骨粗しょう症でもインプラント治療はできますか?

公開日:2021/01/30

顎(あご)の骨に人工歯根を埋めて、その上に人工歯をのせるインプラント治療。ブリッジや入れ歯などと違って、周りの歯への負担も少なく、最近では欠損した歯の治療法としてメジャーになっています。しかし、骨に人工歯根を埋めるということは、「骨粗しょう症」で骨がもろいと治療できないのでしょうか。「高木デンタルクリニック」の高木先生に、インプラントと骨密度の関係について聞いてきました。

高木先生

監修歯科医師
高木 有哉(高木デンタルクリニック 院長)

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日本大学歯学部卒業。日本大学大学院歯学研究科歯科補綴学講座卒業。東京都新宿区の川口歯科診療所に勤務。2019年、東京都文京区の「高木デンタルクリニック」院長に就任。一般歯科治療から口腔外科、矯正歯科まで、幅広く診療しており、真心をこめた丁寧な対応を心がけている。歯学博士。ノーベルバイオケア専門医、インビザライン認定医。

顎の骨密度により治療を判断

顎の骨密度により治療を判断

編集部編集部

骨粗しょう症でも、インプラント治療はできますか?

高木先生高木先生

治療すること自体は可能です。骨粗しょう症と言っても、体全体の骨密度が低下するわけではありません。インプラントを埋めるのは顎の骨の部分なので、その部分の骨がしっかりしていれば、治療をおこなうことができます。ただし、治療後に顎部の骨密度が下がり、インプラントが脱落する可能性はあります。

編集部編集部

そもそも、骨粗しょう症は何が原因でおこるのでしょうか?

高木先生高木先生

主に、加齢が原因でおこることが多いですね。さらに、歯がない状態のまま放置しておくと、その部分の顎の骨が使われないため、骨がどんどん退化してきます。そのため、高齢の方がインプラント治療をおこなおうと思っても、できなくなっているケースがあります。また、日本整形科学会によると、「骨粗しょう症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられてる」と言及されています。

編集部編集部

骨粗しょう症の高齢者全員が、インプラント治療できないわけではないですよね?

高木先生高木先生

そうですね。インプラントを入れたい場所にしっかりと骨があれば、治療をすることができます。そのためにも、まずは骨粗しょう症の原因や、体全体の骨密度を調べることが大切です。その上で、インプラント治療が可能かどうかを、われわれ医師が判断します。

インプラントで口腔内の状態がよくなる

インプラントで口腔内の状態がよくなる

編集部編集部

骨粗しょう症でも、インプラント治療をおこなうメリットはありますか?

高木先生高木先生

はい。やはり、口腔機能が回復しやすい点です。インプラントは入れ歯に比べて噛む力が強くなるため、食事が楽になり、色々なものが食べられるようになります。そこからさらに、食欲が湧いて体も元気になり、認知症予防にもつながるでしょう。また、入れ歯のように毎日、外しての洗浄や掃除をする必要がないため、メインテナンスの手間も省けます。

編集部編集部

実際に、入れ歯からインプラントにする人も多いのですか?

高木先生高木先生

そうですね。高齢者の中には、入れ歯をやめたいとインプラントの相談に来る方も多いですよ。仮に、すべての歯にインプラント治療ができなくても、インプラントを打てる箇所が何本かあれば、その歯を基点に部分入れ歯に変更することもできます。

編集部編集部

インプラントと入れ歯を組み合わせることもできるんですね。

高木先生高木先生

ほかにも、インプラントを入れた歯に、ボタンで留めることのできる入れ歯をつける方法もあります。そうすることで着脱も簡単になります。さらに、噛む力も向上しますし、入れ歯も外れにくくなります。

編集部編集部

たしかに、インプラントで生活の負担が減りそうですね。

高木先生高木先生

特に上部の入れ歯は、粘つくものを食べたり、運動をしたりすると外れてしまうといった悩みを抱えている方も多いようです。また、機能面以外の部分で、審美面でも優れています。総じて、入れ歯からインプラントに変えて、喜ばれる方が多いですね。

骨へのリスクがある場合は注意

骨へのリスクがある場合は注意

編集部編集部

では反対に、インプラントをするデメリットはありますか?

高木先生高木先生

やはり、少なからずリスクは存在します。例えば、骨粗しょう症が進行すれば、骨に損傷がおきる可能性があります。また、せっかくインプラントを入れても、うまく骨と癒着しないことも考えられます。インプラント治療には手術が必要ですので、高齢の方にとっては、体の負担になる場合もあります。

編集部編集部

ほかにも、問題点はありますか?

高木先生高木先生

あとは保険が適用しない自費診療のため、治療費がどうしても高くなります。入れ歯は保険、自費の両方から選ぶことができますが、インプラント治療ではそれができません。もちろん、入れ歯が合っていて上手に使えている人は、無理にインプラントにする必要はないと思います。ただ、多くの方から「口の中がすっきりした」、「やってよかった」などの感想をいただいています。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

高木先生高木先生

骨にインプラントが打てる状態にあるならば、基本的にメリットしかないと思います。骨粗しょう症の方が手術できるかどうかは、口だけでなく全身の状態がしっかりしているかも大切です。入れ歯の不具合などに悩んでいる方も含めて、ぜひ一度クリニックで相談してみてください。

編集部まとめ

骨粗しょう症の人でも、顎の骨がしっかりとしていれば、インプラント治療が可能とのことでした。また、入れ歯の不具合で悩んでいた人も、インプラントにしたことで生活しやすくなった例もあるそうです。インプラント治療を検討している人は、まず顎の骨の骨密度などを、一度検査してもらうといいかもしれません。

医院情報

高木デンタルクリニック

高木デンタルクリニック
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診療科目 歯科