくなったり消滅する場合もあるので、小さいしこりならそのままにしておいて問題ありません。ただし個人差があり、人によってはこぶし大の大きさになる人もおり、その違いは経過観察によって判断されます。あまり大きくなると乳房の形が変わってしまうので、見た目を気にする人のなかには切除手術を受ける人もいます。乳腺という名前がついているので乳腺症と混同する人も多いですが、別の病気であり、症状も異なります。また、乳腺炎は授乳中の女性が主にかかる病気で乳腺に炎症が起こりますが、乳腺線維腺腫は授乳中ではない女性にもでき、痛みや炎症はありません。
患者さんのなかで意外に多いのが、乳腺線維腺腫のしこりを乳がんだと思い込み、診断を恐がってなかなか来院しないというケースです。かなり長い期間ひとりで悩み、思い詰めて来院してみたら乳腺線維腺腫だったという人は多く、「こんな事ならもっと早く来ればよかった」と皆さんおっしゃいます。万一、乳がんだった場合は早期発見・早期治療で大きく差が出ますし、乳腺線維腺腫だと早くわかれば、悩む必要もなくなります。気になるしこりができたら一人で悩まず、早めに専門医の診察を受けてみてください。


この記事の監修ドクター

川口正春 医師 せやクリニック 院長川口正春 医師
せやクリニック 院長

PROFILE

1995年3月 東海大学医学部医学科卒業。同4月 慶應義塾大学医学部外科学教室入局。1996年5月 日野市立総合病院出向。1997年5月 平塚市民病院出向。1998年5月 慶應義塾大学医学部外科学教室助手 乳腺班に所属。2001年5月 静岡市立清水病院 外科医長。2006年5月 川崎市立井田病院 外科医長。2009年4月 せやクリニック勤務。元・乳腺専門医。日本外科学会専門医 日本消化器病学会専門医 日本がん治療認定医機構暫定教育医。