カプセル内視鏡は排出されないことがあるって本当?

公開日:2020/10/22

大腸検査というと、少し前までは大腸カメラが当たり前でした。しかし最近では、「カプセル内視鏡」という検査方法の選択肢が増えました。カプセルを飲み込むだけで検査ができるようになるので、痛みが少なくなるなどメリットもありそうです。しかし、カプセル内視鏡を飲みこむと、排出されないこともあるとか!? 一体どのような検査で、リスクはどれくらいあるのか、「おおくら内科」の大蔵先生に聞いてきました。

大蔵先生

監修医師
大蔵 隆一(おおくら内科 院長)

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順天堂大学医学部卒業。順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科入局。その後、順天堂大学医学部附属練馬病院消化器内科長・講師、順天堂大学医学部附属練馬病院総合診療科科長・助教授、厚生労働省関東信越厚生局を経た2013年に、東京都中野区に「おおくら内科」を開院。胃カメラのスペシャリストとして、辛くない検査、正確な診断を心がけている。医学博士、日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医関東支部評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。

排出されないことは非常に稀

排出されないことは非常に稀

編集部編集部

大腸のカプセル内視鏡検査で、「カプセル内視鏡が排出されない」ことがあると聞きましたが、本当ですか?

大蔵先生大蔵先生

割合としては少ないですが、本当です。一般的には検査後、3~5時間で排出されます。当日に排出されない人も20〜30%いますが、ほとんどの人が結果説明を行う1週間後までには排出されています。しかし子供の1.6%、大人でも過去に私が見てきた中には2人排出されなかった人がいます。

編集部編集部

排出されない原因はなんですか?

大蔵先生大蔵先生

小腸の一部に狭い部分があり、そこにカプセル内視鏡が引っかかってしまうのが原因です。小腸の病気で手術経験のある人は、手術が原因で狭くなることもあります。ちなみに大腸に引っかかったという人は、あまり聞いたことがないですね。

編集部編集部

ずっと排出されない場合は、どうしたらよいのですか?

大蔵先生大蔵先生

そのままにしておくと腸閉塞を起こす危険性があるので、手術をして取り除きます。基本的には検査後、48時間経過しても排出されない場合は注意が必要です。

痛くないのがカプセル内視鏡のメリット

痛くないのがカプセル内視鏡のメリット

編集部編集部

大腸のカプセル内視鏡検査の流れを教えてください。

大蔵先生大蔵先生

前日に下剤を服用し、当日は朝食なしで来院していただきます。クリニックに着いたら下剤を飲み、便が出始めたらカプセル内視鏡を飲みます。カプセル内視鏡の体内での進み具合を見ながら下剤を飲むのを繰り返し、医師がカプセル内視鏡の記録装置の位置を確認していきます。例えば、朝の9時に来院してもらったら、10時にカプセル内視鏡を飲み、15時くらいにカプセルが排出されて検査終了というイメージです。

編集部編集部

カプセル内視鏡検査のメリットはなんですか?

大蔵先生大蔵先生

まったく痛くないというところです。大腸カメラは麻酔をしていてもどうしても痛みがあり、特に腸が長い女性には辛いものです。カプセル内視鏡は体内を流れていくだけなので、違和感もありません。あとはお尻を見られなくていいので、恥ずかしくない点もメリットとして挙げられますね。

編集部編集部

では、一方でデメリットはありますか?

大蔵先生大蔵先生

やはり検査時間が長いことです。先ほども述べたように検査には4〜5時間かかり、ほぼ1日がかりの検査です。また、もしポリープなどが見つかったときは、再度検査や手術が必要なのもデメリットです。大腸カメラであれば小さなポリープなどは、見つけたら検査しながらその場で切除することができます。

がん予防のためにも検査を

がん予防のためにも検査を

編集部編集部

カプセル内視鏡検査は誰でも受けることができますか?

大蔵先生大蔵先生

実はカプセル内視鏡検査は保険の規制があり、すべての人が受けられるわけではないのです。条件としては、以前に大腸カメラを受けて、痛い、辛いなどの理由で奥まで検査ができなかった人お腹の手術を以前に行い、腸管癒着している人となります。

編集部編集部

初めて大腸検査をする人が、いきなりカプセル内視鏡検査をするのは難しいのですね。

大蔵先生大蔵先生

そうですね。自費で行うこともできますが、10〜12万円ほどかかってしまいます。最初は大腸カメラで行い、難しければカプセル内視鏡を検討するのがいいでしょう。

編集部編集部

最後に、まだカプセル内視鏡検査を受けたことがない人へ、メッセージをお願いします。

大蔵先生大蔵先生

女性の大腸がんは特に増えていて、検査の必要性が非常に高まっています。痛い、恥ずかしいなどの理由で検査を敬遠する人も多いですが、カプセル内視鏡であればその心配もありません。心配な人はぜひ一度カプセル内視鏡検査を検討してみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

カプセル内視鏡は排出されないと手術をして取り出さなければいけませんが、割合はとても低いようです。時間はかかりますが、痛みがない・恥ずかしくないというメリットもあります。以前に大腸カメラで嫌な思いなどして検査を敬遠している人は、一度クリニックなどで相談してみるとよいかもしれません。

医院情報

おおくら内科

おおくら内科
所在地 〒132-0014 東京都中野区東中野5-1-1 ユニゾンモール3F
アクセス JR「東中野」駅 徒歩1分

診療科目 内科、消化器内科