最近強いまぶしさを感じる…これって目の異常なの? 2019/12/05

不意に覚える視界のチラつきやギラギラ感。ときには、漫画に出てくるような「星のようなもの」を見ることもあります。はたして、これらのまぶしさを感じる症状は、目の病気によるものなのでしょうか。また、改善するためにはどうすればいいのか。「うえだ眼科クリニック」の上田先生に教えていただきました。

監修医師
上田 至亮(うえだ眼科クリニック 院長)

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防衛医科大学校卒業。防衛医科大学校病院眼科医員、自衛隊中央病院眼科医長、荻窪病院眼科部長などを勤めた後の2018年、東京都杉並区内に「うえだ眼科クリニック」を開院。「患者さんを自分の家族だと思う」スタンスの元、日々の診療にあたっている。医学博士。日本眼科学会認定眼科専門医、日本医師会認定産業医、厚労省認定臨床研修指導医、身体障害者認定医。

編集部編集部

最近、晴れの日などに、強い“まぶしさ”を感じます……。

上田先生

まず、周りの人もまぶしさを感じているようであれば、正常と言っていいでしょう。日常会話などで確認してみてください。次に、自分だけがまぶしさを感じる場合ですが、目の異変に限らず、脳や神経の異変によるケースも考えられます。たとえば、ギラギラとした光を伴う「閃輝暗点(せんきあんてん)」は、脳の血流不良などが原因とされています。

編集部編集部

どのタイプかは、自分で判別できませんよね?

上田先生

片目だけにまぶしさを感じるようなら、目の異常である可能性が高いでしょう。もし両目ともまぶしく感じられ、なおかつ、目をつぶってもギラギラ感やチラチラ感がするようなら、脳や神経の異常かもしれませんね。どちらかわからなかったら、迷わず眼科を受診ください。最初に目という“入力装置”を検査してみて、何もおかしなところがなければ、脳や神経の異常を疑います。

編集部編集部

目の病気だった場合、どのようなものが考えられますか?

上田先生

目の病気としては、白内障角膜炎結膜炎ぶどう膜炎網膜の疾患などです。ほか、涙の分泌量が減ることによるドライアイコンタクトレンズの多用による角膜の傷などが考えられます。いずれの場合も、眼科での検査や診断が可能です。

編集部編集部

ドライアイでもまぶしさを感じるのですね。

上田先生

目の表面に「ぬれている部分」と「乾いている部分」ができるからです。光が均一に入ってこず、乱反射を起こすため、まぶしさのような症状が出ます。白内障のまぶしさも、レンズの濁りによる乱反射が原因とされています。

編集部編集部

「ぶどう膜炎」とは、どのような病気なのでしょう?

上田先生

簡単に言うと、目の中に炎症を起こす病気の総称です。眼球の内部にある膜に血管が集中して走っていて、その色から「ぶどうの房」のように見えるので、「ぶどう膜」と呼ばれています。この膜の腫れによって正常な見え方ができなくなると、まぶしさを過剰に感じます。

目と脳神経、それぞれの治療フロー

編集部編集部

続けて治療方法について伺います。まずは白内障から。

上田先生

濁ってしまった水晶体を削り、その部分に眼内レンズを移植します。眼内レンズには、単焦点と多焦点のタイプがあり、患者さんの症状やご希望によって決めていきます。単焦点の眼内レンズは水晶体と違って、ピント調整が効きません。近視や遠視の方は、それを補うような単焦点レンズを選ぶといいでしょう。遠近両方にピントを合わせたいのなら、多焦点レンズという選択肢もあります。

編集部編集部

ほかの「まぶしさを感じる病気」の治療方法についても教えてください。

上田先生

ぶどう膜炎の場合は、点眼薬で炎症を抑えていきます。ドライアイでも点眼薬を用いますが、この場合の目的は「目の潤い」と「目の表面の修復」にあるため、点眼薬の中身が異なります。白内障、ぶどう膜炎、ドライアイの3点が、まぶしさを感じる目の病気の主だったところと言えるでしょう。

編集部編集部

目の病気以外の場合もあるのですよね?

上田先生

はい。ところが「閃輝暗点」には、これといった治療方法が確立されていません。偏頭痛の前兆として起こることが多いため、頭痛に至らないような工夫で、発症を抑えていきます。具体的には、正しい姿勢や簡単な体操などですね。また、何が頭痛のきっかけになるのか、ご自身で把握しておくことも大切です。原因がわかっていれば、症状を避けられる可能性もあります。

編集部編集部

目に症状が出ていれば、目の病気以外でも眼科を受診していいとのことでしたが?

上田先生

その通りです。眼科で見当を付けてから、専門医をご紹介します。ご自分で脳神経外科を受診しても、説明するのが難しいでしょう。しかし、眼科医の見立てがあれば、スムーズに進むと思います。

受診の目安は、症状の強さと頻度

編集部編集部

まぶしさを我慢していると、どのようなことが考えられますか?

上田先生

症状がさらに進行していくかもしれません。たとえば白内障の場合、レンズの濁りと水晶体の硬化が同時進行していきます。そのことにより、手術の難易度を上げてしまいかねませんので、早めに受診してください。ぶどう膜炎の放置も、失明に至る可能性があります。

編集部編集部

まぶしさが一過性で、すぐに落ち着いた場合は?

上田先生

1回や2回程度は別として、まぶしさが繰り返されるようなら、やはり、何かしらの異常が考えられます。一過性でも、強い痛みや吐き気、頭痛などを伴った場合は、遠慮なくご相談いただきたいですね。

編集部編集部

強い痛みが伴うって怖いです……。

上田先生

脳の神経や血管の異常である可能性が高いでしょう。眼圧が異常に高くなっていることも考えられます。失明へ至らないうちに、詳しく検査してみましょう。

編集部編集部

目薬などの市販薬に頼るのはどうなのでしょう?

上田先生

市販の目薬で対応できるのは、ドライアイと疲れ目だと思われます。逆に言うと、目薬の効き目が感じられなかったら、それ以外の病気を疑うべきです。仮にドライアイや疲れ目が緩和されたとしても、根本原因は解決されていません。やはり、受診だけはしておいたほうがいいでしょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

上田先生

お子さんがたびたびまぶしさを感じる場合、先天的な疾患をお持ちかもしれません。小児対応が可能な眼科を受診するようにしてください。一般的な「3歳児検診」では、ご本人が主訴をうまく説明できず、漏れてしまうこともあります。お子さんのしぐさなどに注目してみましょう。

編集部まとめ

結論としては、「どのような場合でも眼科を受診」ということでいいようです。診断と治療は医師へお任せして、目の前の不都合を取り除くことに集中しましょう。脳血栓や脳梗塞の予兆が見え方に現れているとしたら要注意。まぶしさを我慢していることに、あまり意味はありません。

医院情報

うえだ眼科クリニック

うえだ眼科クリニック
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診療科目 眼科