1. Medical DOCTOP
  2. 更年期障害を予防するには? イソフラボンが有効なのは日本人の約半分!

更年期障害を予防するには? イソフラボンが有効なのは日本人の約半分!

女性は個人差がありますが、40代半ばごろから女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減少し、更年期を迎えます。それにともない、ほてりやのぼせ、頭痛、精神不安定などさまざまな症状が現れます。症状が日常生活に支障をきたすほどひどい場合を、更年期障害と呼びますが、できれば、症状はできるだけ軽くあってほしいもの。そのための予防と対策をうかがいました。

監修医師
古谷 元康(町田東口クリニック 院長)

プロフィールをもっと見る
新潟大学医学部を卒業。新潟大学医歯学総合病院勤務を経て、長岡赤十字病院、JA神奈川県厚生連の相模原協同病院と伊勢原協同病院を歴任。平成3年に町田東口クリニックをオープンし、院長に就任。母体保護法指定医師、日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、日本臨床内科学会。

 

基本は自律神経を整える生活

編集部編集部

更年期障害にならないか心配です。予防することはできますか?

古谷先生

更年期障害は、ホルモンのバランスが乱れることにより自律神経失調症の症状があらわれます。完全に予防するのは無理ですが、日ごろから自律神経を整えておくことで、症状を軽くすることはできます。

編集部編集部

自律神経を整えるには具体的にどんなことをすればよいでしょう?

古谷先生

まずは、夜更かしはせず、朝は早めに起きて生活習慣のリズムを正しくすることが大切です。基本的なことですが、最近の人はなかなかこれができていません。人間は動物ですからね、自然の中のリズムに従って生きることが身体に合っています。昼夜逆転の生活はよくありません。とくに睡眠不足は、自律神経が乱れやすく更年期障害を悪化させます。そのうえで、バランスのよい食事と、適度な運動を心がけましょう。運動不足も自律神経を乱す原因になります。


 

女性ホルモンの代替になるのが「イソフラボン」

編集部編集部

食べ物は、更年期には「大豆イソフラボン」がいいと聞きます

古谷先生

大豆や大豆製品に含まれる「イソフラボン」は、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをするため、たしかに更年期障害の予防や症状改善効果があるといわれています。ただし、イソフラボンには糖がついている「グリコシド型イソフラボン」と、糖がついていない「アグリコン型イソフラボン」の2種類あります。グリコシド型は、糖がついている分、体内で吸収されにくく、ほとんどは体外に出てしまいます。残念ながらほとんどの大豆や大豆製品に含まれるのは、こちらのグリコシド型イソフラボンです。一方のアグリコン型は、吸収率がアグリコン型の3倍といわれ、更年期障害の予防や改善には、アグリコン型が効果的です。

編集部編集部

アグリコン型イソフラボンは、どんな食品に含まれているのでしょう?

古谷先生

大豆の発酵食品の味噌やしょうゆに多く含まれています。味噌やしょうゆの原料は大豆で、体内吸収されにくいグリコシド型イソフラボンですが、発酵するときに糖が離れてアグリコン型になり、体内への吸収率が高くなります。1日1杯程度の味噌汁は、更年期予防に効果的といえます。ただ、味噌やしょうゆは塩分が多いので、1日にそれほど多くは食べられないのが難点です。

編集部編集部

では、効率よくアグリコン型イソフラボンをとるには、どうすればよいのでしょう?

古谷先生

アグリコン型イソフラボンのサプリメントがありますから、それで補うのが効率的です。また、腸内でアグリコン型イソフラボンから作られる「エクオール」という成分も、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをしますから、エクオールのサプリメントでもよいと思います。エクオールは、イソフラボンからエクオールを作れない人が補うためにも効果的です。

編集部編集部

イソフラボンからエクオールを作れない人は、イソフラボンをとっても意味がないということでしょうか?

古谷先生

イソフラボン自体は、身体にいいのでとったほうがいいのは間違いありません。ただ、エクオールが作れない体質の人は、イソフラボンをとっても更年期を予防する効果は低いといえます。その場合は、イソフラボンから作られるエクオール自体を摂取するのが効果的です。日本人の場合、体内でエクオールを作れる人の割合は、約50%といわれています。

編集部編集部

「エクオール」を体内で作れる体質かどうか、どうしたらわかるのでしょう?

古谷先生

ソイチェック」という自宅でできる検査キットが販売されています。中に採尿キットが入っていて、専用容器に尿を入れて郵送すると、検査結果が送られてきます。最近は、健康診断や人間ドックでオプション検査として行っているところもあるようです。エクオールを体内で作れるかどうかは、更年期の症状の出方にも関係していると考えられます。自分の体質を知る上でも、一度調べておくと良いでしょう。

編集部編集部

予防をしても、更年期障害の症状がひどいときの対策はありますか?

古谷先生

ホルモン補充療法や漢方薬を使った治療法があります。ホルモン補充療法は、更年期障害の原因であるホルモン不足を補う治療のため、症状が早く改善されます。ただし、血圧が高い人や体質的に合わない人には使えません。また、冷えの症状はホルモン補充療法では消えないことが多く、その場合は漢方薬を処方すると改善するケースがよく見られます。いずれにしても、その人の症状、年齢、血圧やコレステロール値などで、治療法や処方する薬が変わりますので、まずは専門医に相談することをおすすめします。


 

編集部まとめ

更年期を予防するには、まずは自律神経を整えること。そのため気をつけるべきは、次の3つです。

 

1. 早寝早起きで規則正しい生活
2. バランスのよい食事
3. 適度な運動

 

基本的なことですが、忙しいとつい忘れてしまうので、改めて見直しが必要ですね。食事では、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンをとること。ただし、イソフラボンには2種類あり、吸収率がよいのは味噌やしょうゆに含まれるアグリコン型イソフラボン。こちらはなかなかとるのが難しいので、サプリメントを上手に利用しましょう。

 

ただし、イソフラボンを吸収しにくい体質の場合は、イソフラボンが分解されてできるエクオールのサプリメントのほうが予防には効果があるとのこと。まずは、自分がイソフラボンを吸収しやすい体質かどうかをチェックする必要がありそうです。

 

予防をしても症状がひどい場合は、ホルモン補充療法や漢方薬などで対策がとれるため、それほど予防に神経質になる必要はなさそうですが、「予防に勝る治療はなし」です。できるだけ、予防の段階から気をつけましょう。


 

医院情報

町田東口クリニック

町田東口クリニック
所在地 〒194-0022 東京都町田市森野1丁目35番8号 ヴィンテージII 3F
アクセス 小田急線「町田駅」北口から徒歩1分
診療科目 産婦人科、内科、女性内科(性感染症)

© Medical DOC.