大腸がんと関係します!便秘で内視鏡検査が必要な理由とは?

公開日:2020/08/12  更新日:2020/08/19

「たかが便秘だから」

「それほどひどくないから薬でなんとかする」

などと思って、慢性的な便秘を放置していませんか?

便秘を放置すると肌荒れや腹部膨満などの症状を引き起こしたり、ごくまれなケースではあるものの腸閉塞や腸穿孔(ちょうせんこう)などの危険な病気の原因となるケースもあるため、医師による検査を受ける必要があり、慢性便秘の診察では「大腸内視鏡検査」を受けることが大切だとされています。

では、便秘の診察でなぜ内視鏡検査が必要なのでしょうか?

今回は、便秘と大腸がんの関係と内視鏡検査の必要性についてMedical DOC編集部が解説していきたいと思います。

この記事の監修医師
樋口 俊哉 (医療法人聖俊会 樋口病院 副院長・健診センター長)

便秘とは

「便秘」という病気自体は誰もが知るものであると思われますが、その種類(原因)や定義についてははっきり知らない・・・という人も少なくないのではないでしょうか?

まずは「便秘」の定義や分類、原因についてくわしく解説していきます。

便秘症の定義

便秘症の診断には、実は明確な定義はありません。

排便が数日に1回しかなかったり、便が硬かったりする場合は便秘症だとされていますが、毎日排便があっても便秘症と診断される場合もあります。中には自覚症状はないけれども以下に挙げるような利用によって便秘症であるケースも考えられるからです。

明確な定義はないという事もふまえた上で、一般的には「便秘症」の定義は下記のようになっています。

・排便の回数が週に3~4回以下
・以前より排便の回数が減った
・便の水分が少なくて硬い
・強くいきまないと出ない
・排便に時間がかかる
・排便してもすっきりしない(残便感がある)
・便の量の減少(35g/日以下)

つまり、例え毎日排便があっても便が硬かったり、量が少なかったり、残便感がある場合には便秘である可能性が疑われ、3日に1回しか排便がなくても便が柔らかくてスッキリ出せれば便秘ではないということもあるのです。

したがって、自分だけで判断せず気になる症状がある方は医師による検査を受けることをおすすめします。

便秘症の分類(原因)

便秘症はその原因から、大きく4つに分類できます。

①器質性便秘

大腸がんなどの悪性腫瘍やお腹を手術したことが原因の癒着による便秘。

②症候性便秘

糖尿病や甲状腺機能低下症などの疾患が原因で起こる便秘。

③薬剤性便秘

抗うつ剤やせき止め剤など他の病気に対して処方された薬の副作用で起こる便秘。

④機能性便秘

大腸や直腸の運動機能障害が原因の便秘。

 

この4つの中でよく見られるのが④の「機能性便秘」です。

「機能性便秘」はさらに3つに分けることができます。

1.弛緩性便秘

大腸を動かす筋肉が緩んでしまい、便を運べなくなってしまうことにより水分が過剰に吸収されて便が固くなってしまいます。

食物繊維の不足や運動不足などが原因で起こる便秘です。

2.痙攣性便秘

腸の収縮が強くなりすぎることで便がうまく運ばれず、便秘となってしまいます。

ストレスが原因であることが多いです。

3.直腸性便秘

便が大腸を通り過ぎて直腸まで来ているのに、排便ができない状態です。

排便を習慣的に我慢していると神経の感度が鈍って便意を催さなくなり、便秘になってしまいます。

女性に起こりがちな便秘のタイプです。

便秘症と大腸がんの関係

「器質性便秘」でも紹介していますが、大腸がんの症状のひとつに便秘が挙げられます。

しかし、大腸がんは初期症状というものがほとんどなく、下痢や便秘などの症状が現れるころにはある程度進行してしまっているケースが多いです。しかも便秘や下痢は他の病気でも見られる症状なので、大腸がんの早期発見には繋がりにくいのが現状であると言えるでしょう。

一方で、慢性的な便秘が大腸がんの原因になってしまうと言うケースがあります。

便が長い時間、腸に留まり続けることで有害なガスが発生するのですが、このガスには発がん性物質が含まれている場合があるのです。便から発生した有害なガスは大腸に再吸収されてしまうので、大腸がんになるリスクが高くなると考えられているのです。

ところが実際のところは、「便秘と大腸がんのリスクは関連がない」という研究結果もあるようです。

しかし、大腸がんの7割は便が長時間溜まりやすい直腸とS状結腸にできると言われています。

このことからも、便秘と大腸がんには深い関わりがあると考えられるのです。

大腸内視鏡検査について

大腸内視鏡検査とは?

