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子供が歯の痛みを訴えてきたとき――その原因と正しい対処方法

「歯が痛い」という子供の訴えに、どう対処すればよいのかと親御さんが迷うことも少なくないはず。子供の感じる痛みは、虫歯によるものがほとんどです。しかし、全てがそうだと断言することもできません。子供が虫歯になりやすいのは事実ですが、歯痛にはさまざまな原因が考えられるからです。

子供の歯痛の原因や対処方法について、親御さんが迷ってしまうのも不思議な話ではありません。ここでは、子供の歯の痛みの原因とその対処方法について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:荒井 千鶴 歯科医師(ポニー小児歯科クリニック 院長)


 

「歯が痛い」との子供の訴え――虫歯以外の原因

お口の中に何か違和感があったり、少しばかりの痛みを感じたりしたとき、子供たちは「歯が痛い、虫歯かもしれない」と親御さんに訴えます。普段から、「ちゃんと磨かないと虫歯になって、歯が痛くなるよ」と教えられてきただけに、「この痛みは虫歯だ」と子供が思ってしまうのも不思議ではありません。しかし実は、歯の痛みにはさまざまな原因が挙げられるのです。

子供は、どの場所がどのように痛いのかを適切に語る術を持ちません。だからこそ、親御さんが子供の口の中をしっかり確かめてあげることが大事になります。お口の中を見たうえで、その原因を決めつけず、なるべく早期に歯科医院を受診してください。ここではまず、子供の歯痛の原因のうち、虫歯以外の可能性についてご紹介しましょう。


 

口内炎による痛み

子供が歯の痛みを訴えている場合でも、その痛みの原因が実は口内炎にあった――こうした例は枚挙にいとまがありません。成人でも口内炎の痛みに悩まされるのですから、子供にとってはなおさら。その痛みを歯の痛みと勘違いすることも不思議ではないのです。歯の痛みの原因を探るため、お口の中を確認する際に、口内炎の有無を確かめる必要があるのはこうした理由からです。


 

中耳炎による痛み

中耳炎にかかると、頬や耳の付近に痛みを感じるようになります。この痛みを歯の痛みだと勘違いするのも、子供ならでは。頬や耳の付近が痛んでいるようだとわかれば、発熱の有無も確かめて早期に受診するようにしてください。中耳炎による痛みの場合は、耳の下や後ろを冷やすといった応急処置で効果が期待できます。


 

知覚過敏による痛み

知覚過敏というのは、エナメル質が傷つき、象牙質の一部がむき出しになったことで、食べ物や飲み物でキーンといった痛みを覚えること。年齢を重ねてからの症状だと思いがちですが、実は、年齢に関わりなく起こり得るものです。成長過程にある子供の歯は、まだエナメル質が弱い状態。そのため、知覚過敏を起こしやすいのが実際なのです。

知覚過敏による痛みを避けるためにも、歯をあまり強くブラッシングしない、酸の強い食べ物や飲み物を摂らない、歯ぎしりをやめさせるといった工夫が必要になります。子供の場合はあくまでも一時的なものですが、食べ物の熱さ、冷たさを避けてみてください。


 

歯の生え変わりによる痛み

歯痛のうち、子供特有のものが、乳歯から永久歯への生え変わりによる痛みです。乳歯がグラグラしたり、下から押し出す永久歯に神経が圧迫されたり、抜けかけの乳歯の周りの歯茎が炎症を起こしたり。こういった痛みは、子供にとっては大きなものになるでしょう。

これは歯が抜けてしまえば解消される痛みではありますが、歯が動き出してもなかなか抜けない、我慢できないほどの痛みがあるといった場合は、小児歯科医に相談しましょう。


 

歯が折れたり取れたりすることによる痛み

子供は思いがけない怪我をするもの。転倒などがきっかけで顔面を強く打ち、歯が欠けたり、取れたりすることも少なくありません。こうした歯の欠けが歯髄に達すれば、歯痛が起こります。ひどく痛む場合は、鎮痛剤を服用したり頬を冷やしたりるすなどの応急処置が必要です。

また、なるべく早期に歯科医院を受診しましょう。痛みがない場合でも、歯が欠けたらすぐに歯科医院に足を運んでください。虫歯や細菌感染を防ぐためにも、ぜひ覚えていただきたい事柄です。


 

「歯が痛い」との子供の訴え――虫歯が原因の場合

歯痛と言えば、虫歯と考えるのが一般的です。実際に、歯の痛みの原因の一位に輝くのが虫歯であることは間違いありません。ここでは、虫歯を発症する原因から、歯痛のメカニズムなどを確認していきましょう。


 

