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消化管アレルギーの症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

消化管アレルギー(読み方:しょうかかんあれるぎー)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
時枝 啓介 医師 ときえだ小児科クリニック 院長

消化管アレルギーとは

特定の食物を摂取することによって、アレルギー反応に由来する種々の消化器症状、全身症状が起こる病気です。
消化管アレルギーには、即時型アレルギーと遅延型アレルギーの仕組みで起こる複数の病態が含まれています。

引用:三光クリニック
http://sanko-clinic.com/files/QA消化管アレルギー.pdf

時枝 啓介 医師 ときえだ小児科クリニック 院長ドクターの解説

頻度から考えて、新生児・乳児消化管アレルギーに関しての解説をします。1歳未満に発症してくる消化器症状を主とした食物アレルギーを乳児消化管アレルギーといいます。

新生児から乳児期において発症します。主に牛乳(ミルク、人工乳)が原因で、嘔吐や、血便、下痢などの消化器症状が見られます。他の食物アレルギーのように皮膚症状(じんましん等)や呼吸器症状(喘息発作)を伴うことはありません。発見が遅れると体重増加不良や栄養障害をきたしてしまいます。まれに 母乳が原因となる場合もあります。

消化管アレルギーの症状

症状は、嘔吐や下痢、血便、腹満などの消化管症状であり、蕁麻疹やアナフィラキシー、呼吸器症状はみられない。重症の場合は、発熱や高度のCRP上昇を伴い、重症感染症(敗血症)との区別が難しい。

引用:静岡県立こども病院 免疫アレルギー科「こどものアレルギー」
http://www.child-allergy.jp/gifa/gifa.html

時枝 啓介 医師 ときえだ小児科クリニック 院長ドクターの解説
主な症状は、嘔吐、血便、下痢などの消化器症状です。乳児にミルクをあげている限り、下痢が長期に続き、その結果体重がなかなか増えないといったことがあります。特徴的な症状はなく、血便などが見られない軽症例では症状のみからの診断は難しいです。新生児期~乳児期早期の下痢症状では、この病気の可能性を念頭に置いておく必要があると考えます。母乳が原因で起こることもあるので注意が必要です。

消化管アレルギーの原因

ほとんどが蛋白質を含む食品を摂取することにより起こります。牛乳、鶏卵、小麦、魚介類、 大豆などが主要な原因食品です。
乳幼児では消化管の機能や構造が成人に比べて未熟なため、成人よりも高頻度に発症します。

引用:三光クリニック
http://sanko-clinic.com/files/QA消化管アレルギー.pdf

消化管アレルギーの検査法

アレルギー検査では、IgE抗体は通常、陰性であり、アレルゲン特異的リンパ球刺激試験(ALST)が陽性となることが特徴である。そのほかの血液検査の特徴として、末梢血好酸球上昇がみられるが、新生児期に限られた一過性の現象であり、好酸球が上昇していた患者はむしろ治りやすい。

引用:静岡県立こども病院 免疫アレルギー科「こどものアレルギー」
http://www.child-allergy.jp/gifa/gifa.html

時枝 啓介 医師 ときえだ小児科クリニック 院長ドクターの解説
ほとんどの場合、牛乳(ミルク、人工乳)が原因です。母乳が原因になることもあると言われています。普通の食物アレルギーの場合、特異的IgE抗体が陽性になるので、検査をするとすぐにわかりますが、この消化管アレルギーでは特異的IgE抗体が陰性になることも多く、検査で診断が難しい病気です。現在、好酸球性のアレルギー反応と言われています。

一番確実な診断方法は、食物除去及び食物負荷試験です。まず、原因である牛乳(ミルク、人工乳)を2週間程度除去します。除去の間は治療用特殊ミルク(牛乳たんぱく除去ミルク)や大豆乳を使用します。この病気の場合、数日で症状が消失します。確認のため、再度元のミルクに戻して症状再燃すれば、確定診断できます。

この病気を見逃さないためには、新生児期~乳児期早期の長引く下痢症状を見た場合に、「新生児・乳児消化管アレルギー」の可能性を考えることがすべてであるといっても過言ではありません。

消化管アレルギーの治療方法

原因食物の除去
牛乳が原因の場合は高度加水分解乳やアミノ酸調整乳が使用される

引用:日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会「食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版」
http://www.jspaci.jp/allergy_2016/chap12.html

時枝 啓介 医師 ときえだ小児科クリニック 院長ドクターの解説
治療方法としては、原因物質(牛乳、ミルク、人工乳)を除去することです。人工乳の代用として加水分解乳を使用する場合、中等度加水分解乳では反応する場合があるため、高度加水分解乳かアミノ酸乳に変更します。大豆乳は除去試験の時の代用乳としては適していますが、継続使用すると大豆乳にも反応が引き起こされる場合があるため、長期使用には向かないと考えます。成分栄養剤を使用する場合は、微量元素(Cu、Mn、Zn、カルニチン等)不足にならないよう注意が必要です。この疾患の場合、生後1年ぐらいで9割前後は症状が改善します。

いつまでも下痢が続いたり、体重が思ったより増えなかったり、といったことが続いている場合は、消化管アレルギーを疑い検査することが必要です。そのため、速やかにアレルギーを専門とする小児科を受診することが望ましいです。

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