ぼうこう炎にならないための予防策を教えて!

公開日:2020/10/23

しつこい慢性化を起こすことがあるぼうこう炎。「そういうものだ」と諦めていませんか。「ぐみょうじ泌尿器科」の速水先生によると、生活習慣や薬ののみ方にも原因が隠れているとのこと。だとすれば、その裏返しが予防策といえそうです。詳しい話を伺いました。

速水先生

監修医師
速水 悠太郎(ぐみょうじ泌尿器科 院長)

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関西医科大学医学部卒業。関西医科大学附属枚方病院(現・関西医科大学附属病院)、大阪府済生会野江病院などの勤務を経た2020年、神奈川県横浜市に「ぐみょうじ泌尿器科」開院。幅広い知識と経験から、最適な医療をおこなうよう心掛けている。日本泌尿器科学会認定専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。日本排尿機能学会、日本泌尿器腫瘍学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本腎泌尿器疾患予防医学研究会の各会員。

基本は水分摂取だが、便秘にも注意

基本は水分摂取だが、便秘にも注意

編集部編集部

ぼうこう炎に予防対策って必要だと思いますか?

速水先生速水先生

ぼうこう炎にならなければ、それに越したことはないでしょう。それに、ぼうこう炎は、腎盂腎炎(じんうじんえん)や全身の菌血症などへ発展しかねません。また、女性の尿道は短いため、生まれつきかかりやすい傾向にあります。20歳から40歳の女性の「約4人に1人」はぼうこう炎に“かかる”といわれています。

編集部編集部

男性はどうなのでしょう? 話題を女性に限定してもいいですか?

速水先生速水先生

男性は、ぼうこう炎になる前に、尿道炎や前立腺炎になります。焦点があくまで「ぼうこう炎」ということであれば、女性を前提にした内容でいいのではないでしょうか。

編集部編集部

では、その前提で予防策を教えてください。

速水先生速水先生

間違いないのは「十分な水分摂取と排尿」です。ぼうこう炎の症状に“頻尿”があるため、水分摂取を控える方がいらっしゃるものの、全くの悪循環です。つくられたばかりのキレイな尿で、ぼうこうの中にたまった菌を洗い出しましょう。また、十分な睡眠や運動で免疫力を向上させることも重要です。

編集部編集部

ほかにもあれば、続けてお願いします。

速水先生速水先生

お尻の拭き方は「前から後ろ」です。「後ろから前」だと、大腸菌をもってきてしまいます。また、オナラの中にも大腸菌が含まれることを知っておいてください。便秘などでオナラの量が多いと、下着の中で感染しかねません。

繰り返し発症している人の盲点

繰り返し発症している人の盲点

編集部編集部

ぼうこう炎の症状としては、どんなものがありますか?

速水先生速水先生

排尿時の痛み、残尿感、頻尿、血尿などで、発熱はありません。なお、ぼうこう炎の原因である菌を殺すには、抗生剤が有効です。しかし、抗生剤は原則として市販されていません。ぼうこう炎用の市販薬は、漢方薬の一種と考えてください。市販薬で治まればいいですが、改善しないようなら、処方した抗生剤できちんと治しましょう。

編集部編集部

たびたび、ぼうこう炎を繰り返す人って、なにがいけないのでしょう?

速水先生速水先生

もしかしたら、お薬に耐性のある菌を抱えこんでいるのかもしれません。菌の種類を調べ、専用のお薬へ切り替えていく必要があります。あるいは、「症状がおさまった」=「治った」と勘違いして、お薬の服用をやめてしまうことも考えられます。ぼうこう炎が「治った」と言えるのは、菌のいなくなった状態のことで、医院の検査でしかわかりません。中途半端な抗生剤の服用は、耐性菌を生む原因にもなります。

編集部編集部

つまり、繰り返しているのではなく、菌の量が上下しているだけだと?

速水先生速水先生

その可能性があります。ギリギリの環境で生き残った菌が、お薬への耐性をもって再び増殖すると、以前のお薬は効きにくくなります。「再発したときに備えて、お薬を少し残しておこう」という考えは、“明らかな誤り”です。用法・用量を守って、しっかりのみきってください。

編集部編集部

どれくらいの治療期間を覚悟しておいたほうがいいですか?

速水先生速水先生

抗生剤の服用期間は3日程度ですが、炎症が治るまで「約1週間」とお考えください。抗生剤の服用期間を終えても症状が引かない場合は、耐性菌の問題が考えられますので、すぐにご相談ください。

運動と睡眠で「戦える身体」にする

運動と睡眠で「戦える身体」にする

編集部編集部

ほか、ぼうこう炎を「もらう」シーンとしては、どんなものがありますか?

速水先生速水先生

女性の場合、性交渉時の感染が考えられます。なお、銭湯や温泉などでうつることは、まずありません。むしろ体を温めたほうが、ぼうこう炎の予防になります。

編集部編集部

衛生面の徹底が予防策の要となりそうですね。

速水先生速水先生

ケアすべきは、ご自身の大腸菌ですね。便秘や下痢、お尻の拭き方に注意してください。しかし、最も大切なのは、水分補給によって尿と菌を出すことです。個人差はありますが、食事で取る水分とは別に、1日1.5リットル程度の水分摂取を心がけましょう。排尿は、治療方法でもあります。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

速水先生速水先生

ぼうこう炎になりやすい方は、一定割合でいらっしゃいます。耐性菌のほか、加齢による免疫力低下も一要因です。また、更年期などを境に、腸内細菌のコロニーが変化し、なりやすい体質へ変わることもあります。そこで問われるのが「運動と睡眠」ではないでしょうか。免疫力の向上は、あらゆる病変に有効な一手です。

編集部まとめ

水をたくさん飲み、尿をたくさん出す」。ぼうこう炎の予防策は、やろうと思えばいつでもできることでした。「目からウロコ」だったのは、頻尿が気になって、水分摂取を控えてしまう行動癖です。例えるなら、お風呂のお湯を流さずに、いつまでもためているようなもの。とにかく「尿を出す」ように努めてください。

医院情報

ぐみょうじ泌尿器科

ぐみょうじ泌尿器科
所在地 〒232-0067 神奈川県横浜市南区弘明寺町137-6
アクセス 京急線「弘明寺駅」 徒歩5分

診療科目 泌尿器科