虫歯を発症する条件

虫歯を発症するのは、歯質の強さ、ミュータンス菌、糖質の3つが一定の条件を満たしたときだと言われています。虫歯菌は、食べ物に含まれる糖分を栄養として活発に働き、プラークを形成します。そのプラークに菌が増殖し、酸を排出することに。その酸で歯が溶ける感染症が虫歯なのです。

この3つの条件と、食後に歯を磨くまでの時間という要素がそろって、虫歯が発症することになります。虫歯の最初はエナメル質に穴が開き、次いで象牙質・神経・根の順に進行していきます。


 

歯痛のメカニズム

歯の主体である象牙質や、歯の神経(歯髄)に刺激が伝わったとき、歯痛が起こります。酸によって最初に溶け出すのが、歯の表面を覆うエナメル質ですが、ここには神経が通っていません。そのため、エナメル質に刺激を加えても、歯痛は起こらないのです。

しかし、エナメル質の次に、象牙質の一部がむき出しになると、痛みが起こり始めます。これは、象牙質の中にある象牙細管を通って、刺激が歯の神経に伝わるからです。この象牙質に大きな穴が開いてしまったり、歯が欠けたりすると、歯の刺激は神経に直接伝わるように。この結果、眠りにつくのも難しいほどの痛みを感じることになります。

成人の歯に比べて脂質が弱い子供の歯は、虫歯菌と糖質が歯に付着すると、すぐに虫歯になりかねません。そのことに留意して、歯磨きを行っていく必要があります。


 

虫歯の痛みへの対処方法

子供が虫歯で歯が痛むと言う場合は、虫歯はすでに進行している状態です。歯がしみたり、痛んだりするのは、虫歯が進行しているというサイン。それ以上進行させないためにも、早急に歯科医院を受診しなければなりません。初期虫歯の場合は、治療期間も短くてすみますし、痛みもさほどありません。

虫歯が自然に治癒することはないということを理解したうえで、受診することが重要です。ここでは、子供の虫歯の特性や虫歯になりやすい歯、早期の受診が必要な理由を確かめていきます。


 

子供の虫歯の特性

子供の歯は、成人の歯と比較すると、カルシウム分が少なくエナメル質や象牙質が未成熟といった特性があります。このため、虫歯になりやすく進行しやすいというのが子供の特徴。小さな虫歯を少し放置していただけでも、短期間で進行し、大きな穴が開いてしまう可能性が。

乳歯の虫歯を放置するケースも多く見受けられますが、実際は、乳歯の虫歯が永久歯に悪影響を及ぼすことが知られています。そして、虫歯になると永久歯にまで影響が及ぶため、注意が必要になります。

「どのみち抜けるのだから」と考えず、しっかり治療する必要があります。黒くならない乳歯の虫歯に早期に気づくためにも、定期的に歯科医院で検診を受けるように心がけましょう。


 

虫歯になりやすい歯

特に虫歯になりやすいのが、生え始めの未熟な歯。中でも、奥歯がゆっくり生えてくる時期や、乳歯から永久歯へと生え変わる時期は、特に丁寧な歯磨きを行わねばなりません。

小学校中学年を過ぎ、仕上げ磨きを卒業するタイミングには、歯と歯の間や奥歯などをしっかり磨けていないケースが多くなります。虫歯の発生頻度を低くするためにも、親御さんが時折チェックする必要があるでしょう。


 

子供の虫歯への対処方法

ズキズキした痛み、キーンとする痛みは、成人でも耐えがたいもの。子供がこうした歯の痛みを訴えてきたとき、親御さんは、その痛みから一刻も早く開放してあげたいと何らかの応急処置を施すことになります。実際に、即刻歯科医院に行けない場合、ご家庭での応急処置が効果を発揮することもあります。ここでは、家庭で行える応急処置と、歯痛の際にしてはいけないことをまとめました。


 

口の中の汚れを取り除く

子供が歯痛を訴えてきた場合、まずはお口の中を確認することが重要です。挟まっているものはないか、虫歯や炎症がないか目をこらして見てみてください。

子供の歯は隙間が多く、歯と歯との間に食べ物が挟まりやすい傾向があります。食べ物に歯の神経が圧迫されて、痛みを感じているのかもしれません。食べ物が挟まっていたら、歯ブラシか爪楊枝を用いて歯茎を傷つけないように取り除き、丁寧に歯磨きをしてください。軽い歯痛であれば、こうした歯磨きだけでも痛みが治まる可能性があります。


 

小児用鎮痛剤を服用する

口の中を清潔にしても痛みが治まらない場合、小児用の解熱鎮痛剤を服用することもできます。解熱鎮痛剤を普段から用意しておくと、いざというときにも安心ですが、子供には必ず小児用の鎮痛剤を用いてください。