大腸内視鏡検査とは、肛門から内視鏡(ビデオスコープ)を挿入して大腸(直腸から盲腸まで)を診る検査です。大腸ポリープやがんの早期発見ができるだけではなく、ポリープや早期がんであれば検査のついでに取り除いてしまうことも可能です。

日本においては男性は40歳、女性は35歳を過ぎたら少なくとも5年に1回は内視鏡検査を受けることを推奨されています。しかし、「痛い」「恥ずかしい」という気持ちが先立ってしまうのか、特に女性の受診者が少ないのが現状です。

大腸内視鏡検査の流れ

大腸内視鏡検査は、一般的には下記のような流れで行われます。

<検査2日前>

食事制限はありませんが、繊維や種の多いものや海藻類はできるだけ食べないようにしましょう。

<検査前日>

クリニックごとに時間は違いますが、前日の夕食は早めに済ませるように指示があります。その後は絶食で、水分も基本的にはお茶か水といった、腸の観察に影響の少ない飲み物のみです。

就寝前に指定の下剤を飲みます。

<検査当日>

朝、自宅もしくはクリニックにて下剤を服用。お腹の中が空っぽになったことを確認してから検査着に着替えて検査を開始します。

検査時間は一般的に20~30分程度です。

その後、少し休んでから検査結果を聞きます。検査結果を聞いたら帰宅できます。施設によっては、検査中に内視鏡モニターを見せながら説明してくれるところもあります。

大腸内視鏡検査の苦痛を軽減する工夫

一般的な内視鏡検査は、以前は空気法+プッシュ法という方法で行われていました。これは、腸に大量の空気を送り込むことで膨らませた後、腸のカーブに合わせて内視鏡を押し進めていくという方法です。

大腸の粘膜には痛覚がないのでそれほど痛みを感じないと言われています。それでも内視鏡を押し込む際にカーブの部分などを押してしまうので、特に未熟な医師が内視鏡検査を行うと腸が引っ張られて強い痛みを感じてしまうことがあるのです。

また、腸に空気を入れることでパンパンになってしまい、お腹が張ることで苦痛を感じることもあります。

痛みを軽減するために麻酔を使うこともありますが、強い麻酔をかけすぎると患者さんが全く痛みを感じないため、内視鏡がいきなり腸壁を突き破ってしまう危険性もあるのです。

そこで最近では、麻酔を使わなくても痛みや苦痛を感じずに大腸内視鏡検査を行うことができるような工夫をしているクリニックもたくさんあります。

工夫①浸水法

空気の代わりに少量の水を入れる方法です。

水を入れることで滑りが良くなるので痛みが少なくて済みます。

工夫②無送気直線的挿入法

空気を入れるのではなく、逆に抜いていくことで腸をしぼませて直線状にしてから内視鏡を入れていきます。

内視鏡を入れるときに腸のひだを手前に引き込んで、内視鏡の先端に腸をかぶせていくようなイメージで進んでいくことで腸を引き伸ばさなくて済むのです。

空気を入れないのでお腹が張ることもなく、苦痛が少ない上に安全性も高い検査法なのです。

工夫③二酸化炭素送気

無送気直線的挿入法でも浸水法でも、観察時は空気を入れて腸管を広げなくてはいけません。大腸には大きなひだがあるので、空気を十分に入れないとひだの間に隠れたポリープなどを見逃してしまうからです。

そこで、空気の代わりに二酸化炭素を送気することで苦痛を和らげる工夫があります。

空気よりも二酸化炭素の方が大腸内から早くなくなってしまうので、検査後のお腹の張りを減らすことができるのです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、便秘と大腸がんの関係や内視鏡検査の必要性などについて解説いたしました。

便秘を放置してしまうと、大腸がんなどの恐ろしい病気になってしまうリスクも高くなり非常に危険であることがおわかりいただけたかと思います。

最近では大腸内視鏡検査の苦痛を減らすために様々な工夫をしているクリニックも多いので、慢性的な便秘に悩んでいる人はぜひ一度内視鏡検査を受けてみることをおすすめします。

監修ドクターコメント

樋口先生

昔は、大腸内視鏡は太くて硬い素材のカメラを用い、2人の医師で行っていました。そのため痛みが強く時間もかかっていましたが、現在は素材も柔らかくなり、1人の医師で行えるようになったため痛みは軽減されています。また、工夫をすることで、さらに痛みを軽減することが出来るようになりました。施設によっては鎮静剤を使用して、意識がぼーっとしている間に検査をしてくれるところもあります。便秘は大腸癌の原因になり得ますし、大腸がんによって便秘になり得ます。便秘で悩んでいる方は、ぜひ一度大腸内視鏡を受けることをお勧めします。

内視鏡検査でおすすめの医院 中部編

医療法人聖俊会 樋口病院

出典:http://seishunkai.or.jp/higuchi-hp/

電話番号 0533-86-8131
住所 愛知県豊川市諏訪2丁目145番地
アクセス 豊川ICより車で15分、名鉄諏訪町駅より徒歩3分
診療時間 【平日】9:00~12:00/15:30~18:30
【土曜】9:00~12:00
休診日 土曜日午後、日曜日・祝日
対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
・胃内視鏡検査
・経鼻内視鏡検査
・麻酔を用いた(静脈内鎮静法)内視鏡検査
URL http://seishunkai.or.jp/higuchi-hp/