【漫画付き】糖尿病を予防するには、どのような食事が効果的なの?

糖尿病と聞くと、甘いものの食べすぎというイメージがある人も多いのではないでしょうか。しかし、尾山台ゆあさ内科クリニックの湯浅先生によると、甘いものだけが原因ではないとのこと。本当はどのような食生活が原因でなるのか、伺いました。また、食事の際に意識するだけで糖尿病を予防できる方法についても教えていただきました。

湯浅 幸子(尾山台ゆあさ内科クリニック 院長)
糖質の摂りすぎによる血糖値上昇が危険

編集部

簡潔に言えば、「インスリンが十分に機能していないために血液中の糖が増えてしまう病気」です。糖尿病になると血管が傷つき、心臓病や腎不全など糖尿病による合併症が引き起こされてしまいます。
編集部

食事をすると通常、血糖値が上がります。血糖値が上がると、膵臓(すいぞう)がインスリンというホルモンを分泌し、血糖値を元に戻すのですが、インスリンが不足すると、血糖値が高いまま放置されてしまうことがあり、糖尿病を引き起こしてしまうのです。
編集部

糖質が多いものを食べすぎると、血糖値が急激に上がってしまいます。そうするとインスリンがたくさん必要になり分泌が追いつかなくなります。
編集部

そうですね。甘味だけではなく、米や麺などにも糖質は含まれているため、主食の摂りすぎは糖尿病の原因になります。肥満の人に多いですが、膵臓のインスリン分泌が少ない人もなりやすいので、体格だけの問題ではありません。
血糖値を上げにくい食生活を

編集部

血糖値を上げにくい食事を心がけることが大切です。主食の場合、白より茶色がおすすめです。白米より五穀米や玄米、麺はうどんより十割そば、パンも全粒粉のものなどは、急激な血糖値の上昇を防ぎます。
編集部

意外と危険なのはスポーツドリンクや清涼飲料水です。糖質が多く含まれているものも多く、ゴクゴク飲んでしまうと一気に血糖値が上がります。缶コーヒーは小さいから油断しがちですが、微糖などでも砂糖が多く入っているので要注意です。一番安全なのは水やお茶だと思います。


食べ方や運動量の見直しも大切

編集部

食べ方を見直すだけでも、かなり効果はあります。例えばスイーツは食間ではなく、食事のすぐ後に食べるのがおすすめです。
編集部

血糖値には波があり、食後1時間は上がっていき、2〜3時間後には元に戻ります。この血糖値の波は朝・昼・夕食時の3回が望ましいのです。例えば、16時ごろにスイーツを食べるとそこで血糖値が上がります。そうすると血糖値が下がり切らず夕飯を食べ、また血糖値が上がります。このように、高血糖の状態が長く続くと、糖尿病に繋がりますので、スイーツは食後に食べることをおすすめします。


寝る直前の食事はやめましょう。エネルギーを消費できないため肥満の原因になりますし、血糖値が高い状態が続いてしまいます。


運動に目を向けるのはおすすめです。1日の歩く歩数が8000歩以下の人は、週3回はプラス2000歩を目指しましょう。特に糖質を食べすぎたときなどは、歩いて糖を消費するといいと思います。


健康診断で血糖値が高めな人は、将来糖尿病になるかもしれないので要注意です。今から食生活など気をつけてください。遺伝や運動不足も要因となります。また、急な体重の減少、異常な喉の渇き、トイレが近いなどはすでに糖尿病が始まっているサインの可能性もあります。心配な場合は、近くの医師に相談してみてください。
編集部まとめ
医院情報

所在地 | 〒158-0082 東京都世田谷区等々力5-5-12 尾山台萬八ビル2階 |
アクセス | 東急大井町線「尾山台駅」より徒歩2分 |
診療科目 | 内科・糖尿病内科・循環器内科 |