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ピルで生理の周期を変えられるってホント?

 更新日:2023/03/27

友達との温泉旅行や彼とのデートのとき、生理にあたってしまうと、楽しさも半減だ。「大事な予定のときは、周期を変えられたらどんなに楽か」と、女性なら何度も思ったことがあるはず。ピルを上手に使えば、それを可能にしてくれるかも……。その可能性とピルを服用する場合の注意点など、ピルとの上手な付き合い方について、町田東口クリニック院長の古谷元康先生にアドバイスをいただいた。

古谷 元康

監修医師
古谷 元康(町田東口クリニック 院長)

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新潟大学医学部を卒業。新潟大学医歯学総合病院勤務を経て、長岡赤十字病院、JA神奈川県厚生連の相模原協同病院と伊勢原協同病院を歴任。平成3年に町田東口クリニックをオープンし、院長に就任。母体保護法指定医師、日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、日本臨床内科学会。

周期をずらしたい日から1か月以上前までには婦人科へ

周期をずらしたい日から1か月以上前までには婦人科へ

編集部編集部

ピルで生理周期を変えられるというのは本当でしょうか?

古谷先生古谷先生

本当です。ただ、次の生理が間近にせまっているタイミングの場合は、中・高用量のピルが必要になり、副作用の出る場合があります。低用量ピルでより安全に周期を変えるためには、生理をずらしたい日が決まったら、できるだけ早めに婦人科に相談に行きましょう。

編集部編集部

どれくらい早めに行けばよいのでしょう?

古谷先生古谷先生

一番いいのは、周期をずらしたい生理より、一つ前の生理が始まる前です。生理を遅らせたいときも早めたいときも同じです。一つ前の生理の1日目からピルを服用できれば、低用量ピルを使えますが、一つ前の生理が始まってから飲むと、中用量や高用量のピルが必要になります。

編集部編集部

ピルの「用量」とは何でしょう?

古谷先生古谷先生

避妊用ピルは、含まれるホルモンの量によって、低用量、中用量、高用量がありますが、ホルモン量が少ないほうが副作用の可能性が少ないため、できるだけ低用量ピルでコントロールするのがおすすめです。

編集部編集部

生理の周期をずらすのは、皆さんどんなときが多いのでしょう。

古谷先生古谷先生

海外旅行や温泉旅行など、旅行中の生理を避けたいといらっしゃる方が多いですね。あとは、大事な仕事がある日、彼とのデートの日、クリスマスやお正月などのイベントの日を避けたいという方などもいらっしゃいます。ただ、自分の生理の予定日がわからない、という方がおられます。生理の予定日がわからないと、ピルをいつから飲んでもらうのか、判断するのが難しい場合があります。

編集部編集部

なぜ生理の予定日がわからない人が増えているのでしょう。

古谷先生古谷先生

スマホのアプリに頼り過ぎて、自分で記録しない人が増えているのではないでしょうか。スマホが普及する前は、みなさん大体手帳にメモっていて、次はいつが予定日かを予測しながらスケジュールを組んだりしていましたから、次の予定日を把握している方がほとんどでした。生理周期を把握することは、避妊や妊娠のために重要ですから、スマホのアプリを利用したとしても、自分の生理の周期や予定は覚えておいてほしいものです。

妊娠の可能性があるときは、ピルの服用は禁止

妊娠の可能性があるときは、ピルの服用は禁止

編集部編集部

ピルを服用するときの注意点はありますか?

古谷先生古谷先生

24時間に1回服用する必要があるため、飲み忘れないようにすることです。服用する時間が大きくずれると、出血してしまうこともあります。とくに、海外で飲むときは、時差があるので注意が必要です。日本では朝の8時に飲んでいる場合、国によっては夜中の2時ごろ飲まなければならなくなることもあります。それでは大変なので、前もって飲む時間を少しずつずらしていって、渡航先で夜中に飲まなくてよいように調整します。また、低用量ピルの場合も胎児には副作用があるため、妊娠の可能性があるときは、絶対飲んではいけません。

編集部編集部

ピル以外に薬を飲んでいるときに、気をつけることはありますか?

古谷先生古谷先生

ピル以外に飲んでいる薬があれば、ピルを処方する医師に何を飲んでいるかをきちんと伝えてください。また逆に、ピルを飲んでいるときに他の医療機関にかかったときは、そちらの医師にピルを服用していることをしっかり伝えるようにしましょう。ピルの影響で他の薬の効果が出すぎたり、他の薬の影響でピルの効果が弱まったりすることがあるためです。とくにステロイド系の薬は、ピルの女性ホルモンの影響で、作用が強く出てしまうため注意が必要です。

編集部編集部

他に、ピルとの飲み合わせに気をつけたほうがいいものはありますか?

古谷先生古谷先生

健康食品に使われていることがあるセイヨウオトギリソウというハーブは、ピルの効果を弱めるため、ピル服用中には避けたほうがよいでしょう。また、女性ホルモンの成分が入っているサプリメントや薬は、効用が重なりますからピルを処方してもらうときに、医師に相談してください。それ以外のサプリメントについては、医師のほうでも把握していませんので、サプリメントの販売店や製造元の会社に問い合わせて「ピルを服用していますが、このサプリメントはピルの効果に影響はないですか」と、確認するようにしてください。

編集部まとめ

ピルで生理の周期を変えることは可能ですが、副作用が少なくより安全な低用量ピルでコントロールするためには、できるだけ早めに婦人科を訪れることが良いようです。理想は、「周期をずらしたい生理より、一つ前の生理が始まる前」。生理を遅らせたいきも、早めたいときも同じです。一つ前の生理の初日からピルを飲めば、確実に周期を変えることができます。そのためには、自分の生理の予定や周期を、日ごろからしっかり把握しておくことが大切です。

ピルを服用する場合は、妊娠の可能性があるときは、胎児への副作用があるため、絶対に飲まないこと。それ以外に、服用時の注意点は、以下の3つです。

1. ピルは24時間に1回、飲み忘れないようにする
(飲む時間が大きくずれると、出血する可能性があるため)
2. ピル以外に飲んでいる薬があるときは、医師に伝える
(薬の飲み合わせにより、ピルや他の薬の効果が強まったり弱まったりするため)
3. サプリメントを飲んでいる場合は、販売店や製造元の会社に安全性を確認する
(サプリメントの種類によって、ピルやサプリメントの効果が強まったり弱まったりするため)

医院情報

町田東口クリニック

町田東口クリニック
所在地 〒194-0022 東京都町田市森野1丁目35番8号 ヴィンテージII 3F
アクセス 小田急線「町田駅」北口から徒歩1分
診療科目 産婦人科、内科、女性内科(性感染症)

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