徹底調査!胃炎やがんの原因ヘリコバクター・ピロリとは?

胃炎や十二指腸潰瘍などの疾患はストレスや生活習慣が原因と考えられていましたが、近年ではヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)への感染が原因のひとつとなっていることが明らかになりました。

このヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は放置しておくとがんの発生につながってしまうとても怖い細菌です。

この記事では、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)が原因の病気や感染ルート、検査方法や除菌方法などについてMedical DOC編集部が解説いたします。

この記事の監修ドクター:
北川 光一 医師 東戸塚メディカルクリニック 院長

 ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)とは?

胃粘膜に生息しているヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の大きさは0.5 × 2.5~4.0μmほど。

捻じれた螺旋(らせん)状の形態をしており、強い胃酸に対抗するためにアルカリ性のアンモニアを作り胃酸を中和し、数本持っている毛を動かし胃粘膜を移動しながら生息しています。

このヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は酸素では発育せず、乾燥に弱く酸素にさらされると徐々に死んでいってしまうという特徴を持っています。

正式名はヘリコバクター・ピロリと呼ばれており、ヘリコというのはヘリコプターと同じで旋回・らせんという意味です。

 ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)が原因となる病気

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に感染していても自覚症状はありませんが、そのまま放置しておくとピロリ菌感染症状となり胃粘膜が徐々に減っていってしまいます。

そして胃粘膜への感染が徐々に広がっていくと、慢性胃炎・委縮性胃炎・胃潰瘍・胃がんとなる可能性が高くなります。

ピロリ菌に感染していると胃がんになる確率はなんと非感染時の20倍以上となり、胃がん患者の99%はピロリ菌への感染が根底にあると言われています。

以下に、ヘリコバクター・ピロリへの感染が原因となって発症する疾病について解説します。

 慢性胃炎

常に胃粘膜が炎症を起こしている状態の事をいいます。若い時には多く存在していた胃粘液も加齢とともに減少するため、慢性胃炎の発症率が高まってくるのです。感染している期間が長いと胃がんへと進行する確率が高くなります。

 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍はストレスや喫煙に加えて、ピロリ菌への感染などの原因によって発症します。胃酸で胃粘膜が傷つき悪化すると胃壁までも傷ついてしまう病気です。

 胃ポリープ

胃の中にできた良性の腫瘍である胃ポリープは、細胞分裂が盛んになりすぎたことでおこります。このような過形成性ポリープはピロリ菌の感染が原因であることが多く、まれにがん化する場合もあります。

 胃マルトリンパ種

ピロリ菌の感染が原因のひとつとも言われている悪性リンパ種です。この腫瘍はリンパ系組織からできており、ゆっくり進行しますがあらゆる臓器に悪性リンパ種が発症してしまう可能性がでてきます。

 胃がん

日本では年間に10万人以上が胃がんにかかっており、日本のがん患者の中では患者数ワースト1位に上げられる病気です。しかしピロリ菌の除菌が行われるようになってからは、胃がんによる死亡率が減ってきています。

 特発性血小板減少性紫斑病

血液を止めてくれる血小板が少なくなってしまう病気です。血小板を制御する抗体の異常とピロリ菌感染症が原因で発症すると言われています。

 もしかして感染している?ピロリ菌チェックのポイント

ピロリ菌感染時にはあまり自覚症状はありませんが、感染期間が長くなったり胃の炎症が広範囲に及ぶと症状がでてきます。小さな症状でも見逃さないためにチェックしておきましょう。

以下に、ピロリ菌感染のセルフチェックポイントをご紹介します。

・常に気持ち悪い
・朝起きた時の吐き気
・空腹時の吐き気
・あまり食欲がわかない
・食べた後にお腹が痛む
・空腹時の腹痛

 こんな方は要注意!ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染率が高い人とは?

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染ルートは完全に解明されてはいませんが、家庭内における口から口への感染が確認されています。主に感染してしまうのは子供であり、親子で一緒に食事した事が原因となるケースもみられます。

また、水道水などの衛生環境が整っていない時代に幼少期を過ごした60歳以上の方もピロリ菌の感染が高いとされています。

【こんな方は要注意!】

  • 60歳以上の方
  • 胃潰瘍・胃炎・十二指腸潰瘍の患者さん
  • 家族がピロリ菌に感染している
  • 両親がピロリ菌に感染している

このような方は、早めにピロリ菌の検査を受けた方がよいでしょう。

 ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌を探し出す検査方法は、内視鏡を使うやり方と使わないやり方に分けられます。

体に負担のかかる内視鏡検査は避けたいと思っている方は、呼気・血液・尿・便を用いた方法があります。

 面診断

  • 尿素呼気試験法

診断薬を服用して診断する精度が高く主流となっている診断方法です。診断薬を服用する前と後の呼気を集めて判断します。ピロリ菌に感染していると二酸化炭素が多く検出され、感染していない場合には二酸化炭素はほとんど排出されません。

