【漫画付き】精神疾患に漢方薬が効果的!? これってホント?

公開日:2020/01/23  更新日:2021/06/16
【漫画付き】精神疾患に漢方薬が効果的!? これってホント?

向精神薬の副作用や多剤投与による弊害が懸念されている精神疾患。「東西医学ビルクリニック」の齋藤先生によると、漢方薬を使えば、これらのリスクが低減できるそうです。なおかつ、主訴にも効果的らしいのですが、どういう仕組みなのでしょう。詳しい話を伺ってみました。

齋藤 竜太郎

監修医師
齋藤 竜太郎(東西医学ビルクリニック 院長)

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帝京大学医学部卒業。川崎幸病院での勤務を経た1999年、東西医学ビルクリニック副院長就任。現職は2005年から。東洋医学と西洋医学の結合による、心と身体にやさしい医療の提供と研究をおこなっている。日本整形外科学会専門医。日本東洋医学会、日本整形外科学会、日本統合医療学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本バイ・ディジタルオーリングテスト協会の各会員。

体全体の調和を図る漢方の「全人的医療」とは

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編集部編集部

ズバリ、精神疾患に漢方は効果的なのでしょうか?

齋藤先生齋藤先生

疾患の原因を取り除くというより、「まず、目の前の身体的不調を整える」という意味では、漢方が有効でしょう。体調が安定することで、気分も安定しやすい体づくりができると思います。

編集部編集部

その理由についてもお願いします。

齋藤先生齋藤先生

具体的に「どんな症状か」を伺い、その症状にあわせた漢方が処方できるからです。疲れやすさや胃腸障害、冷えなどの症状に合わせて体に適した漢方薬をお出しします。

編集部編集部

西洋医学のお薬でアプローチすると、どんなことが起こりえますか?

齋藤先生齋藤先生

中枢神経に直接作用しますので、依存や副作用が心配ですよね。眠気手足の震えやる気の喪失吐き気便秘排尿障害など、さまざまな症状が考えられます。こうした副作用により、治療から脱落される方は漢方薬を使用していただくのが良いのではないかと思います。

編集部編集部

漢方薬だけで治療できるのですか?

齋藤先生齋藤先生

症状にもよります。重篤な場合などは、どうしても西洋のお薬が必要です。また、漢方薬が中心的な位置づけなのか補助的な位置づけなのかは、各医療機関のスタンスによって異なります。当然それ以外に、環境整備や精神療法なども必要になります。

漢方独自のアプローチ手法「証」

漢方独自のアプローチ手法「証」

編集部編集部

漢方では、精神疾患の患者に対し、どのようなアプローチをしていくのですか?

齋藤先生齋藤先生

始めに、困っていることや生活の習慣などを、事細かに伺っていきます。さらに四診(望診、問診、聞診、切診)を行うことで、患者さんごとの「」が特定できます。「証」とは、その人の訴え、四診から判断された病態といったところでしょうか。「証」を考えて適した漢方薬を処方しています。

編集部編集部

漢方は一つの手段なのでしょうか? ほかの選択肢も選べるのですか?

齋藤先生齋藤先生

漢方だけにこだわってはいませんし、最終的な判断を下すのは患者さんです。西洋医学と東洋医学を組み合わせれば、より多くの治療選択肢がご提示できるのではないでしょうか。自分に合いそうな治療方法を見つけていってください。

編集部編集部

向精神薬などを嫌がる患者さんも多いのですよね?

齋藤先生齋藤先生

最近になって増えてきているようです。ただし、必要と思われる方には、向精神薬の必要性をご説明します。それでも漢方薬と併用し、向精神薬の量をなるべく減らすことは可能です。また、国の方針として、薬そのものの量を減らそうという動きが出ています。お薬の種類が多いと、用量を間違ってしまいがちですよね。その点、漢方薬は一つにブレンドできますから、多剤投与対策としても有効です。

編集部編集部

漢方薬の予後や、経過観察についても教えてください。

齋藤先生齋藤先生

「体が楽だ」とおっしゃる方が多いですね。この「楽」というのが、治療を長続きさせるコツだと思います。精神疾患には、時間をかけた取り組みが欠かせません。その意味でも、精神疾患と漢方の親和性は高いと思います。

早めの受診と漢方の服用で、精神疾患予防や改善を

早めの受診と漢方の服用で、精神疾患予防や改善を

編集部編集部

精神疾患の初期は、自覚が難しいのでは?

齋藤先生齋藤先生

体の不調としては、気づいていると思いますよ。そこで、西洋医学の医院を受診するわけですが、「原因がわかりませんね」と言われてしまうことが多いのです。ご自身でも、まさか精神疾患だとは思いもよらないでしょう。漢方薬の処方を受けていただくとしたら、まさにそんなタイミングが適しています。

編集部編集部

精神疾患を放置していると、どうなるのですか?

齋藤先生齋藤先生

精神症状と身体症状、ともに悪化していくでしょう。それだけ、必要な治療期間も長引きます。早めに治療を開始することは、とても大切です。ぜひ、漢方という選択肢もご検討ください。

編集部編集部

ストレスの強い環境下にあるとき、漢方に予防措置的な効果も望めるのでしょうか?

齋藤先生齋藤先生

むしろおすすめします。西洋医学の場合、診断が付かないと、前には進めません。ところが東洋医学は、起きている症状にアプローチします。眠れない、イライラが募る、食欲がないなどの段階で処方することができるのです。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

齋藤先生齋藤先生

せっかく漢方薬を保険で利用できるのですから、有効に活用していただきたいですね。とくに精神疾患を始め、月経に伴う疾患自律神経の疾患アレルギー疾患慢性疾患などは、得意分野だと思っています。また、市販で売られている漢方薬よりも、医院で個人ごとに調合した漢方薬の方が効果が高いので、お気軽に医院へご相談ください。

編集部まとめ

治療に長く取り組むのであれば、心身への負担が「楽」な方法を選びたいもの。齋藤先生によれば、その答えが漢方薬ということでした。また、予防的な使い方が可能という点も発見でしたね。向精神薬の副作用が怖い人、ストレスに押しつぶされそうな人は、一度、漢方の門をたたいてみるといいでしょう。

医院情報

東西医学ビルクリニック

東西医学ビルクリニック
所在地 〒338-0001 埼玉県さいたま市中央区上落合8-2-12 さいたま新都心ビル3F
アクセス JR各線 大宮駅 徒歩約10分
診療科目 内科、皮膚科、アレルギー科、整形外科、心療内科、婦人科