子供の身体の機能は未熟です。薬への感受性が強く、副作用が起こりやすいので、大人用の薬をほんの少しでも飲ませてはいけません。また、鎮痛剤はあくまでも一時的に痛みを抑えるものでしかないということも、しっかりご認識ください。虫歯は、薬で治るわけではありません。服薬で痛みが消えたとしても、必ず歯科医院での治療が必要です。


 

患部を冷やす

痛みを抑えるために、患部を冷やすというのも効果的です。患部が温まると、痛みも増すため、冷たいおしぼりやタオルに包んだ冷却材などを用いて、頬を冷やしてみてください。ただし、あまりにも冷やすことは刺激にもつながります。心地よさを感じられる程度の冷たさを意識してください。


 

休日・夜間診療医療機関を利用する

日中であれば、歯痛が起こった際にすぐに診てもらうことが可能ですが、夜間にはなかなかそうもいきません。就寝中に身体が温まると、虫歯から発生したガスが神経を圧迫し、痛みが強くなります。

こうした夜間の歯痛に際しては、すぐに応急処置を施し、歯科医院の開業時間まで様子をみることになります。しかし、急激な痛み、眠れないほどの痛みがある場合は、休日・夜間診療医療機関での治療を検討しましょう。


 

歯痛がある際の禁止事項

歯が痛いと子供が訴えているときに、痛いところを指でさわったり舌で押したりすると、痛みが強くなったり、さらに炎症が悪化する可能性があります。また、歯の神経を圧迫するような食べ物・飲み物を避けましょう。中でも、熱すぎるもの、冷たすぎるものは神経を刺激します。

さらに、身体を温めるようなことないよう、入浴を控えてください。湯船などに浸かると血行が促進され、痛みが強くなる可能性があるからです。


 

根本的な治療の必要性

子供が歯の痛みを訴えるとき、親御さんが上に挙げたような知識を持っていれば、子供に強い歯の痛みが出てもすぐ楽な状態へともっていくことができて気持ちも落ち着くはず。しかし、ここで重要なのは、応急処置はあくまでも応急処置に過ぎず、抜本的な対策ではないということです。

その痛みがどこからくるものであったにせよ、その解決のためきちんと歯科医院などを受診し、きちんと治していかねばなりません。毎日、子供の様子をしっかり確認してあげてください。

また、毎日の仕上げ磨きなどで気になることがあれば、歯科医師に相談するという姿勢も大切です。「歯が痛い」といった訴えを子供から聞かずにすむにこしたことはありません。そういった環境づくりのためにも、親子ともども予防にご協力ください。

荒井 千鶴 歯科医師 ポニー小児歯科クリニック 院長監修ドクターのコメント
歯の痛みは大人でもつらいものですが、お子さんが歯の痛みを訴えるというのはご家族にとってもつらいことではないでしょうか。
当院ではお子さんやご両親のお話をじっくりとお聞きし、どんなことに悩み、どんなことを希望されているかを把握してから治療に臨みます。また、医院内・スタッフの雰囲気が良い環境だと実感しておりますが、歯医者を怖がってそれまで治療できなかったお子さまも当院の雰囲気の中では診療できる場合があります。お子さんが泣くなどして他院で診療ができなかったご家族最後の砦でありたいと考えていますし、お子さんの歯が将来にわたって長く健康であることができるよう、その子に合った効果的なケアの方法もくわしく、わかりやすくお伝えしていますので、お子さんのかかりつけ歯科医をお探しの方は、一度当院にご相談ください。
 
監修ドクター:荒井 千鶴 歯科医師 ポニー小児歯科クリニック 院長




 

 この記事の監修ドクター

荒井 千鶴 歯科医師 ポニー小児歯科クリニック 院長

出典:http://www.angelicsmile-ponyshika.jp/
荒井 千鶴 歯科医師
ポニー小児歯科クリニック 院長


 

PROFILE

日本歯科大学卒業後、東京医科歯科大学小児歯科入局。小児歯科の診療に魅力を感じるとともに、もともと関心があった矯正治療・咬合誘導を学ぶ。また、一般歯科医院での治療経験を通じて、小児歯科を専門とする歯科医師の少なさや専門器具の不足を実感。1996年、「お子さんとご両親にもっと喜ばれる診療」をモットーに、ポニー小児歯科クリニックを開院。2005年、法人化に伴い医療法人社団エンジェリックスマイル会設立。その後も、岩手医科大学口腔保健育成学講座小児歯科学分野の非常勤講師を務める。日本小児歯科学会認定専門医。


 

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ポニー小児歯科クリニック

出典:http://www.angelicsmile-ponyshika.jp/

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