白目に黒い筋が…これって大丈夫なの? 考えられる病気は?

公開日:2021/03/05  更新日:2021/06/26

痛みやかゆみはないものの、昔から気になっていた白目の黒い模様。視力が落ちていないときは問題ないとしても、いずれ悪化してくる異変なのでしょうか。仮に病気だとしたら、治療法は確立しているのでしょうか。鏡を見るたびに覚える不安を、「西條眼科医院」の水落先生に投げかけてみました。

水落 誠

監修医師
水落 誠(西條眼科医院 医師)

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聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医科大学病院入職後、関連病院にて白内障などの手術治療および外来診療に約20年間従事。2020年、東京都豊島区に位置する「西條眼科医院」勤務。患者の身になって考える診察に努めている。日本眼科学会専門医、身体障害者福祉法指定医、難病指定医。

黒い部分が育たない限り、放置していても大丈夫

黒い部分が育たない限り、放置していても大丈夫

編集部編集部

白目の部分に黒や茶色の線が出ているのですが、これはなんですか?

水落 誠水落先生

調べてみないとわかりませんが、痛みなどがなければ、「結膜母斑(けつまくぼはん)」かもしれませんね。ホクロのような色素沈着ですから、目に害のある病気ではありません。ただし、時間とともに大きくなるようなら危険です。悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)」などの病気を疑ってみるべきでしょう。

編集部編集部

放っておいても大丈夫なのでしょうか?

水落 誠水落先生

受診を推奨する兆候は、大きく3点あります。1つ目は、短期間で大きくなること。2つ目は、黒い部分が平らではなく盛り上がっていること。まばたきすると、隆起によってゴロゴロ感がすることもあります。そして最後に、黒い患部と白目の境界が不明瞭であること。この3点のいずれかが確認されたら、念のために受診してください。

編集部編集部

上記の兆候がない場合でも、希望すれば取り除くことは可能ですか?

水落 誠水落先生

手術を扱っている眼科なら、切除が可能です。術後の注意点や再来院のタイミングなどについては、担当医から説明を受けてください。ただし、万が一悪性の疾患だとしたら、眼科以外の、身体疾患を扱う専門医院などと連携していく必要があるでしょう。

編集部編集部

結膜母斑が病気ではないとすると、審美目的の自費診療になりそうですか?

水落 誠水落先生

「白目結膜の腫瘍切除」という扱いになりますので、保険診療が認められています。費用は、保険の3割負担として、片目あたり2万円前後です。なお、レーザーを用いると自費診療になる場合もあるので、念のため受診先に確認してみてください。

白目の赤い筋や広がりなら、いずれ消失する

白目の赤い筋や広がりなら、いずれ消失する

編集部編集部

同じく白目の筋で、赤い場合もありますよね?

水落 誠水落先生

赤い筋でとどまっている場合は「充血」ですね。感染や炎症などの原因により血液を多く必要とするため、血管が太くなっているのです。根本原因が解消されれば、充血は自然に引いていきます。

編集部編集部

一方、目が真っ赤になっている場合は?

水落 誠水落先生

赤い部分が面状に広がっていたら「充血」ではなく「出血」しており、病名としては「結膜下出血」になりますお酒の飲みすぎや、せき・くしゃみなどでも起きる日常的なもので、自然に引くのを待つしかありません。ただし、目に衝撃を得た場合は「ケガによる出血」かもしれないので、きちんと検査しましょう。

編集部編集部

見た目が気になる場合は、治療してもらえるのでしょうか?

水落 誠水落先生

充血であれば、原因を取り除くことが治療の主眼になります。充血そのものを引かせても、問題解決にはなりません。この場合の治療は、当然、保険診療です。他方、出血に対するお薬などはありません。

編集部編集部

充血用の市販薬を使うのはどうでしょう?

水落 誠水落先生

目薬をさしてしばらくは、効果があります。しかし、根本解決がなされていないので、おそらく再発するはずです。痛みやかゆみ、その他の自覚症状などを伴うようでしたら、やはり眼科医院に相談してください。

紫外線が白目の異常をもたらすことも

紫外線が白目の異常をもたらすことも

編集部編集部

ほか、白目に現れる色の変化はありますか?

水落 誠水落先生

黄色や薄茶色のシミがあったら、「瞼裂斑(けんれつはん)」か「翼状片(よくじょうへん)」かもしれません。「瞼裂斑」は白目の部分にできる小さなシミ、「翼状片」は白目から黒目の部分まで進出している翼のような組織のことで、それぞれ別の病気です。

編集部編集部

ともに治療は可能なのですか?

水落 誠水落先生

可能で、切除手術を用います。目のゴロゴロ感を和らげる目的で、点眼薬が処方される場合もありますが、点眼薬だけで治るものではありません。なお、「瞼裂斑」が老化現象の一種とされている一方、「翼状片」は異常な組織増殖の一種で、若い人でも起こり得ます。「翼状片」の進行を許すと視力に影響し、切除しても元の視力に戻らないことがあります。早めにご相談ください。

編集部編集部

黄色の病変は、少し怖いですね。予防法はありますか?

水落 誠水落先生

ともに紫外線が原因とされ、主に屋外で仕事をされる方に多発します。ですから、「サングラスの着用」が有効かもしれないですね。ただし、サングラスに対する「抵抗感」のような意識をお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、なんとも言えません。医師としては、「目の保護」を適切にしていただきたいと考えます。少なくとも、サングラスによる医学的なデメリットはありません。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

水落 誠水落先生

いわゆる「できもの」は、白目に限らず、まぶたの裏側などにも生じます。総じて、「短期間のうちに大きくなる」ようなら、早急に受診してください。「ものもらい」と思っていたら悪性腫瘍だったケースもございますので、油断は危険です。

編集部まとめ

白目の黒い筋や点状のシミは、ホクロの一種と考えてよさそうです。目に害はないとのことですが、見た目が気になるようなら、手術による切除を検討してみてください。ただし、「拡大、隆起、輪郭の不明瞭」といった三大傾向が見られたら、受診を急ぎましょう。また、黒やこげ茶色ではなく、黄色から明るい茶色の異変は、固有の病変が考えられます。医師に診断を付けてもらってください。

目の充血に関する症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

医院情報

西條眼科医院

西條眼科医院
所在地 〒171-0031 東京都豊島区目白5-2-10
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JR「目白駅」 徒歩15分
診療科目 眼科