子どもの不整脈って放置していても大丈夫なの?

公開日:2021/09/07

不規則なリズムだけでなく、速くなり続けたり遅くなり続けたりすることもある「不整脈」。インターネットの情報を参照にすると、「子どもの不整脈はいずれ消える」との記載が多いようですが、はたして、手放しで安心していいものなのでしょうか。「はす花こどもファミリークリニック」の神保先生に確認してみました。

神保詩乃

監修医師
神保 詩乃(はす花こどもファミリークリニック 院長)

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日本大学医学部卒業。日本大学系列病院や小児病院勤務を経た2020年、元「知念胃腸科内科」を父親から継承・改築。新たに「はす花こどもファミリークリニック」として東京都板橋区に開院。自分の家族だったらどうするかという観点で地域医療に貢献している。医学博士。日本小児科学会認定小児科専門医、日本小児循環器学会認定小児循環器専門医、日本循環器学会認定循環器専門医。日本不整脈心電学会、日本小児心身医学会、日本アレルギー学会、日本小児皮膚科学会の各会員。

「放置してもいいかどうか」は医師が下す判断

「放置してもいいかどうか」は医師が下す判断

編集部編集部

そもそも、不整脈って子どもにも起こるのですか?

神保詩乃神保先生

はい、たしかに起こり得ます。主に「あっても困らない不整脈」と「命に関わる不整脈」に大別されます。加えて、「原因が特定できる不整脈」と「特定できない不整脈」もありますし、「大人になるにつれて消える不整脈」も散見されます。子どもの不整脈は、保護者にとってパターンの把握が難しい病気かもしれないですね。

編集部編集部

治療が必要かどうかって、どうやって見分けるのでしょうか?

神保詩乃神保先生

まず、「不整脈があるかどうかを見つけること」がスタートで、すべてはそこからです。見つけるきっかけとして、息切れや立ちくらみなどの自覚症状が出てくるほか、たまたま病院で発見されることもあります。

編集部編集部

ほかにも、判断基準があれば教えてください。

神保詩乃神保先生

わかりました。「無症状にもかかわらず、乳児健診や定期の学校健診で発見される」、「診療で聴診器を当てたとき、年齢不相応のテンポの脈拍が発見される」、「不整脈を疑う症状があり、心電図をとったときに発見される」、「不整脈の家族歴があり、念のため心電図をとったときに発見される」、「何かしらの理由で入院した際、病棟の心電図モニターで発見される」などのパターンも考えられます。

編集部編集部

不整脈は、どこかの段階で、いずれ発見されるものと考えていいですか?

神保詩乃神保先生

100%とはいえませんが、「おおむね気付くことができる」と思います。そのうえで精密検査を受ければ、「すぐに治療が必要かどうか」を鑑別できるでしょう。もちろん、「治療が不要」なケースや「要経過観察」で済むケースも含まれます。

編集部編集部

親は、日常生活の中でどうすればいいのでしょうか?

神保詩乃神保先生

不整脈に気づいて受診される保護者の方はほとんどいません。保護者側にできることは、お子さんが具合悪そうにしているのを、見逃さないことですね。「ミルクを飲まない」、「寝ているのではなくてじっと動かない」といった「いつもと違う姿」をみかけたら、すぐに最寄りの小児科へご相談ください。そのうえで、不整脈の有無を調べてもらいましょう。心電図をとらなくても聴診してもらえば、その可能性について知ることができます。いつもと違う症状があるにもかかわらず放置するのは厳禁です。

治療でピタっと止まるか、治療を受けながら抑えていくか

治療でピタっと止まるか、治療を受けながら抑えていくか

編集部編集部

「治らない不整脈」というのが怖いですね?

神保詩乃神保先生

ただし、実際のところ「何の手も施しようがない不整脈」はごく少数です。多くの場合は、投薬などで治療が可能です。また、「治る・治らない」の定義が難しいところですが、「薬を飲み続けて安定させる不整脈」や「ペースメーカーを入れて折り合いをつけていく不整脈」もあります。

編集部編集部

「治る」ケースの場合、どのくらいの治療期間を要するのでしょうか?

神保詩乃神保先生

心臓病の特徴でもあるのですが、ご本人に合った薬が見つかりさえすれば、すぐに正常な脈のリズムに戻ります。問題は薬が子どもに合っているかどうかで、正解に至るまで複数の処方を試していくことも少なくありません。また、薬以外だと、血管内に通したカテーテルによる外科的処置も治療選択肢の1つです。

編集部編集部

投薬や外科的処置で脈を安定させるのですね。

神保詩乃神保先生

そのとおりです。心臓は規則的な電気信号に従って動いていますが、不整脈はこの電気信号が正常に伝達されなくなって生じます。そのため、この「不規則な電気信号」を薬やカテーテルの処置でなくせば、そのタイミングから不整脈は治ります。

慌てる必要はない、不整脈の正しい理解

慌てる必要はない、不整脈の正しい理解

編集部編集部

「人前に出てドキドキする」といった、日常で起こるものは不整脈ではないですよね?

神保詩乃神保先生

はい、不整脈には含まれません。また、運動後なども心拍数が高くなりますが、生理的に起こるものなので問題ありません。生理的の範疇を超えた不規則な電気信号の有無が、不整脈かどうかを分けます。

編集部編集部

脈が飛んだり遅くなったりするのも不規則に当てはまるのでしょうか?

神保詩乃神保先生

そうです。どちらかというと、「テンポの遅くなる不整脈」が怖いですね。ちなみに、赤ちゃんは大人の倍くらいのテンポで脈を打つことがあります。しかし、これも「正常な電気信号」であることが多いですね。もちろん、心配なときはご相談していただいて構いません。

編集部編集部

不整脈かどうかの判断って結構、難しいのですね。

神保詩乃神保先生

一般の人には難しいでしょう。心電図検査をしてみないと、何ともいえないのが現状です。同じように、「治る、治らない」という話でもないと思います。「起きていても病気ではない不整脈」や、「気にならず、生活に支障のない不整脈」などがあるからです。ですから、まずは小児科や内科にご相談いただいて、「どういうことが起きていて、将来どんな影響があるのか、ないのか」を鑑別するところからはじめていきましょう。

編集部まとめ

レアケースのようですが、「命に関わる症例」が含まれる以上、子どもの不整脈を放置するのは好ましくないでしょう。安心できるのは、不整脈を見つけて医師の判断がついてからです。あるいは、必要に応じて治療を受けてからということなのでしょう。人の命に関わる事柄を、素人が判断してはいけません。

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はす花こどもファミリークリニック

はす花こどもファミリークリニック
所在地 〒174-0052 東京都板橋区蓮沼町23-3
アクセス 都営三田線「本蓮沼駅」徒歩1分
診療科目 小児科、小児循環器科、内科