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ほくろが大きくなってきたら、どうしたらいいの? がんの可能性は?

いつの間にか、ほくろが増えたり大きくなったりして、驚いた経験はありませんか? 大きくなるほくろは、がんの可能性があると聞くこともあり、心配な方も多いはずです。なぜほくろが大きくなるのか、また大きくなったらどうしたらいいのか、取りたい場合の対応策も含めて、つちやファミリークリニック副院長の皮膚科医、土屋佳奈先生にお伺いをしました。

土屋佳奈先生(つちやファミリークリニック副院長)

監修ドクタープロフィール:

土屋 佳奈(つちや・かな)

つちやファミリークリニック 副院長

東京医科大学卒業後、東京女子医科大学皮膚科に入局。JR東京総合病院勤務を経て、つちやファミリークリニックの前身となる父親のクリニック・尾泉医院にて皮膚科診療を開始。ご主人が院長に就任し、クリニック名を変更して、現職となる。生まれ育った街で皮膚のかかりつけ医として、赤ちゃんの肌トラブルから、美容の相談まで幅広く担当している。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。


 

 

 

 

見た目は似ている「ほくろ」と「がん」

ほくろが大きくなってきたら、どうしたらいいのでしょうか?

土屋先生

ほくろが大きくなってきた場合は、悪性腫瘍の可能性があります。そのため、まずは悪性腫瘍か良性腫瘍かを確認しなければいけません。良性腫瘍であれば、切除しないといけないわけではありません。

悪性腫瘍の場合は切除が必要ですか?

土屋先生

悪性腫瘍の場合は、切除を行う必要があります。
そもそもですが、「ほくろ」というのは通称で、医学用語では「色素性母斑(しきそせいぼはん)」といいます。色素性母斑は、メラニン色素を持つ母斑細胞が異常に繁殖することでできる良性の腫瘍のことをさします。

そのため、悪性の場合は、正確には「ほくろではなかった」ということになります。悪性腫瘍の場合は、主にメラノーマ(悪性黒色腫・皮膚がん)などが考えられます。

メラノーマについて教えてください

土屋先生

皮膚細胞の基底層にある「色素細胞」が、がん化したものです。発生頻度は60〜70代が中心ですが、若い人にもみられます。紫外線がリスク要因となるため、好んで日焼けをしている場合や、屋外での作業が多い仕事の場合は、注意が必要です。

また、進行が早いため、若い人が発症した場合は早期発見がとても大切になります。発生メカニズムなども含めて、明らかになっていないこともあります。

メラノーマの場合は手術が必要でしょうか?

土屋先生

患部を切除することが大切ですので、基本的には手術になります。
メラノーマは、周囲にごく小さな転移があるケースが多いため、明らかにがんと分かる部分から数cmほど広めに切除します。切除の大きさや深さは、がんの進行度によって異なります。

基本的に局所麻酔で対応できる範囲であり、日帰り手術も可能なケースが多いのですが、切り取る部位が大きくて、植皮や皮弁が必要になる場合や、リンパ節の切除(リンパ節郭清)を行う場合などでは入院をすることもあります。進行度や転移がある場合には、手術後に薬物療法などを組み合わせて治療をすることもあります。


 

 

 

 

「ほくろががんになる」わけではない

ほくろについて、もう少し教えてください

土屋先生

母斑細胞が増殖して、塊になった状態です。数mm〜1cmくらいまでのものは、ほくろと呼ばれますが、1cmを超えるものは黒あざと呼ばれることもあります。

また、母斑というのは、生まれつきあるアザという意味で使われることが多いようですが、赤ちゃんの頃からほくろがあるケースはまれで、大人になるにつれて徐々にできてくることがほとんどですね。

平均で何個くらいあるものでしょうか?

土屋先生

1人当たり、平均10個程度はあります。体質にもよりますが、子供の時はそれほどなくても、徐々に増えてきます。

数が多いのは問題がありますか?

土屋先生

数が多いからといって、むやみに気にする必要はありません。ほくろが多いか少ないかは、遺伝的な部分も大きいといわれていますので、ご両親が多い場合は、子どもも多くなる可能性が高いようです。

もともと「ほくろ」だったものが「がん」になることはあるのでしょうか?