  • 抗体測定

血液や尿を用いて血液中か尿中にあるH.pylori抗体の有無を測定します。この検査は少量のピロリ菌でも有用ですが、除菌判定には向いていません。

  • 便中抗原

便の中から抗H.pylori抗体抗原の有無を測定する方法です。特異度は高く子供でも簡単に調べることができます。

 点診断

  • 培養法

内視鏡で行う点診断は、胃粘膜や胃の組織を摂取しておこないます。培養法の場合はすりつぶした胃粘膜をピロリ菌が発育しやすい環境で5~7日の間培養して判断します。

  • 顕微鏡検法

摂取した胃の粘膜に顕微鏡を用いてピロリ菌の有無を確かめていく方法です。

 もしもピロリ菌が存在していたら?

ピロリ菌を治療するためにおこなわれる一次除菌療法は、胃酸分泌抑制薬と抗生物質(2種類)の薬を一週間服用します。約8割の方が除菌に成功されているといわれていますが、必要に応じて胃の粘膜を保護ためのお薬を併用することもあります。

一次除菌治療を行ってから4週間以降に除菌の判定をおこないます。この段階で除菌に成功していれば除菌療法は終了となりますが、除菌に失敗していた場合には二次除菌治療となり、一次治療とは異なった抗生物質が処方されます。複数のお薬の組み合わせにより除菌力をアップさせていくのです。

 ピロリ菌に有効な食品

特定保健用食品に認定されている食品の中には、食べ続ける事によってピロリ菌の増殖を抑える効果が確認されているものがあります。

このような食品を積極的に取り入れるようにすることもピロリ菌の除菌へとつながります。

  • ヨーグルト

ヨーグルトに入っているビフィズス菌や乳酸菌はピロリ菌の増殖を抑えてくれます。
特にLG21を含んだヨーグルトは効果があるとされており、1日2回の摂取で8週間後には87%の方が改善されたという調査結果があります。

  • マヌカハニー

ニュージーランドで生産されているはちみつです。メチルグリオキサールという抗菌成分によってピロリ菌やバクテリアに殺菌効果をもたらしてくれます。濃度が高いほど抑制する効果も高くなります。

  • ココア

ココアによって胃に粘膜を定着させようとするピロリ菌を防いでくれます。

  • フコイダン

フコイダンとは昆布やめかぶなどの海藻類にみられるぬめり成分です。この成分が胃に粘膜をはりピロリ菌の定着を防いでくれます。

  • 茶・カテキン

カテキンは緑茶の中に含まれている成分ですが、カテキンはピロリ菌の動きを抑えてくれる働きを持っています。

  • ブロッコリースプラウト

ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトには、抗菌作用であるスルフォラファンという成分が含まれています。直接ピロリ菌にダメージを与えてくれる成分です。

 まとめ:ピロリ菌はもう怖くない!早めの検査と治療がおすすめです

いかがでしたでしょうか?

今回は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)について、原因となる病気・検査方法・治療方法・かかりやすい人・ピロリ菌に有効な食品についてまとめてみました。

ピロリ菌を除菌しないで放置していてしまうと、胃がんになる確率が何十倍にも跳ね上がってしまうとても怖い細菌です。

しかしピロリ菌の有無の検査は、わざわざ内視鏡検査をしなくても呼気・尿・便などで容易に調べることができることに加えて、治療方法も抗生物質を飲むという簡単な治療で済むことがおわかりいただけたかと思います。

胃炎やがんを防ぐためにも、早めに検査や治療を受けておくと良いでしょう。

さらに最近では、ピロリ菌に有効な食品もわかってきていますので、それらの食品も生活の中に上手に取り入れることもおすすめいたします。

北川 光一 医師 東戸塚メディカルクリニック 院長監修ドクターのコメント

胃もたれや胃痛を繰り返している場合はもちろんですが、自覚症状がない場合もあり、健康診断などで見つかるケースもあります。これまで、検査を受けたことのない方は、一度は受けておいたほうがいいでしょう。

当院では、日本消化器内視鏡学会専門医である院長が苦痛の少ない経鼻内視鏡や大腸内視鏡を用い、消化器疾患や健診後の精査などにあたっております。
内視鏡以外にも、切らない内痔核治療をはじめ肝臓・胆嚢・膵臓疾患に対する検査や治療も行っております。
お子様をお連れのご家族にも安心してお通いいただける環境づくりを心がけておりますので
ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

監修ドクター:北川 光一 医師 東戸塚メディカルクリニック 院長

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出典:http://www.medicli.com/

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