メタボリックシンドロームと診断されたら、どうすればいいですか?

公開日:2021/06/28  更新日:2021/07/18
メタボリックシンドロームと診断されたら、どうすればいいですか?

もし、メタボリックシンドロームと診断されてしまったら。「単に体重が増えただけだから、痩せれば大丈夫」と考える人もいるのではないでしょうか。はたして、ダイエットだけでどうにかなるものなのか。メタボリックシンドロームについての疑問や診断されたときの対処法を、「看護師・保健師」の高橋さんに聞いてきました。

高橋真奈美さん

監修看護師・保険師
高橋 真奈美(株式会社ファースト・ナース所属 訪問看護師・保健師)

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前橋東看護学校卒業。群馬県立県民健康科学大学(旧・群馬県立医療短期大学)地域看護学専攻を経て、看護師・保健師免許を取得。その後、健康診断センター、国民健康保険団体連合会勤務中に保健活動を考える自主的研究会所属。地域包括支援センターのセンター長を経験。現在は訪問看護師として、利用者様の多様な疾病の重症化予防のため毎日奔走している。

内臓脂肪の蓄積により起こる代謝異常

内臓脂肪の蓄積により起こる代謝異常

編集部編集部

まず、メタボリックシンドロームとはなんですか?

高橋真奈美さん高橋さん

メタボリックシンドロームは誤解されやすいですが、病名ではありません。内臓脂肪の蓄積により「高血糖」、「血中異常脂質」、「高血圧」などの代謝異常が2つ以上生じている状態のことを指します。お腹周りの脂肪が増えて出っ張っている状態だと勘違いしている人もいますが、実のところ、そうではありません。

編集部編集部

メタボリックシンドロームを放置すると、どうなるのでしょうか?

高橋真奈美さん高橋さん

内臓脂肪を溜めたまま放置すると、血糖値や血圧、血中脂質が上昇していきます。すると徐々に、血管の内側がボロボロに傷ついていきます。血管が傷むと詰まりやすくなったり、流れが悪くなったります。その結果、脳卒中や心筋梗塞、腎不全など、重篤な病気になるリスク上昇につながります。また、目の奥の血管が傷むと、将来的に失明する可能性もあります。

編集部編集部

どのようなことが原因で、メタボリックシンドロームになるのですか?

高橋真奈美さん高橋さん

糖質、脂質、たんぱく質、塩分の過剰摂取、さらにエネルギーの消費不足や水分不足が続くと、内臓脂肪が蓄積されたり高血圧になったりします。内臓脂肪は生命維持に関わる物質を分泌していて、血中の糖質や脂質、血圧のコントロールに重要な影響を及ぼします。その機能がきちんと働かないと、血圧が一定に保てず高血圧に、インスリンの働きが悪くなり糖尿病に、血液中の脂質バランスが崩れた脂質異常症になります。

特定保険指導を活用する

特定保険指導を活用する

編集部編集部

メタボリックシンドロームは、健康診断などでわかるのですか?

高橋真奈美さん高橋さん

健康診断でおこなわれる腹囲測定やCT撮影で、内臓脂肪の蓄積具合を調べることもできます。また、血液検査の数値でもわかります。

編集部編集部

診断されたら、どうしたらいいのでしょうか?

高橋真奈美さん高橋さん

特定保健指導」を受けることをおすすめします。健康診断でメタボリックシンドロームと診断されると、特定保健指導の必要があるというお知らせが届きます。特定保健指導では、看護師や保健師、管理栄養士などが、生活習慣病や重症化の予防に向けて、生活習慣の改善や相談、指導をおこなってくれます。ただし、予防する主役はあくまで対象者のため、対象者自身が生活習慣の改善を積極的におこなう必要があります。

編集部編集部

特定健康指導は、定期的にどこかへ通うのでしょうか?

高橋真奈美さん高橋さん

保健指導を利用するために、保健センターや病院などへ通うとは限りません。保健師や管理栄養士が職場や自宅に出向くこともあります。その人によって健康状態が違うため一概には言えませんが、メタボリックシンドローム予備軍の人は3か月に一度、すでにメタボリックシンドロームと診断された人は毎月一度、保健師や管理栄養士に会ってサポートを受けるといいかもしれません。また、服薬による治療が必要な人は、医師の指示により通院することもあります。

生活習慣を見直して予防する

生活習慣を見直して予防する

編集部編集部

指導を受けることで改善する人も多いのですか?

高橋真奈美さん高橋さん

やはり、改善する人は数多くいます。自分で生活習慣をしっかりと変えることのできる人は、保健指導を利用しなくても結果はよくなっていきます。ちなみに、私が健診結果の数値の改善率を集計した際は、指導を受けた人の90%が改善していましたね。

編集部編集部

メタボリックシンドロームを予防するにはどうしたらいいですか?

高橋真奈美さん高橋さん

食生活がなにより大事ですね。例えば野菜から食べる、食事の摂取量を3分の2に変えるだけでも、予防効果はあります。食事の次に大切なのは、運動です。運動の習慣化は大変ですが、食事のコントロールと一緒に取り組めば、結果も出やすいのではないでしょうか。また、喫煙は血管を傷める原因になるので、やめるに越したことはないです。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

高橋真奈美さん高橋さん

メタボリックシンドロームは病気ではありません。しかし、放置すると病気を引き起こしてしまいます。食事や運動などの日常生活をコツコツと改善していけば、徐々に成果が出てきます。自分一人ではうまくいかなそうなら、特定保健指導を利用して改善を図りましょう。

編集部まとめ

メタボリックシンドロームを放置すると、命に関わる重大な病気になってしまう可能性があります。もし、メタボリックシンドロームだと判明したら、特定保健指導を受けて生活習慣を改善するのも一つの手です。専門家が正しい改善方法を提案してくれるので、現状より悪くなることはないはずです。

高血糖、高血圧、ダイエットに関する症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。