土屋先生

ほくろは絶対にがんにならないとは言えませんが、良性腫瘍が悪性腫瘍になるという因果関係は証明されていません。ただし、ほくろと思い込んでいたものが、実は悪性腫瘍の始まりだったということもありますので、注意が必要です。


 

 

 

 

ほくろとメラノーマの見分け方

ほくろとメラノーマの見分け方について教えてください

土屋先生

ほくろがジュクジュクと炎症を起こしている、触ると出血する、痛みを伴っているなどの場合には、メラノーマの可能性があるので、すぐに病院で検査を受けてください。
そうではない場合は、下記の3点をチェックしてみてください。

 

  • ・ほくろに濃淡がある
  • ・ほくろの形がいびつ
  • ・ほくろと正常な皮膚の境目があいまい

 

1つでも当てはまるようであれば、メラノーマの可能性がありますので、医療機関にて検査を受けられた方が安心です。とはいえ、年齢がいくと、メラノーマではなくても、盛り上がった部分の色が抜けてイボのような状態になることもあります。その場合は、濃淡が出来たり、形がいびつになったりすることもありますので、極端には心配されないでください。

できる部位は関係ありますか?

土屋先生

手のひらや、足の裏にできるものは、メラノーマの可能性が高く、顔の真ん中にできるものは、基底細胞がんの可能性が高いため、注意が必要です。

繰り返しになりますが、大きくなるかどうかはあまり関係ありませんか?

土屋先生

そもそもほくろは、徐々に育っていくものですので、大きくなった=悪性ではありません。ほくろは、5~6mmくらいまで大きくなった後、成長が止まるケースが多いのですが、大きくなり続けるケースもありますし、1cm以上のほくろでも良性腫瘍ということはあります。ただし、メラノーマの可能性は低くても、手掌、足底にあって7mmより大きくなった場合には、切除をする場合もあります。
また、1年で2倍になるなど、急激に大きくなったケースも心配です。

病院ではどのような検査で、良性か悪性かを調べるのでしょうか

土屋先生

確定診断をするためには、ほくろ部分の組織を削り取って検査会社に送り、病理組織検査をする必要があります。
通常は、まずはダーモスコピーでスクリーニング検査をして、リスクが高い場合のみ病理組織検査を行います。ダーモスコピーとは虫眼鏡のような形をした器具で、皮膚の特殊な光を当てながら、表面を拡大していきます。

 

皮膚には凸凹があり、凹んでいる部分を皮溝、凸の部分を皮丘と呼びます。メラノーマでは皮丘部分に色素斑がみられ、皮溝に沿った線ははっきりしません。反対に良性のほくろの場合は、皮溝にも色素班が見られます。むしろ皮溝の方がより色素が濃いこともあり、格子状にみえることもあります。この違いをダーモスコピーで拡大をして見分けます。確定診断が必要なケースでは医師の方から、検査をする旨の提案があるかと思います。


 

 

 

 

ほくろ切除は保険適用の場合も

ほくろは、とる必要はないんですよね

土屋先生

取らないといけないわけではありませんが、取ってはいけないわけでもありません。遠目からはシミに見えるケースもあり、美容目的で取りたいという方も増えています。気になる部位は人ぞれぞれですね。

 

このほくろは残したいけど、こちらはなくしたいなど、好きな位置と嫌いな位置がある方もいらっしゃいます。目の周りや口の周りは、汚れと間違われて「何かついている」と指摘されるのが嫌だという方は珍しくありません。

ほくろを取る方法について教えてください

土屋先生

大きさにもよりますが、局所麻酔で切除できます。手術であれば、保険適用できますが、CO2レーザーの照射は自費診療となります。レーザーであれば、出血もなく、5分ほどで取れますので、レーザーを選ばれる方がほとんどですね。その日から顔を洗うこともできます。気になる方は、取られてもよいと思いますよ。


 

編集部まとめ

ほくろは、一人平均で10個程度あり、加齢とともに数が増えたり、大きくなったりするのは、自然なことだそうです。大きくなったからといってむやみに心配をする必要はありませんが、1年で2倍以上のペースで大きくなる場合には悪性腫瘍の可能性があるため、注意が必要です。

 

良性の場合と悪性の場合の比較
良性腫瘍…俗称はほくろ、医学用語では「色素性母斑」
母斑細胞の異常繁殖が原因取らなくても問題ないが、美容目的での切除も人気
悪性腫瘍…メラノーマ(悪性黒色腫・皮膚がん)
皮膚細胞の基底層にある「色素細胞」のがん化が原因治療のために、患部の切除が必要


 

医院情報

つちやファミリークリニック

電話番号 03-3873-1375

住所 東京都台東区入谷2-25-2
アクセス 東京メトロ日比谷線「入谷駅」徒歩3分
診療科目
内科 小児科 小児外科 皮膚科 美容皮膚科
URL https://tsuchiya-family-clinic.com/