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胆道閉鎖症の症状・原因・治療方法について 2018.06.29

胆道閉鎖症(読み方:たんどうへいさしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長

胆道閉鎖症とは

胆道閉鎖症は、新生児および乳児期早期に発症する病気で、肝臓でつくる胆汁という消化液を十二指腸へ流すための通り道である胆管が、閉塞、破壊または消失するために、肝臓から腸へ胆汁を出せない病気です。
引用:日本胆道閉鎖症研究会
http://jbas.net/biliary-atresia/

大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長監修ドクターのコメント
一般的に早いと生後1か月ぐらいから、遅くとも数か月以内に発症する病気です。7,000~10,000人に1人がかかる稀な病気で、女の子のほうが男の子の2倍近く多く発症すると言われています。

胆道閉鎖症の症状

胆道閉鎖症の主な3つの症状は生後14日経過しても続いている黄疸(皮膚や目の白目の部分の黄染)、便色異常(薄い黄色からクリーム色)、濃黄色尿です。
引用:日本胆道閉鎖症研究会
http://jbas.net/biliary-atresia/

大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長ドクターの解説
生まれて数か月以内の赤ちゃんの皮膚や目の白目の部分が黄色っぽくなる、いわゆる黄疸と言われる症状が出てきます。また便の色が、灰色から白っぽい色、あるいはクリーム色、レモン色っぽいこともあります。他に、かなり濃い色の尿が続きます。さらに症状が進むと、お腹の右の上の部分、いわゆる肝臓のあたりが硬く膨れてくるようなケースもあります。現在母子手帳には、胆道閉鎖症をチェックするための便色カードというものが掲載されており、その中の1番から3番に近い色の便が続く場合、この病気の可能性があるので、速やかに医療機関を受診することが望ましいです。

胆道閉鎖症の原因

病気の原因は未だにわかっていませんが,お母さんの胎内で一度作られた胆管が,なんらかの炎症により閉塞するものが多いといわれています.
引用:日本小児外科学会
http://www.jsps.gr.jp/general/disease/hbp/gpt57x

大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長監修ドクターのコメント
原因に関しては諸説あるのですが、今のところはっきりとしたことはわかっておりません。

胆道閉鎖症の検査法

検査は血液検査、尿検査といった一般的な検査の他に腹部超音波検査、十二指腸液検査などを必要に応じて組み合わせて実施します。これらの結果から胆道閉鎖症を否定できない場合に、開腹手術を行い、直接胆道閉鎖の有無を確認します。
引用:日本胆道閉鎖症研究会
http://jbas.net/biliary-atresia/

大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長監修ドクターのコメント
検査に関しては、簡単に行えるものには血液検査や尿検査があります。他に腹部超音波検査、特殊な検査として十二指腸液検査があります。この症状が疑われた場合、速やかに検査する必要があるので、できる限り早く医療機関を受診してください。

胆道閉鎖症の治療方法

手術法には胆管の閉塞部を取り除いて胆汁の流出をはかる方法と肝臓自体を取り替える肝移植術がありますが,まず患者さんの胆汁流出をはかる方法を行うのが一般的です。この病気の胆管閉塞にはいろいろなタイプがあり,肝臓からの胆汁の出口となっている胆管(肝管)が十分開いているような場合は,これと腸管とを吻合する手術(肝管腸吻合術)が行われます.しかし,多くの場合には肝臓からの出口で胆管が既に閉塞しているので,肝臓の外の胆管をすべて取り除き,肝臓側の断端を腸管で被うように,肝臓そのものと腸管とを吻合する方法(肝門部腸吻合術または葛西手術)が行われます。腸管を用いて胆汁の流れ道を作る方法を胆道再建と呼びます。手術後肝臓の中の胆管に細菌感染が生じることによる上行性胆管炎という合併症を防ぐ目的で,施設によりいろいろな手術方法が工夫されています。
引用:日本胆道閉鎖症研究会
http://jbas.net/biliary-atresia/

大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長監修ドクターのコメント
あとで補助的に内服薬を使ったりすることもありますが、基本的に胆管が詰まってしまった場合は、閉塞部を取り除いて胆汁を流れるようにするために、手術は必ず必要になります。ある程度早い段階で診断がつけば、胆汁の流出をはかるため肝管腸吻合術(胆管と腸管とを吻合する手術)を行います。もしこれが行えれば、生命予後はある程度確立されます。初回の手術をして黄疸が消えてくれば、60%程度の人は助かると言われています。
診断から手術まで遅れてしまうと、予後もかなり変わってきてしまいますので、できるだけ早く手術されることが望ましいです。
また、手術後も最終的に肝硬変が進む場合が多く、その場合肝臓の機能が落ちてしまいますので、最近ではさらに肝移植を行うことが多いです。もし肝移植が成功すれば、長期予後もかなり良好になってきます。
もし、お子さんに胆道閉塞症のような症状が見受けられた場合は、お近くのかかりつけ医等に速やかに受診してください。


この記事の監修ドクター

大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長大木丈弘 医師 おおきこどもクリニック 院長

PROFILE

●経歴
1996年 群馬大学医学部卒業後、自治医科大学小児科学に入局。NICU(新生児特定集中治療室)や県内の小児科勤務を通じて、小児循環器・アレルギー科診療に従事
2005年 自治医科大学大学院医学研究科博士課程修了
2006年 「宇都宮社会保険病院」小児科部長
2009年 「おおきこどもクリニック」開院
●所属学会・認定医など
自治医科大学 医学博士
日本アレルギー学会
日本小児科学会 専門医
日本小児循環器学会
日本小児アレルギー学会
日本外来小児科学会