【漫画あり】何もしてないのに鼻血がよく出る…原因と対策は?

はたのクリニックの波多野先生によると、鼻血には大きく2種類あり、「よく見かけるタイプ」と「背景に怖い病気を抱えているタイプ」があるそうだ。そこで、鼻血のメカニズムや原因、止血方法などを伺った。鼻血から、どんな体の症状が見えてくるのだろう。

監修医師
波多野 篤(はたのクリニック 院長)

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1984年岡山大学医学部医学科卒業、同大学院博士課程終了。岡山大学、東京慈恵会医科大学附属病院耳鼻咽喉科などにて勤務。2011年からは東京慈恵会医科大学附属第三病院に勤務、その後診療部長、准教授を経て2018年はたのクリニックを開院し同病院非常勤診療医長を務める。日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門研修指導医、日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医制度暫定指導医、日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医、身体障害者福祉法15条指導医、難病指定医。

編集部編集部

鼻血は、何もしていなくても出るのでしょうか?

波多野先生

症状としては起こりえます。鼻の真ん中には軟骨でできた板状のもの(鼻中隔)があり、鼻の中を左右に分けています。この鼻中隔の前方で鼻の入口付近には、血管の集中している「キーゼルバッハ部位」という場所があります。この部位は外からの刺激(乾燥、寒冷)を受けることも多く、この部位を触ったり鼻をかみすぎたりすると粘膜が傷付き、出血に至ることがあります。

編集部編集部

どのようなきっかけが考えられますか?

波多野先生

こどもが鼻をよく触ったりほじったりすることで鼻の中の粘膜が傷つくことがあります。またくしゃみせきなどにより一時的に血圧が上昇することも影響します。その他、高齢者では血圧が高かったり、他の病気で血液がさらさらになる薬を服用していることも関係したりします。

編集部編集部

「キーゼルバッハ部位」以外からは出血しないのですか?

波多野先生

鼻の奥から出血することもありますよ。この場合、がんも含めた腫瘍からの出血もあり、さらに血管の病気や血液の病気などの可能性も考えます。鼻の奥からの出血では、簡単には圧迫しにくいために止まりにくく、後方の喉へ血が流れ込んでしまうこともあります。

止血方法と受診の目安

編集部編集部

止血の方法について教えてください。

波多野先生

まずは、鼻をつまんでみましょう。小鼻の部分で鼻中隔の前方を押さえられるので、前方の出血点へ圧迫をかけることができます。うまく圧迫できれば指で小鼻を押さえるだけで十分です。何か鼻に入れた場合には、血が止まった後、取り出すときにこすれて、再出血してしまうかもしれないからです。ただし、指で押さえるだけで血が止まらない場合には、キーセルバッハ部位の広い範囲に圧迫をかけるという意味で、ティシュを詰めて圧迫するのもいいでしょう。

その際に、血が喉の方に流れてくると血を飲み込んでしまい、後で気持ち悪くなり吐いてしまうことがありますから、鼻をつまんで圧迫した後に、仰向けにならないで少し下を向くようにしてください。喉に回ってしまった場合には、飲み込まず口から出すようにしましょう。

編集部編集部

それでも止まらなかったら、どうすべきですか?

波多野先生

耳鼻科を受診してください。鼻の中を内視鏡を使ってよく見て、出血点を見つけ、ガーゼを詰めて圧迫したり、出血点を電気焼却によって凝固させる方法もあります。また、白血病のような血液の病気を発症していたり、抗凝固薬という血液をサラサラにするお薬を処方されていたりする場合も、鼻血が止まりにくくなります。これらは、問診や血液検査などによって判明していきます。

編集部編集部

鼻血のきっかけとなった原因には、どう対処するのですか?

波多野先生

まずは鼻の中を触るクセは、やめていただきたいですね。くしゃみや鼻水などのために鼻を頻繁にかんだり触るのであれば、その原因となっている鼻の病気の治療が必要です。具体的には、風邪やアレルギー対策などです。

編集部編集部

喉へ流れていく鼻血の対策についてもお願いします。

波多野先生

鼻の奥の方からの出血では、鼻をつまむことでは圧迫が効かないために、出血を起こしている方の鼻の奥にガーゼを詰めたり電気凝固により止血します。その際に癌を含めた腫瘍などがないかどうかを検査することも重要です。

鼻血が頻発する人の注意点

編集部編集部

鼻血がよく出る人は、どうすればいいでしょう?

波多野先生

鼻をいじったり鼻水を何度もかんだりする背景には、鼻炎などの病気があることは多いです。風邪などにかからないようにして、かかった場合には早期治療で長期化させないことが重要です。まれに、白血病などの血液の病気に、鼻血がきっかけで気付くこともあります。血液検査をし、その結果によって専門医をご紹介します。

編集部編集部

年齢・世代による鼻血の傾向はありますか?

波多野先生

ご高齢者で多いのは、高血圧や、別の病気で抗凝固薬を処方されているケースです。このような場合、元の症状のリスクとあわせて判断していきます。若い方は、花粉症などのアレルギーですね。鼻血が続くようなら、遠慮なくご相談ください。

編集部編集部

鼻の奥が出血していることに、どうやって気付けばいいのでしょう?

波多野先生

わかりやすいのは、血が喉へ流れている感覚や、唾液や痰に血がついていないかなどです。片方の鼻だけがつまりやすく鼻出血もみられる場合には、腫瘍が隠れている可能性もあります。いずれにしても、鼻血が頻発したり止まりにくかったりしたら、耳鼻科を受診されてみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

たかが鼻血と侮ることなかれ。その裏には、思ってもいなかった原因が潜んでいるのでした。特に注意したいのは、血液をサラサラにする薬を服用している場合や、片方の鼻だけがつまりやすく出血を伴う場合。特に後者は、腫瘍など重篤な疾患である可能性も出てくるようです。

症状によっては、そのまま看過せず、受診を検討してみてください。その結果により、単なる「血管の傷」ということがわかれば、一安心できるでしょう。もし、何かしらの疾患を発見したとしても、適正な処置が受けられるはずです。

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